見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

三省堂、神保町本店ビル建て替え

2022-05-09 20:48:19 | 街の本屋さん

 三省堂書店の神保町本店が、施設の老朽化に伴い建て替えられることになり、現在の建物で営業を5月8日で終了することになった。連休の谷間の5月6日(金)、仕事は休みを取ったので、久しぶりに神保町に行って、別れを惜しんできた。

 ちょうど買いたい新刊書があったのだが、仮店舗への引っ越し準備が始まっているのか、全体に品薄で、私の探している本もなかった。仕方ないので、2階の「UCCカフェ コンフォート」で、クラシックなプリンアラモードを食べてきた。

 近年、書籍の発行点数は減少気味で、私自身、リアルな書店に滞在して、じっくり面白そうな本を探索する機会は減ってしまった。だいたいネット等で目星をつけたものを、サッと買って帰ってしまう。なので、建て替え後の店舗が拡張される可能性は低いと思うが、せめて今くらいの棚数が残ることを祈っている。

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神保町ブックセンター開店

2018-04-14 20:52:38 | 街の本屋さん
 かつて神保町交差点近くにあった「岩波ブックセンター信山社」は、人文社会学系に強い専門書店で、岩波以外の本も揃えていたが、岩波の本を探すときは、ここに来るようにしていた。2016年11月に閉店のニュースを聞いたときは、専門書店には厳しい時代だなあと思った。

 その跡地に、このたび「神保町ブックセンター」がオープンした。果たして、書店の範疇に入れていいものか…。ホームページには「書店・喫茶店・コワーキングスペースの複合施設」とうたわれている。さっそく行ってみると、1階の主要部分を占めるのはカフェスペースである。「食べログ」情報に「42席」とあるから、かなり席数は多い。まわりは岩波書店の本(だけ?)を収めた書棚に囲まれている。カレーのランチセットを注文。



 ひとりだったので、書棚と向き合うかたちの席に座った。書棚を物色するお客さんが前を行き交うので、ちょっと落ち着かない。しかし、ぎっしり棚に詰まった本の背表紙を見ながら食事をするのはいいものだ。自分の本棚ではなくて、読んだものと読んでいないものが適当に混じった風景なのがとても楽しかった。結局、気になった岩波新書を1冊、購入してしまった。

 カフェの奥は会員制スペースになっていて、専用デスクが並んでいた。個室オフィスもあるそうだ。カフェはアルコールも出るというのが素敵。実は職場から近いのだけど、夜8時までじゃ平日は来られそうにないなあ。
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「閉店」友朋堂書店で最後のお買いもの

2016-02-20 22:42:04 | 街の本屋さん
今日(土曜日)の朝。閉店のニュースが流れて1週間なので、もう完全に閉まっているかなと思いながら、友朋堂書店(吾妻店)に行ってみた。シャッターが半分くらい開いていて、返品の図書(たぶん)を詰めた段ボール箱が表に積まれていた。



まだ店内に電気がついていたので、入ってみる。文具半額セールを継続中で、けっこう人が集まっている。



本の棚は、ほとんど空になっていたが、一部残っているものがあった。地方出版と岩波文庫、岩波現代文庫、それにミシマ社の本。取次への返品が難しいものが残っているのかな?と思った。買って来たもの、以下のとおり。



・倉田喜弘『文楽の歴史』(岩波現代文庫) 岩波書店
・中島岳志、若松英輔『現代の超克』 ミシマ社
・ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会編『NOヘイト! 出版の製造者責任を考える』 ころから
・木村元彦他『ナショナリズムの誘惑』 ころから
・金砂大田楽研究会 歴史の道グループ編『常陸の国 歴史の道を歩こう』 金砂大田楽研究会
(あと、ノート3冊)

あらためて、いい本扱ってる本屋さんだったなあ…。

朝は曇り空だったが、午後は雨が本降りになった。閉店作業のみなさん、ご苦労さまです。
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つくば周辺の本屋さん+友朋堂の閉店

2016-02-19 21:59:01 | 街の本屋さん
 札幌からつくばに引っ越してきて、まもなく1年になる。使える本屋さんの所在が、だいたい分かってきたので、一度「つくばの本屋さん」について書こうと思っていたら、先週、「友朋堂閉店」という衝撃のニュースを職場で聞いた。

