
玉子焼きのキモは、まず溶き方だ。
溶き過ぎはよくないのよ。
それと火。中火〜強火だね。弱火は❌。
うちは玉子焼きに砂糖は使わない。
使わずとも甘い玉子焼きができる。
菜箸を使って、溶き過ぎさせずにやれば
甘くてふわふわの玉子焼きができる。
ドラマ『深夜食堂』でも玉子焼きはよく
出て来る。マスターは客の希望で砂糖を
入れたり入れなかったりしているようだ。
新宿「古茶(こちゃ)」の玉子焼きは砂糖は
使っていなかった。
『深夜食堂』の店内に貼ってある「酒は
三杯まで」という張り紙は、古茶にあった
張り紙をモデルにしたのだろう。
実は、古茶では、今だから言うが、私は
ビール3本以上、日本酒3本以上、焼酎3杯
以上飲ませて貰っていた。他の人は知ら
ない。
最初の頃は「それでおしまい」とおばちゃ
んは張り紙以上飲ませてくれなかったが、
いつからかいくらでも飲ませてくれるよう
になっていた。
うちは玉子焼きだけでなく料理に白砂糖
は一切使わない。
まあ、お汁粉の時くらいだね。
一般的料理では白砂糖はまず使用しない。
あれは毒だから。
毒というより舌が馬鹿になるオマケ付き
だからそれがよくない。砂糖づけは馬鹿
舌になる。
料理の甘味は白砂糖ではなく、食材の持つ
甘味を引き出すような調理のやり方にして
いる。
これは、私の家だけでなく、本式和食板前
なども白砂糖は使わないようだ。
白砂糖を使わない料理を30年ほど食べ続け
ると、白砂糖を使った料理はすぐに判る。
味がベタベタしているのだ。
そして、素材の甘味=旨味はぼやかされ、
砂糖味が前面に出てくる。
いくら誤魔化そうとしても出てくる。
正味のところ、それは美味くないを通り
越して、不味い。
しかし、砂糖ヅケの甘さが美味いものだと
する大きな誤認は戦中戦後直後派には多
い。戦争がもたらした一つの味覚感覚の
妄想奇形の変種といえるだろう。
特に和食において白砂糖を使い過ぎてベタ
ベタの砂糖菓子のような作り物などを美味
いと思い込むのは、味覚が貧しいからで、
そのような貧しい味覚に追いやられた歴史
があったからだろうと思う。
飴玉は美味しいもんね。
でも、飴玉ってのは、白砂糖まみれだから
甘いのではないんだよね。そこ大事。
玉子焼きは、
・菜箸でゆっくり溶く
・溶き過ぎない。黄身と白身が混ざる程度
・弱火焼き厳禁
が三大鉄則だ。
よく溶いたほうがふわふわになるかという
と、それは逆なんだよね。