「ジャパン・ハンドラーズ」が、親中・親韓派であるオバマ大統領の「対日外交」とTPP失策批判のワケ

2014年04月30日 07時01分15秒 | 政治
◆「ジャパン・ハンドラーズ(日本操縦者)」の1人と言われてきた米国のマイケル・グリーン元米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長(米CSIS副所長)が4月28日、ワシントンで開かれたシンクタンク「米CSIS」の会合で「(オバマ政権は)1、2年前からもっと真剣に基礎づくりを進め、(政権に通商権限を一任する)大統領貿易促進権限(TPA)を得ておくべきだった」と批判したという。米議会から大統領貿易促進権限(TPA)を与えられていないのに、成功するのは難しいということだ。時事通信が4月29日午前9時45分配信した。
 これは、「ジャパン・ハンドラーズ」が、オバマ大統領に対して「それ見たことか」という不満の表れでもある。オバマ政権1期目のヒラリー・クリントン前国務長官が、米国最大財閥ディビッド・ロックフェラー(2011年秋失脚)に近く、かつ米CIA要員の集まりであった「ジャパン・ハンドラーズ」をフルに活用して「対日外交」を綿密、かつ強引に行ってきたのに反して、2期目になるとオバマ大統領が、「ジャパン・ハンドラーズ」を退けて、親中派を周りに集めて、「中国寄りの外交」を展開しているいわば「ツケ」が、TPP交渉の失策を招いたと言いたいのである。
◆このサイトのブログ(2月21日午前2時56分配信)の「オバマ政権や駐日米大使館は、
『中国専門家』に占領され、『親日家』が影を潜めて、日米関係にヒビ」と題する記事で、
以下のように指摘していた通りになってきた。
 「どうも、このごろのオバマ政権(ホワイトハウス)や駐日米大使館は、「中国専門家」に占領され、半面、いわゆる「親日家」(ジャパン・ハンドラーズを含む)が影を潜めているという。この結果、『軍拡』を進めている中国北京政府(習近平国家主席)の肩を持ち、
『反日的・反安倍晋三政権姿勢』に立つ『中国専門家』の意向が前面に出てくるあまり、日米関係が破壊され始めている。オバマ大統領は、事実上の同盟国であるイスラエル、さらにサウジアラビアとの関係にも、『ヒビ』を入れて不安がらせているといい、世界秩序が急速に不安定になってきている」
 「オバマ大統領が、日米安保条約上の『仮想敵国』である中国に急接近するならば、安倍晋三首相が熱を入れている『沖縄駐留米軍普天間飛行場の辺野古への移転』『集団的自衛権行使容認』『武器輸出禁止3原則』『国防軍創設』などは、急ぐ必要がなくなる。極端に言えば、オバマ大統領は、日米安保体制を根本的に変質させようとしているということだ。それならば、在日駐留米軍は、もはや不要ということになるので、安倍晋三首相は、さっさと『ゴー・ホーム・アメリカ』を決断して欲しい。日本の安全保障は、日本国民が『自主防衛力を強化』して確保する」
◆オバマ米大統領は4月24日午後4時51分、東京都渋谷区の明治神宮訪問した際、安倍晋三首相の同行を断り、独自で参拝し、流鏑馬を鑑賞した。ブッシュ大統領は2002年に来日した際、小泉純一郎首相が同行して一緒流鏑馬を鑑賞したのに、オバマ大統領は、
25日からの訪韓を控えて、歴史認識問題に敏感な朴璐美大統領に気兼ねしたらしい。こんなことで、親中・親韓派であるオバマ大統領の「対日外交」がうまく行くはずはない。
 TPP交渉を担当している弁護士上がりのUSTRのフロマン代表が、いかにタフ・ネゴシエーターであったとしても、オバマ大統領が、心の底で「安倍晋三嫌い」では、TPP交渉が、簡単に合意に達するワケがない。麻生太郎副総理兼財務相が、25日午前の閣議後会見で、TPP交渉について、「どのみち11月の(米国の)中間選挙まで答えは出ない。国内でオバマが全部まとめきれるほどの力はないだろう」と述べたのは、紛れもなく、本当のことである。
【参考引用】時事通信が4月29日午前9時45分、米大統領の失策批判=TPP対日協議―グリーン氏」という見出しをつけて、以下のように配信した。
 「【ワシントン時事】マイケル・グリーン元米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長は28日、環太平洋連携協定(TPP)をめぐる日米協議がオバマ大統領の訪日時に大筋合意に達しなかったことについて、『(オバマ政権は)1、2年前からもっと真剣に基礎づくりを進め、(政権に通商権限を一任する)大統領貿易促進権限(TPA)を得ておくべきだった』と批判した。ワシントンで開かれたシンクタンクの会合で語った。グリーン氏は『ヨルダンを除けば、TPAなしで通商交渉が成功した例はない。TPAなしでは安倍政権も(日米協議で)首を縦に振らない』と指摘。『(TPAを獲得できるのは11月の)中間選挙の後だろう。2014年(に獲得を目指すのは)は遅きに失する』と語った」


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