○友朋堂書店(閉店)※新文化オンライン:友朋堂書店(茨城・つくば市)、3店を閉店(2012/2/12)
 同書店は、つくば市内の桜・吾妻・梅園に3店舗を構える。私の宿舎から(ちょっと遠いが)徒歩圏にあるのは吾妻店で、3、4回行って、2回買い物をした。初めて中に入ったときは、薄暗くて、見栄えのしないお店だなと思ったが、歩いてみると、読みたい本が揃っていて安心した。それまで、ショッピングモールの書店などをいくつか回って、全然ダメだったので、なんとか命綱が見つかったようでホッとした。最初の訪問で買ったのは、まだ読み切れていないが『山怪』である。付けてもらったブックカバーは、どこにも店名のないシンプルなものだった。閉店を惜しむ声が引きも切らず、ツイッターにあふれているのが、つくばらしいと思っている。

リブロつくば店
 つくば駅に隣接する筑波西武に入っている。私の日常生活圏(徒歩圏)で、今のところ唯一の使える本屋さん。デパートの中の本屋さんなんて、と、はじめ馬鹿にしていたのだが、新刊の品揃えは悪くない。小説に限らず、話題の本はだいたい入手できる。休日は併設のカフェ「リブロ」でゆっくりできるのもいい。

ACADEMIA イーアスつくば店
 TX(つくばエクスプレス)に乗って1駅、となりの研究学園駅に近いショッピングモール「イーアスつくば」。ここのアカデミアくまざわ書店が、今、私のお気に入り書店。広い入口を入ってすぐに、分野別に話題の本を集めた棚があって、これがものすごく面白い。新聞などの書評も参考にしているようだが、必ずしもそうでないようにも感じられる。ちなみに、伊藤痴遊『国会開設と政党秘話』上・下も、太陽の地図帖『山岸凉子「日出処の天子」古代飛鳥への旅』も、ウー・ホン『北京をつくりなおす』もここで見つけて衝動買いしたもの。時間があると奥まで探索に行くのだが、各分野の売り場には、名著や専門書がきちんと揃っていて頭が下がる。表紙を見せるディスプレイを活用しているのも楽しい。ここも隣りにカフェがあるのだが、休日は混んでいるので、だいたいあきらめている。

 実は札幌でも、週末にバスで買い物に行っていたショッピングモール「アリオ札幌」のくまざわ書店が好きだった。ファミリー向けの児童書や実用書で利益をあげながら、需要の少ない専門書もきちんと揃えてくれているのが、地方在住者にはほんとに嬉しい。応援したい本屋さん。

 あとは、時間のあるときにTXを途中下車して、流山おおたかの森の紀伊国屋書店とか、柏の葉キャンパスのKaBOS(カボス)にも行ってみたが、いまいち。筑波大学内には、大きなものから小さなものまで、いくつか書籍売り場(丸善)があるが、あまり楽しくない。結局、東京に出たときに、神保町や新宿の大型書店で買いものして帰ることが多い。
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丸善ジュンク堂「民主主義ブックフェア」問題備忘録

2015-11-14 22:44:26 | 街の本屋さん
MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店におけるフェア再開について(2015年11月13日)

 事の起こりを整理しておくと、丸善ジュンク堂書店渋谷店が9月20日頃からブックフェア「自由と民主主義のための必読書50」を開始し、10月19日から書店員がツイッターで「夏の参院選まで闘います!」などと発信した。これに対し、選書が偏っていると批判を受けたことと、書店員が(規則に反して)非公式のツイッターアカウントを開設していたことを問題視し、同店は10月21日にブックフェアの棚を「自主的に」撤去。内容を見直し、11月13日から「今、民主主義について考える49冊」に変更して再開した。

朝日新聞:ジュンク堂民主主義フェアを見直し 店員ツイートに批判(2015/10/23)

The Huffington Post:丸善ジュンク堂、民主主義フェアを再開 外された本は...【前回との比較一覧】(2015/11/13)

