
(豚-上!1981年某高速)
旧友が二輪で東京から西日本
に来るという。四国まで船で。
うちに泊めてくれというので
久しぶりに共に飲むことにし
た。
途中まで迎えに行くから、う
ちに来るまでちょいツーしな
がら共走りしよう、という事
になった。
その時、奴は言った。
「お手やわらかに」と。
おまいは『雨あがる』の三沢
伊兵衛か、と思った。
ペンペンペケペケと乗ってた
頃から俺の手の内は全て知っ
てるくせに。
だが、その感覚が剣士ぽくて
面白かった。剣士ではなく
ドラマーだが。太鼓はかなり
上手い。
「高速道はどれくらいで今
走るの?それに合わせるから」
と俺が言うと「90~100位。
飛ばさない」と言う。
「なら、それで」となった。
100制限の道路で90巡行は
かなりタルいが、共走りの
時は同調が大切だ。合わせ
る。
さすがに170km/h巡行で長
時間は今はきつい。免許も
無くなるしよ~。いくない。
まあ、遵法精神体現で行く
だよな。
下見で走ってみた鷲羽山スカ
イラインの写真を友人に見せ
たら行ってみたいと言うので、
ゆっくりそこを走ってみる事
にしようと思う。
二輪は気分次第なので、ルート
は突然変更になるかも知れない
が。
計画的ロンツーの時には、かな
り綿密な予定を立てる。特に
給油ポイントは事前に入念に
押さえて把握しておく。
ルートは事前に頭に叩き込み、
ナビなど無くとも間違いなく
走れるようにする。
だが、ちょいツーは気分次第だ。
大抵は知らない道をズンドコと
行く。
その走りは全てが新発見なので
とても面白い。
ただ、運転には最大集中するの
で、複数走行であろうとインカ
ムでずっと喋りながらとかは私
は無い。音楽を聴きながらとか
も絶対に無い。四輪と違い、
閉鎖されたヘルメットでは
外部音が音楽などで遮断され
るのは危険だからだ。
お楽しみ走行のちょいツーで
あろうとも、エンジンに異音
がないか、車体の挙動に異常
は無いか等に常に注意しなが
ら走行している。いつもトラ
クションに注意を払いながら。
ノーマルステップでも膝を深く
曲げた爪先乗りなので、血流
促進のために時々直線で脚は
伸ばしたりはするが。
1度の走行目安は今は2時間以
内と決めている。長くとも2時
間走ったら休む。距離は180km
が目安。丁度今の車では給油
目安の距離だし。
下道ちょいツーでは、長走り
せずちょくちょく停車する。
カメラに風景を収め、その景
色を五体で感じるためだ。
そうした道行きも面白い。
ぶっぱしりではなく、街道を
ホゲホゲ行くのも楽しいもん
だ。
だが、注意力散漫にはならない
ように心がけて走行している。
曲がった道が来るとちょっと
だけ、ほんのちょっとだけ車体
を傾ける。「カメっ」とは叫ば
ない。