東電福島第1原発の吉田昌郎元所長が死去、首相官邸「抜け道」深くに「核廃棄物」を埋める新名案を捧げる

2013年07月10日 05時39分31秒 | 政治
◆東京電力福島第一原子力発電所の事故の現場で指揮を執った吉田昌郎元所長が7月9日午前、東京都内の病院で食道がんのため亡くなったという。「3.11」から2年4か月を経たところであった。
 これまで、何度も「死亡説」が流れた。東電が、例の秘密主義により、吉田昌郎元所長の安否情報を一切公表せず、また、大事故の詳細についても吉田昌郎元所長の生の発言も隠し続けてきた。国会事故調査委員会に何ら証言していない。このため、この現場の真実を最もよく知る責任者の死により、いまや「死人に口なし」の結果となった。
◆また、現在、東電はじめ全国の電力会社が、原発再稼動申請の動きを活発に行っている真最中に、吉田昌郎元所長が亡くなったという発表は、別の疑惑を残すことにもなった。疑えば、キリがないのであるけれど、「いつ亡くなったかは、定かではない」ということだ。原発再稼動申請の動きと吉田昌郎元所長死亡の時期とが、偶然にも一致したのは、釈然としない。「本当は、もっと前に亡くなっていたのではないか」という感が強いからだ。「死人に口なし」を確かめるかのように一斉に再稼働申請に動き出したというは、いかにも作為的だ。今後の日本の原発政策について、吉田昌郎元所長には、本音のところを語って欲しかったのである。それもいまは、もう叶わない。
◆安倍晋三首相は、福島第1原発が、高濃度の放射能に汚染された地下水を沿岸の海に垂れ流しているうえに、周辺地域の除染が終わってもおらず、避難民の多くが、故郷にも帰れないでいる状況を百も承知していながら、世界各国に「原発セールス外交」を展開している。吉田昌郎元所長は、重篤な病状から見ていなかったかも知れないが、もしこの姿をテレビ報道から見ていたとしたら、どんな感慨を抱いていたであろうか。
 安倍晋三首相は、参院議員選挙後も、また「原発セールス外交」に飛び回るという。何しろ、現在の計画でも、約2000基を売りさばくというから、凄まじい。
 いまや全世界の良識派は、原発文明史に果敢に挑戦している。ドイツは、「2022年原発ゼロ」を目指して、その最先端を走っている。
 ところが、安倍晋三首相は、鈍感、ノー天気にも、原発ゼロを実現しようとする文明史に「反逆」しようとしているのであるから、呆れ果ててしまう。この総理大臣には、「良心」というものが皆無なのであろうか。「原発推進」=「国防軍=皇軍創設」の思考回路は、どうも単純に一本らしい。
 原発は「現代のプロメティウス」と言われている。ギリシャ神話の「プロメティウス」は、「不死の神」と呼ばれているように、原発の使用済み核燃料から生じる「核燃料ゴミ」は、ただのゴミではなく、放射能を発し続けて死ぬことのない「不死の神」である。この恐るべきゴミを地球上のあちこちに埋めたとしても、決して「夢の島」にはならない。
 だから、日本各地の自治体から、この「核廃棄物」は嫌われ者になっており、引き受け手がない。となれば、思い切って首相官邸の「秘密の抜け道」を深く掘って、そこに永久に埋め続けるしかないのではないだろうか。吉田昌郎元所長に「哀悼の意」を示しつつ、この新名案を捧げたい。
【参考引用】NHKNEWSが7月9日午後6時59分、「東電 吉田昌郎元所長が死去」というタイトルをつけて、以下のように報じた。
 「東京電力福島第一原子力発電所の事故で現場で指揮を執った吉田昌郎元所長が、9日午前、東京都内の病院で食道がんのため亡くなりました。
58歳でした。吉田元所長は、3年前の6月に福島第一原子力発電所の所長に就任し、おととし3月11日の事故発生から現場のトップとして事故対応の指揮を執りました。すべての電源が失われる中で、吉田元所長は、福島第一原発の複数の原子炉で同時に起きた事故の対応に当たりましたが、結果として1号機から3号機でメルトダウンが起きて被害を防ぐことはできませんでした。吉田元所長は、その後、病気療養のため交代するおととしの11月末までおよそ9か月間にわたって福島第一原発の所長を務め、事故の収束作業にも当たりました。おととし12月に食道がんと診断されて所長を退任しその後、去年7月には脳出血の緊急手術を受け療養生活を続けていました。吉田元所長は、所長在任中のおととし11月、福島第一原発の事故現場が報道関係者に初めて公開された際にインタビューに応じ、『事故直後の1週間は死ぬだろうと思ったことが数度あった。1号機や3号機が水素爆発したときや2号機に注水ができないときは終わりかなと思った』と当時の思いを語っていました。また、去年8月に長野県の出版社が福島市で開いたシンポジウムで公開されたインタビュー映像では福島第一原発の今後について『日本だけでなく、世界の知見を集めてより安定化させることがいちばん求められていると思う。それが地元の人たちにとって改善したと実感してもらえることだ。私自身も体力が戻ったら現場で力を出したい』
と述べ、復帰への意欲をのぞかせていました。東京電力によりますと、事故発生から退任までに吉田元所長が浴びた放射線量はおよそ70ミリシーベルトで、東京電力はこれまで、
『被ばくが原因で食道がんを発症するまでには少なくとも5年かかるので、事故による被ばくが影響した可能性は極めて低い』と説明しています。吉田元所長は、9日午前11時32分に東京都内の病院で食道がんのため亡くなりました。東京電力の廣瀬社長は『吉田さんは再び私どもと一緒に福島の復興に尽くしたいとの強い気持ちを聞いておりました。持ち前の明るい大きな声で陣頭指揮を執る姿に出会えることを心待ちにしておりましたが、東京電力の再生に向け共に働くことができず無念でなりません』というコメントを発表しました」


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