 結局、最初の選書リストから40冊が外され、別の本に差し替えられた。以下に全部転記してみたのだが、どう見ても最初の選書のほうが魅力的である。メディアや街頭で活躍している著者だけでなく、古典作品も含めて、いまの日本で起きている事柄と強くリンクしている。差し替え版のほうは、いかにも「キーワード:民主主義」で検索してみたら出来ました、という無難なリストで、書店員の顔や書店の個性が全く見えない。まあ渋谷店がターゲットとする「売れ筋」は、ハイエクやアレントではなく、池上彰あたりなのかもしれないが。

 最初のリストは、明示的なキーワードに「自由と民主主義」がついていない本について、「お客さん、実はこの本は自由と民主主義を考える視点から読めるんですよ!」とささやかれているようで、「なるほど、そこか!」と書店員さんと無言で会話する面白さがある。書店や図書館のブックフェアの楽しみは、そういうキャッチボールではないのか。だから「偏っていない」ブックフェアなんて、全然面白くない。私は、日本の書店がこぞって嫌韓・嫌中本で棚を埋めているような状況にはうんざりしていたが、いま敢えて嫌韓・嫌中本フェアをやる書店がいたら、それは(消極的にだけど)支持してもいい。

 そして、フェアであってもなくてもいいから、ここに載るくらいの本はちゃんと棚に常備しておいてほしい。丸善ジュンク堂の名前にかけて。私が望むのはそれだけです。

※私の読書記録があるものはリンクしておく。

■「必読書50」には選ばれたが「49冊」からは外れた本(40冊)
・SEALDs 民主主義ってこれだ!(SEALDs)
・時代の正体:権力はかくも暴走する(神奈川新聞「時代の正体」取材班
右傾化する日本政治(中野晃一)
社会を変えるには(小熊英二)
・私たちは"99%"だ!:ドキュメント ウォール街を占拠せよ(『オキュパイ!ガゼット』編集部
・デモいこ!:声をあげれば世界が変わる 街を歩けば社会が見える(TwitNoNukes)
・デモ!オキュパイ!未来のための直接行動(三一書房編集部)
・日本人は民主主義を捨てたがっているのか?(想田和弘)
・ぼくらの瀕死のデモクラシー(枝川公一)
・革命のつくり方(港千尋)
・希望の政治学:テロルか偽善か(布施哲)
・希望はなぜ嫌われるのか:民主主義の取り戻し方(コリン・ヘイ)
・立憲主義について:成立過程と現代(佐藤幸治)
・日本国憲法 新装版(学術文庫編集部)
・増補新版 法とは何か(長谷部恭男)
・読むための日本国憲法(東京新聞政治部編)
・憲法とは何か(長谷部恭男)
・国家の暴走:安倍政権の世論操作術(古賀茂明)
・タカ派改憲論者はなぜ自説を変えたのか:護憲的改憲論という立場(小林節)
・憲法は、政府に対する命令である。(ダグラス・スミス)
・悪あがきのすすめ(辛淑玉)
・検証・法治国家崩壊(吉田敏治他)
・ソフト・パワー(ジョセフ・ナイ)
・隷属への道(F.A.ハイエク)
・リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください:井上達夫の法哲学入門(井上哲夫)
・キング牧師(辻内鑑人、中條献)
・I Have a Dream!(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)
・戦争プロパガンダ 10の法則(アンヌ・モレリ)
・ヒトラー演説:熱狂の真実(高田博行)
劇画ヒットラー(水木しげる)
・独裁者のためのハンドブック(ブルース・ブエノ・デ・メスキータ、アラスター・スミス)
・永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編(カント)
・アメリカのデモクラシー(1上下、2上下)(トクヴィル)
・国家(上下)(プラトン)
・自由論(ジョン・スチュワート・ミル)
・一九八四年 新装版(ジョージ・オーウェル)
・動物農場(ジョージ・オーウェル)
・精読 アレント『全体主義の起源』(牧野雅彦)
・イェルサレムのアイヒマン:アクの陳腐さについて(ハンナ・アレント)
・人間の条件(ハンナ・アレント)

