読売新聞は東北に詳しい小沢一郎元代表を除外し、「大連立」にこだわり、支離滅裂な社説を続けている

2011年04月08日 16時45分20秒 | 政治
◆小泉純一郎元首相の秘書官を務めた飯島勲さんが、日刊ゲンダイの4月8日付け紙面「5面」の「緊急インタビュー③」欄に登場して、「ノコノコ視察なんかに行っても邪魔。官邸は超法規的な意志を示すのが役割」などと極めて貴重な発言をしている。聞き手は、ジャーナリスト・BS11キャスターの鈴木哲夫氏。飯島さんは、「小泉内閣の秘書官。官邸内に官僚などを集めたチーム飯島を組織し、情報の一元化など危機管理に当たった」と紹介されている。
 「今の官邸にできていないのは、原理原則の部分ですよ。分類の仕方、組み立てがまったくできていない。津波被害で避難している人たちは60万から70万人いるわけですね。同時に、福島の原発で強制避難させられている人たちも相当な数になる。こうした二重の被害者がいる。それをしっかり分けて対応しなきゃなりませんね。その体制ができあがっていない。だいたい、官邸に何とか本部をいっぱい立ち上げているが複雑すぎる。能力のないやつもいっぱいいるんじゃないですか? 対策本部がいっぱいあると、省庁もたくさん人が取られる。全部廃止して10人ぐらいでやれる。総理と官房長官と秘書官と。今の本部は全部無駄です。小泉時代はたった10人でチームを組んで、9・11のときも1時間ですべてを走らせた。国内のテロ対策とか、明日の株式市場とか……。危機管理は、少人数で決定し、平常時の流れとは違うルート、つまりショートカットして現場にズバッと指示できるルートをつくらなければすべて遅れるんです。それから、総理の視察、これはやめてほしい。総理が視察に行くときには120人ぐらいの警察官がついていくんですよ。これはハッキリ言って迷惑になる。総理はこういうときこそ、ぶら下がりをどんどんやることですよ。会見しても質問も受けない。これじゃだめです。質問しているのはマスコミじゃなくて国民なんだと考えなくちゃならない。今回は超法規的に徹底して国家がお金を出してやっていくとか、原発についてもこれは東京電力の問題じゃない、国の問題だから徹底してやるとか、ぶら下がりで言わなければいけません。安直な現地視察なんかやっている場合じゃない。こういうときの、官邸のダメージコントロールで大事なのは、補助金や法律の届かないところに何をやるかということなんです。民間はすばらしいですよ。多くの人がボランティアをやってる。私の知人なんかは、当日30分で準備して給水車を持っていきました。役所もやってますよ。農水省も国交省も。そこは任せればいいんです。そんなところにノコノコ視察なんかに行ったら邪魔なんですよ。官邸は、超法規的なところにこそ意思を示さなければならないんです」
 緊急事態ともなれば、あれこれの議論をしている余裕はない。強力な指導力を発揮できる国家最高指導者の下、指揮命令系統を単純明確にして、「10人程度のチーム」でテキパキと作業を仕分けして、速戦即決でどんどん実行していくことが必要だということである。一種の「独裁体制」である。
 1923年9月1日の関東大震災の際、「復興員総裁」に就任した後藤新平は、内務大臣として「復興員総裁」を兼務していたからこそ、山本権兵衛政権が発令していた戒厳令下、強権を発動できた。
 内務省は、泣く子も黙る特別高等警察を持ち、「国民から怖がられた役所」であった。もう1つの特徴は、命令伝達のスピードである。大東亜戦争敗戦後、日本を占領したGHQは、内務省にある命令を全国に伝えるように指示したところ、「わずか15分」で全国津々浦々に命令を行き渡らせたのを知り、その絶大な権力を恐れた。このため、1947年12月に廃止してしたという。
 阪神・淡路大震災のときは、村山富市首相が、「結果責任は、自分が取るから、思う存分やってくれ」と小里貞利北海道・沖縄開発庁長官を震災担当相に任命、村山首相の意向を小里貞利氏に伝える役目を果たした当時の石原信雄官房副長官(元自治事務次官=内務省の嫡流官庁の事務方トップ)が、省庁を抑えてコントロールしたのであった。
 菅直人首相は、こういうような体制を築かず、やたらめったら「対策本部」「委員会」「会議」を作ってばかりいる。しかも指揮命令系統は、バラバラで複雑で、統制が取れていないうえに、責任の所在が不明だ。こんなことで、復旧・復興がスピーディに進むはずはなく、この結果、国民の多くが、被害を被っているというのが、菅直人政権の実態である。
◆そればかりではない。マスメディアが、社説でトンチンカンな論説を繰り広げている。たとえば、「大連立」である。自民党の谷垣禎一総裁が4月5日、小泉純一郎元首相と会談した際、小泉純一郎元首相から「健全野党のあり方を発揮すべきだ」とアドバイスされたのがキッカケで、「大連立」の動きが急速にしぼんだ。大連立を組まなくても、自民党など野党は、大震災の復旧・復興には協力的で、与野党連絡会議にも積極的に参加している。にもかかわらず、読売新聞は、まだ未練がましく、「大連立」をわめき続けている。
