トヨタなど輸出13社に消費税1兆円を還付|全商連[全国商工新聞] https://t.co/XYcpkJymfp
— 内田聖子/Shoko Uchida (@uchidashoko) 2019年6月7日
連合が消費税10%を確実に実現せよ、と政府に申し入れる理由はこれです。
『「輸出戻し税」という嘘を計算で・・』というゴマカシ
『「輸出戻し税」という嘘を計算で説明します』というnoteページがあるのですが、そこで「計算」され「説明」されているのは、もっぱら”通常の”国内課税取引との比較において”のみ”、なのです。
ヘンですねぇ~!(^^;ゞ
「輸出戻し税」が批判を受けているのは、輸出企業(ーー大企業に限りませんが、輸出額(というか、仕入税額)が大きくなればなるほど、「戻し税」も大きくなりますね。ーー)が、消費税をもらえない(「輸出免税」ーー海外への販売など「免税」の=国内法である消費税法が適用されない=場合)ことをわかっていて販売しているのに、仕入経費で支払った(国内取引で消費税が課税された)消費税額を「仕入税額控除」する(消費税の申告納税計算において差し引く)ことが”認められて”、結果、多額の「戻し税」を還付され受け取ることができる、ということのはずです。
「仕入税額控除」が認められて、「ゼロ税率」の輸出売上に係る消費税額(すなわち、0円ですね。(^^;ゞ)から、仕入経費で「支払った」(実際には下請や納入業者に対して値切ったりしていても、「内税」で「消費税込み」で支払ったとみなす)分の消費税額を控除(引き算)することができて、その計算の結果として(当然、マイナスになります)、多額の還付金を受けとる、というこの「制度」は、諸外国においても”輸出(大)企業への事実上の補助金”として批判を受けています。
”販売で消費税がかからないのに「仕入税額控除」ができる”ということについて批判しているのに、<”通常の国内取引”で「仕入税額控除」ができる場合>と”だけ”比較したからといって、なんの意味もなしませんよね。「計算の結果」、”利益が同じである”などと「説明」してみせても、ゴマカシでしかないと言わざるをえません。そこで、・・
1.通常の国内販売の場合。「値切られる」ことなく、”普通”に国内で取引が行なわれる場合です。
2.輸出等の「免税」販売の場合。 販売価額に消費税を上乗せすることは(当然ながら)できません。国内販売である仕入経費の支払いは消費税を負担しなければなりませんが、あとから税務申告をすることで「還付」を受けることができます=これが「輸出戻し税」ですね。
3.同様に売上(販売)で消費税がもらえない「非課税」の場合。 この場合は「仕入税額控除」が認められません。
4.親企業から「消費税分をまけろ!」と言われて値切られて、消費税分がもらえなかった下請業者等の場合。 この場合は、売上も仕入経費も「課税取引」ですので、「仕入税額控除」することは当然認められています。 ※「輸出戻し税」という嘘を計算で・・の「説明」は、”値切った側”だけの計算をしていますが、比較すべきは”値切られた側”=消費税分がもらえなかった方=ですよね!
の4つの場合を比較した「計算」をしてみましょう。
●<1> まずは、『「輸出戻し税」という嘘を計算で・・』と同じ、通常の国内販売の場合の表です。税抜350円で仕入(※経費も含めて、ですが)したものを税抜450円で販売するケースが想定されています。
通常の国内販売の場合
販売で預った消費税36円から、「仕入税額控除」(仕入で支払った消費税額)の28円を引いた残り8円を、税務署に納税します。差し引き利益は税抜・税込の計算とも100円ですね。
●<2> 次に、(輸出などの)免税売上の場合です。これも『「輸出戻し税」という嘘を計算で・・』と同じ表です。
(輸出などの)免税扱いでの販売の場合
販売価額に消費税を上乗せすることはできず、450円で販売することになります。仕入で支払った28円の消費税分は、いったん販売業者の負担となりますが、消費税還付申告をすることで、税務署から”全額還付”され、通常の国内販売と同様の利益100円が「確保できます」!
もちろん、仕入経費などの支払購入は”国内取引”ですから、消費税が課税されています。しかし--輸出免税に係る仕入経費分の消費税は、(あとから)還付されるので、(あたかも)消費税が課税されていないのと同様の「効果」があります。輸出企業は、輸出販売に係る仕入経費については、”国内課税取引”であるにもかかわらず、消費税を支払うことを「免除」されているのと同じです。そうして、”消費税を(客から)もらうことができる通常の国内販売”と「同じ利益」を「確保する」ことができます。
これが「当たり前」ですか??? 輸出等の「免税」の場合だけ、(仕入経費の支払いは)同じ”国内課税取引”なのに、消費税分が「免除」されているかのようにして「還付戻し税」を受けとれるのはなぜなのでしょう??? なんで!?450円で売って、378円支払ったのに、利益100円が「保障される」のでしょう???