■「必読書50」「49冊」ともに選ばれた本(15冊)
若者のための政治マニュアル(山口二郎)
ぼくらの民主主義なんだぜ(高橋源一郎)
・統治新論(大竹弘二)
・民主主義の条件(砂原庸介)
輿論と世論(佐藤卓己)
・デモクラシーとは何か(R.A.ダール)
・民主主義って本当に最良のルールなのか、世界をまわって考えた(朝日新聞『カオスの深淵』取材班)
・哲学する民主主義(ロバート D.パットナム)
・18歳が政治を変える!(高橋亮平)
民主主義ってなんだ?(高橋源一郎、SEALDs)
・来るべき民主主義(國分功一郎)
・アメリカを占拠せよ!(ノーム・チョムスキー)
・香港バリケード(遠藤誉)
・世界を動かした21の演説(クリス・アボット)
・「デモ」とは何か(五野井郁夫)

■「49冊」のみに選ばれた本(34冊)
・はじめてのデモクラシー講義(岡田憲治)
・民主主義という不思議な仕組み(佐々木毅)
・民主主義(文部省)
・自由と民主主義をもうやめる(佐伯啓思)
〈私〉時代のデモクラシー(宇野重規)
・民主主義のつくり方(宇野重規)
・ポピュリズムを考える(吉田徹)
・民主主義とは何なのか(長谷川三千子)
・リベラリズム/デモクラシー 第2版(阪本昌成)
・ダール、デモクラシーを語る(ロバート A.ダール)
・民主主義理論の現在(イアン・シャビロ)
・銃を持つ民主主義(松尾文夫)
・日本とフランス二つの民主主義(薬師院仁志)
・民主主義対民主主義 原著第2版(アレンド・レイプハルト)
・国家はなぜ衰退するのか 上(ダロン・アセモグル)
・国家はなぜ衰退するのか 下(ダロン・アセモグル)
・野党とは何か(吉田徹)
・政治をあきらめない理由(ジェリー・ストーカー)
・デモクラシー(バーナード・クリック)
・民主主義の本質と価値(ハンス・ケルゼン)
・池上彰の選挙と政治がゼロからわかる本(池上彰)
・選挙は誰のためにあるのか。(松田馨)
・多数決を疑う(坂井豊貴)
・きめ方の論理(佐伯胖)
・選挙のパラドクス(ウィリアム・パウンドストーン)
・選挙の経済学(ブライアン・カプラン)
・熟議の日(ブルース・アッカマン)
・人々の声が響き合うとき(ジェイムズ S.フィシュキン)
・そうだったのか日本現代史(池上彰)
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札幌の本屋 くすみ書房「閉店」の衝撃

2015-06-12 23:47:15 | 街の本屋さん
くすみ書房「閉店のお知らせ」

 今日、ツイッターでくすみ書房のアカウントが6月10日に閉店を宣言していたことを知った。札幌の本屋「くすみ書房」といえば、本と本屋好きの間では有名なお店である。私は2013年の春に札幌に引っ越すまで、詳しいことは知らなかったが、「本屋のオヤジのおせっかい 中学生はこれを読め!」とか「なぜだ?売れない文庫フェア」など、アイディアあふれる棚づくりに挑戦しており、店主の久住邦晴さんは、全国ネットのマスコミにもたびたび登場している。

 あらためてホームページの「くすみ書房について」を読んでみたら、戦後間もなく琴似(札幌市西区)にて創業。しかし、1999年ごろから地下鉄の延長の影響や大型書店の出店によって売上げが落ち、2009年、琴似の店舗を閉めて大谷地(札幌市厚別区)のショッピングモール内に移転。2013年には経営危機をクラウドファンディングで乗り切った。その後、最近は「琴似に新発想の本屋を作ります」という新プロジェクトが始まっていたので、まあまあ経営は順調なんだろうなと思っていた。その矢先の悲報でびっくりした。何か想定外の事態が起きたのだろうか…。

 私の札幌暮らしは2年で終わってしまった。その間、大谷地のくすみ書房を訪ねたのは、3、4回かな。宿舎の徒歩圏に紀伊国屋や丸善&ジュンク堂があったので、そんなに頻繁に通ってはいない。しかし、個性的な書店のある街に住むのはいいことだ。琴似の「ソクラテスのカフェ」のトークイベントに参加したのもいい思い出である。

