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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

9/26の日経

2018年09月26日 | 今日の日経
 今日は、経済分析の基礎知識を一つ。成長の原動力は設備投資であり、設備投資は需要を見ながらなされる。日本の場合、最大の要因は輸出だ。その際に見るべきは、「輸出」なのか、それとも、輸入を差し引いた「純輸出」なのか。正解は「輸出」だ。「純輸出」はGDPの会計上の概念であって、現実の経営者は自分が獲得する「輸出」しか念頭にない。実際の経済は、輸出を増やすために設備投資をし、生産に必要な原材料を輸入するという連関になる。また、輸入は、設備投資とは無縁の要因にも左右されるから、輸入に影響される純輸出と設備投資とが合わない局面も生じる。

 ところで、昨日今日の日経の経済教室は、消費増税をテーマにした2回シリーズだった。佐藤主光先生が2014年の消費増税について「景気が著しく落ち込んだ」としていたことは、印象深かったね。他方、「消費税は経済活動に及ぼす歪みは小さい」とするが、2014年の消費増税では、起こらないはずの設備投資にまで駆込みと反動減が見られた。足下で税収が伸び、消費増税なしでも2025年度の財政再建目標を達成できそうなのに、これだけ経済全体に大きな悪影響を及ぼすものを敢えてする必要があるのか、筆者は疑問である。

 また、今日の宇南山卓先生は、「現状であれば所得効果は緩やかに消化できる」とするのであるが、消費水準は未だ2014年の増税前を取り戻せておらず、除く生鮮エネの消費者物価上昇率が0.5%以下という今の状況では、なかなか苦しかろう。物価上昇率は、消費増税の実質消費の引下げ幅くらいはほしい。いずれにせよ、日本経済が消費増税をこなすには、内需の低下を補い、設備投資を支えるだけの外需がいる。幸い、2014年は、それに恵まれ、退潮した2015年は景気低迷に悩んだ。そして、今度、どうなるかは、日米交渉の行方同様、誰も分からない。

(図)



(今日までの日経)
 通商は大統領に聞いてくれ 強硬派勢い 視界不良に・滝田 洋一。エコノ・単身 無職が最多 しぼむ4人家族。財政による追加刺激で長期停滞という議論は聞かれなくなった・前ダラス連銀総裁リチャード・フィッシャー。

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