●<3> 次は、「非課税」の場合です。国内取引でも消費税法によって特別に「非課税」とされるものがあります。これはしかし、あまり一般的なケースではありません(レア・ケースです。(^^;ゞ)。ですが、販売で(客から)消費税をもらえない、という点では「輸出免税」と同じです。「免税」と「非課税」の違いは、”「非課税」については「仕入税額控除」が認められない”、という点にあります。
「免税」の場合と同様に、販売で消費税を上乗せできないので、450円で売ることになります。仕入に係る消費税28円は、この業者が負担しなければなりません。「仕入税額控除」が認められないため、「還付」を受けることができないからです。売上で消費税を受けとっていないので、税務署に消費税を「納める」必要はありませんが、「輸出免税」のような「戻し税」はないため、仕入で負担した消費税分28円が利益に”食い込んで”しまい、72円の利益しか「確保できません」!
●<4> 最後に、消費税分を値切られた国内下請業者(消費税を売上にまともに転嫁できない中小零細業者も同様)の場合です。この場合は、すべてが”国内課税取引”なので(消費税がもらえなかった売上についても”課税取引”です!)、消費税は、(もらえなかった)販売価格にも”課税されている”ことになり、すなわち、税「込み」450円で販売したことになって(されて)しまいます。
もともとは、税抜価額450円のモノなのに、「消費税分をまけろ!」と親企業から叩かれて、やむなく「税込み」450円の販売となりました。税込450円ですから、割り戻し計算をすると、税抜417円+消費税33円(=450円)ということになり、税抜価額で(内税分の)33円損をしました。ーー売上で33円の消費税を「受け取っている」と見なされて、仕入で支払った消費税28円を差し引いた差額5円を、”身銭を切って!!”、税務署に納税しなければなりません!!仕入で支払った28円の消費税は、「かえってきません」!すなわち、仕入で支払った消費税28円+税務署に(身銭で)納めた消費税5円=33円が、まるっぽ損になり、利益は67円しか「確保できません」。
※通常販売の場合と比較してみると、税込486円のモノを税込450円に値切られて販売した差額36円(元値の消費税分)の税込売上減少分に「含まれている」税額分(36円×8÷108=2.666・・≒3円)を除いた33円(=値切られた後の税込売上に含まれている消費税)が、すべてこの業者の負担になってしまった、ということです。現実的には消費税を全部値切られているのですが、課税取引では「税込み」販売価格であると「みなされて」、消費税は(内税で)”受け取っている”!!ことにされてしまいます。
もらえるはずの消費税がもらえず、「免税」や「非課税」の場合と同じ金額である450円で販売することになったのですが、...
●「免税」では「輸出戻し税」が「還付」され、100円の利益を「確保」。
●「非課税」では、仕入税額分の28円を負担せざるをえず、利益は72円。
●値切られた下請業者は、仕入税額分のみならず、5円(「余分」に)「身銭」で「納税」して、利益は67円!
・・という結果になりました。
税務署や、消費税擁護・推進論者たちは、「税込み450円で販売しているのだから、内税で「預り金」となっている消費税33円のうち、「仕入税額控除」28円を引いて「手元に残った」消費税5円を税務署に納税するのは当然だ!」と言います。消費税法”どおりに”「計算」すれば、そうなってしまいます。売上に消費税をまともに転嫁できない下請・中小零細業者は、この結果からわかるとおり、消費税負担が利益に食い込んでしまっていますから、「納税」が苦しくなるのは当然です。それを、「使い込むから払えない」のだとか、「身銭を切って納税するというのはデマだ」などと、口をきわめて非難・攻撃しています。しかし、これが実態です。
・・話しを「輸出戻し税」のことに戻しましょう。
<2>の場合のところにも書きましたが、輸出販売では、販売価額に消費税を課税することはできず「免税」となる(ここまでは、当たり前)のですが、その「輸出免税売上」に係る仕入経費に課税された消費税分が、販売業者に丸っぽ「還付」されて、輸出業者にとっては、”国内課税取引”であるはずの仕入経費への支払で消費税分が「免除」されているのと同様となります。しかしこれは、あくまで国内課税取引ですので、この輸出業者から支払を受ける側の下請・納入業者にとっては、課税売上となります。それに係る消費税額は(仕入税額控除を差し引いて)税務署に納めなければなりません。そうして、下請・納入業者たちが税務署に納めた消費税分が、丸っぽ親企業である輸出業者に「還付」されることになり、税務署(というか国と地方自治体)にとっては”税収ゼロ”の結果となります。
おかしくないですか??? 輸出親会社の傘下で行なわれている(輸出売上に係る)下請・納入取引は、国内課税取引であるにもかかわらず、あたかも消費税がかからなかったかのような結果となり、国・自治体には税収ゼロになってしまうなんて!!