 そして、実は2013年のクラウドファンディングに、私もわずかであるが資金を提供した。100冊以内で私のおすすめ本の棚を作り、2ヶ月展示してもらう権利を買ったのである。権利を行使しないうちに札幌を離れてしまう結果となり、さらにこういう事態になってしまったが、まだ希望は捨てずにおきたい。良心的な書店のない街に住むなんて、悲しい人生だと思うから。
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古本市でお買いもの(芸術新潮バックナンバー)

2014-06-04 20:54:59 | 街の本屋さん
お買いもの。



先週末、札幌地下歩行空間(チカホ)で古本市「チカホ・ブックマルシェ」が開催されていた。会場の「北大通交差点広場」ってどこ?と思っていたら、大通BISSEに上がるエスカレータ前の、さして広くもない空間のことだった。

流し見だけのつもりでワゴンの間に入ったら、「芸術新潮」の古本が1冊300円で売られていた。10~20年くらい前のバックナンバーだが、表紙を見ると、あれもこれも読みたくなる。10分くらいで、ざくざく掘り返して、あまり考えずに3冊買ってきた。そうしたら、いや面白いわ~。

感想は別稿で、たっぷりと。
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札幌書店めぐり

2013-05-26 12:41:48 | 街の本屋さん
4月から札幌に引っ越して、まもなく2か月。

これまで(東京以外で)住んだことのある神奈川県の逗子市や埼玉県の鶴ヶ島市に比べると、さすがに都会で、ちゃんと大きな書店もあって嬉しい、と最初は思った。ところが、夜遅くまで開いている書店が近隣にないことが分かって、少しガッカリしている。

三省堂(大丸札幌店)
ここが夜10時まで開いていると分かって行ってみたが、東京の大型書店のような品揃えではなかった。まあ一般書店だと思えば…ってくらいかなあ。

丸善&ジュンク堂書店(札幌店)
背の高いがっしりした木製の書架が林立していて、もとはジュンク堂の店舗かな、と思った。品揃えは全般的に満足できる。東京だと、このクラスの大型書店は、いつ行っても客が多くて落ち着かないのだが、ゆっくりできるのがいいと思った。愛用したいが、札幌駅からはちょっと遠い。夜9時まで。

紀伊国屋書店・札幌本店
書架の間が広くて、ひろびろした店舗。1階をさらっと見たときは、いまいちかな~と思ったが、2階に上がって、専門書も悪くないと思った。特に美術書・芸術関係は充実している。休日には、1階インナーガーデンというスペースでさまざまなイベントも行われている様子。facebookによる情報発信も面白い。2階にイノダコーヒ(コーヒーではない)の店舗があるのも嬉しい。鷲田清一センセイの『京都の平熱』にも登場する京都の地元カフェである。書店もカフェも夜9時まで。

↓休日の朝のブランチをここで食べるのも乙。窓の外を見ながら。




※先週、それぞれの店舗で買った本はこちら。いま読んでいる『おどろきの中国』は、三省堂書店の買い物です。

北海道書店ナビ(※音が出ます)
参考までリンクを貼っておくが、ぜんぜん使いやすくない。基本情報の一覧機能もないし。

東京でも丸善、紀伊国屋などは夜9時閉店だったんだけどね。新宿のブックファーストが夜11時まで利用できる環境にいたので、つらい。夜型の大型書店、進出してこないかな。
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本屋カフェ/UCCカフェコンフォート(三省堂本店)

2010-10-22 22:27:12 | 街の本屋さん
忙しい日々。ちゃんと仕事があって1日が過ぎていくのは悪くないが、ちょっとモタモタすると振り落とされる感じがする。

この週末も、実はいろいろと宿題を持ちかえってしまった。でも本も読みたいし、美術館も行きたいし。さて、2日間をどう過ごそう。

気分転換には、迷宮のように大きな書店をうろうろして(※図書館はダメ。本が整然と並び過ぎているから)目についた宝物をわがものにし(もちろんレジに持っていきます)、最後に甘くて美味しいものがあれば、なお可。



三省堂本店2階、UCCカフェコンフォートの「秋の贅沢栗あんみつ」。
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「松丸本舗」で初お買いもの/丸善・丸の内本店