 読売新聞は4月8日付け朝刊「社説」(3面)で「政治の役割 東日本大震災」のワッペンをつけて「復興の青写真を早急に示せ-期限付き大連立で強力政権を」との見出しをつけて、もっともらしい論陣を張っている。だが、この論説は、国民を惑わす邪説としか聞こえない。以下、じっくり読んで、どこの何が「邪説」なのかを見破って欲しい。
 「日本は今、未曽有の事態に直面している。避難所や被災地で暮らす何十万人もの被災者の生活再建を急がねばならない。危機の連鎖の中にある福島第一原子力発電所の事故を一刻も早く収拾し、事後処理を円滑に進める必要がある。だが、政府と与野党の対応は立ち遅れており、十分とは到底言えない。早急に復興計画を策定し、衆参ねじれ国会下でも必要な立法措置が迅速にとれるよう、新たな体制を整えるべきである。◇地元の意向を尊重せよ◇菅政権は震災1か月の11日までに、被災地の復興の青写真を描く有識者機関「復興構想会議」を設置する方針だ。議長には五百旗頭(いおきべ)真防衛大学校長が内定した。1995年の阪神大震災の時には『阪神・淡路復興委員会』が発足し、委員長の下河辺淳・元国土事務次官や兵庫県知事、神戸市長らが、様々な提言をまとめた。復興構想会議は、それをモデルにしている。今月中に発足する政府の『復興本部』(仮称)が、復興構想会議の提言を受けて、具体的な復興計画を策定し、執行するという段取りだ。重要なのは、地元関係者の意向を最大限尊重することだ。被災地の実情を最も良く知り、復旧・復興の主導的な役割を担うべきは、地元の首長や経済界である。従来の防災体制の不備を検証しつつ、新たな『地震・津波に強い町』をいかに作るか、積極的にアイデアを出してもらいたい。◇官僚のフル活用がカギ◇形ばかりの『政治主導』を排して、実務に通じた官僚組織をフル活用することも大切である。震災後の被災者支援では、菅首相らの官僚不信と、官僚側の『指示待ち』姿勢との悪循環によって、政府の対応が後手に回った。首相官邸も、多くの会議や本部が乱立して混乱し、司令塔の役割を十分果たせていない。復興の段階では、復興本部の事務局が司令塔役を担う。阪神大震災と比べて作業量が膨大になる見通しだが、肥大化した組織とせず、各府省を効率的に動かすことを第一に考えるべきだろう。復旧・復興に必要な特別立法については、民主党の作業チームが、関連法案の素案をまとめた。だが、素案の『特別税の創設』には党内からも異論が噴出している。まず党内でしっかり議論し、意見を集約してもらいたい。衆参ねじれ国会で、関連法案を成立させるには野党の協力が欠かせない。与野党が協議する場を早期に設ける必要がある。◇バラマキ撤回が大前提◇政府・与党内には、自民、公明両党から閣僚を起用して、大連立による強力な『救国内閣』を組織すべきだ、との声がある。菅首相は、自民党の谷垣総裁に入閣を直接打診し、拒否されたが、なお自民党や公明党との連立に前向きだという。だが、どこまで本気なのか、疑問もある。谷垣総裁が『政策のすり合わせもないところでの連立はあり得ない」と言うのはもっともだ。連立を組むには、基本政策の合意が大前提だ。自公両党は民主党が政権公約で掲げた子ども手当などバラマキ施策を撤回し、それで浮く財源を復旧・復興に回すよう求めている。当然だろう。これに十分配慮せず、連立で責任の分担を求めれば、『民主党政権の延命に手を貸すだけ』という野党内の反発が強まるだけだ。 自公両党には菅首相への不信感が強い。世論調査でも、多くの国民が首相の指導力不足を認め、大連立による強力な政権で震災対策を進めるべきだと考えている。野党側に連立の参加を求めるなら、首相は、その条件整備のために、野党の主張を大胆に受け入れる覚悟を示さねばならない。民主党がバラマキ施策の撤回を含めて政策合意の環境を整えた場合、自公両党は連立参画を否定すべきではなかろう。連立を組むのは、大幅な会期延長も想定される通常国会で、震災対応の一定のめどがつく数か月間と期限を切ればいい。当面の焦点は、第1次補正予算だ。自公両党は編成段階から協議に参加し、与党として培った経験を生かしてもらいたい。赤字国債発行のための特例公債法案成立にも協力すべきだ。今回の震災を、日本に新たな安定した政治体制を築くための機会にしなければならない」
 この社説で、最もおかしいのは、「期限付き大連立で強力政権」さえ組めば、すべてがうまく行くと信じ込んでいる点だ。船頭多くして、一体だれを船長しようとしているのかが実に曖昧なのだ。国内のみならず、米国はじめ韓国などからも「菅直人首相は指導力がない」と非難されているのに、菅直人首相の続投のままでよいと考えているのか。これも不明である。
 次に「重要なのは、地元関係者の意向を最大限尊重することだ。被災地の実情を最も良く知り、復旧・復興の主導的な役割を担うべきは、地元の首長や経済界である」と言いながら、東北事情に詳しい肝心要の小沢一郎元幹事長をあくまでもネグレクトしている。小沢一郎元幹事長を抹殺しようとしてきたので、いまさら復権させるような論調に転換できない苦しさがミエミエである。
 さらに「菅首相らの官僚不信と、官僚側の『指示待ち』姿勢との悪循環によって、政府の対応が後手に回った。首相官邸も、多くの会議や本部が乱立して混乱し、司令塔の役割を十分果たせていない」と述べながら、どうさせようとしているのか。読売新聞だけではないのだが、このところのマスメディアの社説、論説は支離滅裂である。