つまりこれは言いかえれば、輸出親企業の傘下で行なわれている輸出に係る国内課税取引の分の消費税を、輸出親企業に”くれてやっている”のと同じです。「事実上の補助金」であると言われるゆえんです。なんで!?「非課税」取引とは違って、輸出のときだけ「仕入税額控除」が認められるのでしょうか?? 支払っているのだから「引ける」のは「当然」ですか??
そして、その上に!親企業・大企業の下請けいじめがあります。「輸出戻し税」擁護論者(!?)は、”下請けいじめ等と「還付金」とは関係ない”、”税制とは関係ない”などと言っています。しかし、屁理屈の世界ではどうであれ、現実の世界では、”大あり”ですね! トヨタなどに代表されるような輸出大企業は、下請・納入業者を限界まで叩いてイジメて、消費税分どころか無茶苦茶な単価・取引価格を押しつけておいて、現実には仕入経費で「消費税分」をマケにマケさせているのに、「輸出戻し税」をごっそりと受けとっています。この「輸出戻し税」などの「計算」をするときには、上↑の<4>で示したように、現実的には消費税分以上に値切っているにもかかわらず、支払総額が「税込み」価額だとして計算することができて(というか、そうするように「決められて」いて)、下請・納入業者たちが”血のにじむ”ようなメにあいながら「納めて」いる消費税を、ごっそり!丸っぽ!その手にしているのですから!!!怒怒怒
結論
「輸出免税」と「非課税」との違い、「仕入税額控除」が認められるのか否か、について、誰もが納得できるような”説明”は、なされたことがありません。そらそうですよね! 消費税を(当然に)もらえない(海外の)お客さんに販売しているのに、輸出は「ゼロ税率」だという「とってつけ」の屁理屈をつけて、仕入経費に係る消費税を全部「還付」するなどということは、筋が通りません。”都合が良すぎ”ですよね!
※本来、国内(課税)取引としては、輸出親企業が買った段階で「終了」です。消費税は最終消費者が負担する税金です。輸出の場合は、海外の”お客さん”が(本当は)最終消費者ですが、輸出に国内消費税を課税することはできません。”国内取引としては”、輸出親企業が「最終消費者」なのですから、消費税の本来的なあり方からすれば、この輸出親企業が、(国内最終消費者として)消費税を負担しなければならないはずです。それでは「具合が悪い!」「輸出大企業の消費税負担が膨大になってしまう!」ということで、「ゼロ税率」という屁理屈をつけて「輸出戻し税」という「還付」ができるようにしている!というのが、この問題の”真相”ではないでしょうか。
「国際競争力がー」云々、とか、「税法としての整合性がー」云々、とか言って、屁理屈をとり繕おうとしても、消費税法自体が矛盾にみちています。その矛盾の根源は、この税金の「目的」、導入した「狙い」そのものにあります。つまりは、国民大衆に税金をかぶせる、矛盾が生じるところ、ややこしい話し、うまく取れない分等は中小零細業者にかぶせる、大企業には1円の負担もかけない!ーーという「狙い」「目的」です。
この「輸出戻し税」に限らず、消費税は”問題だらけ”の税制です。近代民主主義のもとでの、税制のあるべき姿ーーー
★生活費には課税しない(←憲法第25条に照らしても、そうあるべきですね)。
★税金は能力に応じて負担ーー大金持ち富裕層・高額所得者・大企業には重く、庶民・低所得者・中小零細業者には軽く。
★不労所得には重く、勤労所得には軽く。
★直接税中心の総合累進課税。
★大衆的消費課税は行なうべきではない。
ーーということに、真っ向から背いているのが、消費税なのですから!
消費税、廃止するしかありません! 当面は増税を断固阻止しましょう!
※次の投稿も、よかったら見てくださいね。(^^ゞ → 『 消費税の「輸出戻し税」は輸出企業への事実上の補助金ですよね! 』 https://note.mu/aka10ao/n/n5b7302c8e171
『「輸出戻し税」という嘘を計算で・・』というゴマカシ
— jannmu (@jannmu) 2019年6月7日
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