渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ドライブイン

2021年12月13日 | open



日本全国各地で「ドライブイン」が
加速度的に消滅していっている。
岡山県内で私がよく利用(という
か岡山県内に出た際には毎回利用。
つまり毎週)していた「平田食事
センター」という国道2号線沿いの
巨大ドライブインも2015年に50年
以上の営業の幕を閉じた。
ここのごはんは、まじもんでおいし
かった。おばちゃんたちが何人も
で大きな厨房で作るの。ほんとに

うまいドライブインだった。
ここの米とみそ汁が最高だったす。

とても残念だ。

広島県三原市の国道2号線沿いに
あった「ドライブイン山陽」も
55年の歴史に幕を閉じた。
惜しまれる。

関東でも、峠道には峠の茶屋的な
ドライブインが必ずどこでもあった。
国道20号の大垂水峠の旭山ドライブ
インなどは
私は常連で、とてもよく
通ったが、
現在廃業で廃墟になって
いる。

峠の茶屋は全国どこでも廃業廃墟化
まっしぐらという状態にある。
なんとも惜しい。
峠の道の途中で一服。食事や飲み物
でひととき寛ぐ、という光景が日本
全国で失われつつある。
もうすぐ、「ドライブイン?なに
それ?」という時代が来るのだろう。
最近では単車乗りもカフェなどが

お気に入りみたいだが、ドライブ
インのあの独特の雰囲気は何とも
いえない。トラック運転手の御用達
であると同時に、ロードライダーの
峠族やロングランナーの二輪乗り
たちは「ドライブイン」こそが
似合っていたし、そこが憩いの場
だった。
だから、ライダーもトラックドラ

イバーのようにドライブインを
多用していた。

道の駅じゃないんだよ。
ドライブインなんだよ。
そして、そこでは「とんかつ定食」
だ。
「ドラとん」なんだよ。
友人は論理的にそれはおかしい、
ドラとんではなくどらカツだろう
と言うが、カツ全般じゃないのよ。
トラックの運ちゃんたち御用達だ
った「とんかつ」にこそ狙いの意味
がある。

美味かったり不味かったりは、とん
かつにすぐに表れる。
単に食事巡りじゃないのよね。

「ドライブインでとんかつを食べる」
という事に意義を見てるわけ。
今の時代だから、なおさら。
でも内実としては、「タバコならば

ショッポに限る」というのに似て
いる。
そのあたりのこだわりは、解る
人にしか解らないと思う。
理屈じゃないんだよね。

で、なぜか、今は知らないが、昔と
大昔のトラック運転手は、みんな
とんかつ定食を頼んでいた。ドラ
イブインでは。焼肉でもかつ丼で
もなく「とんかつ定食」。
なぜだかは知らないが、そこに
一つの道行く男とドライブインと
しての文化
があったようだ。
だから、ドライブインではおいらは
とんかつなのよ。
略して「ドラとん」。
あと、彼らは音楽は八代亜紀なん

だろうなぁ。あれもなぜかは知ら
ないが。
だからこそ、彼ら道行く男たちの

魂に肉薄せんとするハイウェイの
二輪乗りとしても、やっぱ「ドラ
とん」なのよ。

県内と近県のドラとん巡りの巡礼
の旅には
まだ行けてない。
ま、そのうち行くだな。

とんかつ定食は店の味が即わかる。
これは三原市のお隣りの市内の
ある店のとんかつ定食。
エビフライはオマケ。

味はフツー。美味しくはないが
不味くもない。ま、やや美味しい
ほう。


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