2010-01-05 23:59:56 | 街の本屋さん
○丸善・丸の内本店「松丸本舗

 三が日は実家に戻って、つかの間の東京生活を楽しんだ。この機会に、ぜひとも行っておきたいところがあった。昨年秋、松岡正剛氏のプロデュースによって、丸の丸善・丸の内本店内にオープンした”書店内書店”松丸本舗である(→開店当初の詳細はこちら)。

 丸善は久しぶりだ。実を言うと、あまり好きな書店ではない。同じ大型書店でも、紀伊国屋書店やジュンク堂のように「本好き」の血を騒がせる匂いが希薄で、売れる本を効率よく並べたビジネス書店、という感じがするのだ。さて、フロアマップで確認すると「松丸本舗」は4階にあるので、エスカレーターで上がっていく。すると、私の好きなMCカフェの隣りに、見るからに「異様」な本棚の一角が出現していた。窓の大きい、明るいカフェと、こちゃごちゃと(一見)乱雑に本が積み上がった本棚は、ちょっとミスマッチの感がある。開店当初、丸善のサイトや新聞の報道で、店内の写真をたくさん見ていたので、それほどには驚かない。なるほど、旧知のとおり、だと思った。

 形式的な分類にとらわれない本の並べ方は面白いが、はじめ、なかなか手が出せなかった。本棚の個性が強すぎて、ちょっとでも崩したら、怒られそうな感じがしたのだ。しばらくは、美術館の展示を見るように、遠巻きに書棚を眺めていた。はじめて親近感を感じて、書棚に一歩近づけたのは、ゲストの蔵書を再現する「本家」のコーナーである。『風林火山』で武田信玄を演じた市川亀治郎さんの本棚に『甲陽軍艦』がある。山本勘助に関する新書も。さらに中国歴史好きとお見受けし、『中原の虹』上下巻のそばに『梁啓超年譜長編』なる専門書が並んでいたのにびっくりした。『蒼穹の昴』は見当たらなかったけど、たぶんお読みだろう。さらに完訳『紫禁城の黄昏』上下巻も。そうそう、この本読むと、この本読みたくなるよね、という連関性が了解できて、可笑しかった。陳舜臣の歴史小説は文庫本でずらり。古代史より近代史が多いところに感心する。私も陳舜臣は好きだったのに、最近は全然読んでいないなあ、と思い、目についた新書『巷談中国近代英傑列伝』を買っていくことにする。

 これで気持ちがほぐれて、さらに店内を探索。書架は巻貝が円を描くように配置されていて、お客は次第に内側へと取りこまれていく(※店内マップ)。「日本の句読点1945-2025」というコーナーは、それぞれの西暦に関係する「この年この本」を並べている。ただし、タイトルに「2001年」とあっても、2001年より以前に出たものかもしれず、逆に2001年より後に出たものかもしれない。その混乱が面白い。

 ふと、目の高さの書架に、寝かせて置かれた文庫本に目がとまる。表紙は、時代小説の挿絵ふうで、障子の陰から、髷を結った半裸の女性が覗いている。題名を見たら「渋江抽斎 森鴎外」。え!? こんな話なのか? 中をめくってみると、意外とひらがなが多くて読みやすそうなので、これも買っていくことに決めた(中公文庫)。書店員の仕掛けたトラップにかかったような気もするが…。だんだん慣れてくると、書棚の上のほうに積み上げられた本のタイトルも、ちゃんと目に入るようになる。隠れるように寝ていた『正座と日本人』を見つけた。松岡正剛氏のサイト『千夜千冊・遊蕩篇』が、引っ越し前の最終夜(第1329夜)に取り上げている本だ。ちょうど、この前日に書評を読んだばかりだったので、記憶に新しかった。よしよし、これも買っていくか。

 ということで、今年の初購入本は上記の3冊。松丸本舗店内の本には全て「松丸本舗」という小さなシールが貼ってあり、松丸本舗独自のブックカバーを掛けてくれる。「いせ辰」の風呂敷っぽくて、おしゃれ。このブックカバーで本を読んでいる人を見かけたら、ひそかに親近感を抱いてしまいそうだ。

※松岡正剛氏の新サイト「ISIS本座」:松丸本舗のブックショップエディターによる「松丸プレス」掲載
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