ラジオ出演のお知らせ
2010年4月11日月曜日AM7:25頃から、千葉FMラジオ局ベイエフエムの朝の番組「POWER BAY MORNING 小島嵩弘」(5:00~8:51)に出演いたします。「都知事選挙の結果」について解説させていただきます。

先日、予告いたしました新刊本が出来上がりました。全国一般書店での発売は、来週からになります。


「孫の二乗の法則 孫正義の成功哲学」(PHP文庫)
板垣英憲著

ソフトバンクを3兆円企業に育て上げた稀代の起業家・孫正義。その成功の原動力となったのが、自らの人生・経営哲学を「25文字」の漢字に集約した「孫の二乗の法則」である。これを片時も忘れないことで、孫は幾多の苦難を乗り越えてきた。では、私たちが自分の仕事や人生に活用するにはどうすればいいか。その秘訣を本書では伝授する。「孫の二乗の法則」を本格的に解説した唯一の書、待望の文庫化!(本書カバーより)

本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
米原子力空母ロナルド・レーガンは放射能ブロック目的でトマフォークミサイルを福島第一原発にぶち込み、木っ端微塵にする作戦だったのに、そのとき菅直人首相は…

◆〔特別情報①〕
 福島第一原発は、廃炉になっても、今後30年、場合によっては、半永久的に放射性物質を放出し続ける危険がある。米国は3月11日、東日本大震災発生直後の3月13日朝に米軍の「トモダチ作戦」の主力として米原子力空母ロナルド・レーガンを宮城県沖に派遣して、福島第1原発を無力化する計画だったのだが、菅直人首相と東京電力の猛烈な反対に合い、計画実行を断念した。この結果、いまや取り返しの付かないことになっている。菅直人首相の「無能ぶり」に苛立つオバマ米大統領は、急遽、ヒラリー・クリントン国務長官を日本に派遣し、福島第一原発の処理ついて、強制介入するという。

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こちらも連載↓
『平成動乱 小沢一郎の野望』1993年9月25日刊



終章 新聞・テレビ報道を裏読みする12のポイント

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 俳優や付人、スタッフ一同のギャラ(報酬)は、俳優が所属しているそれぞれのプロダクション(政党)の自前。

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四王天延孝陸軍中将の名著「猶太(ユダヤ)思想及運動」 No.104

第七章 シオン長老會議

前回からの続き

 又第三項のユダヤ人の自覚増強のことを見てプロトコール全部を通読すると、あの文書は決議をした記録ではなく、第三項の目的達成の爲に豫め印刷したものを配布したかも知れぬと考へられる。

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