細川元首相が対米対等外交を目指す小沢一郎に「私も一生懸命応援します」と激励、影響力極めて大なり!

2010年09月08日 20時36分19秒 | 政治
◆時事通信が9月7日、「『首相やれるのは小沢氏だけ』-細川元首相が電話で激励」と、以下のように報じた。
 「民主党代表選に出馬している小沢一郎前幹事長は7日夜、都内の中華料理店で、鳩山由紀夫前首相ら同党国会議員約90人と会食した。席上、1993年の非自民連立政権を誕生させた細川護煕元首相から電話が入り、『(首相を)やれるのは小沢さんしかいない。わたしも一生懸命応援します』などと激励された。細川政権は当時の日本新党、新生党、社会党、民社党などによる連立政権。小沢氏は新生党代表幹事として、細川氏を支えていた。会合後、小沢氏は鳩山氏とともに記者団の取材に応じ、『皆さんの激励を受け、微力だが最後まで全力で頑張るという気持ちを新たにした』と強調した」
 この時期の細川元首相は、一体何を意味しているのであろうか。いまは祖母の住まいがあった神奈川県足柄下郡湯河原町宮上の邸宅に、茶室「不東庵」を設けて隠遁。陶芸と茶道三昧の生活を楽しんでいる。閑居に過ごす世捨て人のような元首相が、いまさら何をという疑問が湧くのは当然である。
 だが、止むにやまれぬ思いがあったのであろう。それは、世捨て人には似合わないアメリカに対する「怨念」のような感情があったのではないかと考えられる。細川元首相は1993年8月9日、当時新生党の小沢代表幹事に擁立されて8党派連立政権の首相に就任し、その直後に訪米した。だが、日米構造協議は決裂した。このため、ウォーレン・クリストファー国務長官は「日米パートナーシップは潰えた」と痛烈に批判し、在任中、二度と日本をまともな同盟国として扱おうとせず、細川政権とクリントン政権の関係は冷え込み、政権誕生からわずか8ヶ月後、退陣に追い込まれた。細川元首相は、言いたいことは言える対等な日米関係を構築しようとして、失敗したのである。鳩山前首相は、細川政権の官房副長官を務めていた。
 ところが、いまの民主党代表選を見ていると、菅首相は、財務官僚をはじめ官僚の手のひらで操られているばかりか、アメリカの言いなりになっているように見えて仕方がない。このままでは、日本はアメリカの属国のままになってしまうのは、目に見えている。放置しておくと、大変なことになる。これに対して、小沢前幹事長は、政治主導と対等な日米関係の確立に向けて腐心しており、細川元首相の志に合致していると感じたのであろう。
◆しかし、隠遁しているとはいえ、細川元首相は、かつての日本新党の同志たちと、ときどき「同窓会」のような懇親会を開き、旧交を温めている。齢を重ねた弟子たちはいまでも、恩師・細川元首相を慕い、敬愛し続けているということだ。それだけに細川元首相が「(首相を)やれるのは小沢さんしかいない。わたしも一生懸命応援します」などと激励したという報道が、弟子たちに与える影響は計り知れない。
 民主党には、日本新党出身の国会議員が16人いる。
 衆院議員は、▽荒井聡(北海道3区、当選5回=菅派)▽五十嵐文彦(埼玉9区、当選4回=鳩山派)▽枝野幸男(埼玉5区、当選6回=前原・枝野派)▽小沢鋭仁(山梨1区、当選6回=鳩山派)▽海江田万里(東京1区、当選5回=鳩山派)▽樽床伸二(大阪12区、当選5回=野田派)▽前原誠司(京都2区、当選6回=前原・枝野派、松下政経塾)▽藤村修(比・近畿、当選5回=鳩山派)▽野田佳彦(千葉4区、当選5回=野田派、松下政経塾)▽牧野聖修(静岡1区、当選4回=鳩山派)▽藤村修(大阪7区、当選6回=野田派)▽渡辺浩一郎(比例東京ブロック、当選2回=小沢派)12人の面々である。
参議院議員は、▽江田五月(参議院議長、岡山選挙区、当選4回、衆議院議員4回=社民連から合流=菅派)▽岩本司(福岡選挙区、当選2回=鳩山派、元日本新党職員)▽長浜博行(千葉選挙区、当選1回、衆議院4回=野田派、元松下政経塾東京事務所長)▽藤谷光信(比例代表、当選1回=無派閥、元日本新党山口代表幹事)の4人である。
 これらの国会議員のうち、菅首相の側近と言われている荒井聡国家戦略担当相が、仙谷由人官房長官のあまりにも横暴な振る舞いに嫌悪感を抱き、これを許している菅首相から距離を置きつつあると見られている。
 枝野幸男幹事長と野田佳彦財務相は、細川元首相が退陣に追い込まれたのは、小沢前幹事長のせいだと思い込み、恨み続けていた。だが、細川元首相を政権の座から引き摺り下ろしたのは、武村正義元官房長官あったことがわかるに連れて、誤解だったことに気づき始めているようである。なかでも、枝野幹事長は、アメリカの言いなりになっている菅首相にあきれ果て、もうついて行けないと感じ菅直人の悪口を言いふらしている。
◆一方、自民党にいる日本新党出身者は4人である。衆院議員は、▽遠藤利明(比例東北ブロック、当選5回=古賀派) ▽鴨下一郎(環境相、東京13区、当選6回=額賀派)▽小池百合子(前防衛相、東京11区、当選6回、参議院議員1回=町村派)▽茂木敏充(元科学技術・IT担当国務相、栃木5区、当選6回=津島派)の4人、参院はゼロ。
自民党内には、民主党代表選で、小沢前幹事長には、敗れて欲しいという願う声が大多数という。「小沢さんが負ければ、民主党を離党して、自民党と大連立してくれる可能性が大となるから」と期待を寄せているからである。勝てば、小連立に止まる恐れがあり、自民党が政権与党に復活する道が狭まると心配しているのだ。
 ときあたかも、谷垣禎一総裁の下で、執行部役員の入れ替えが起こりつつある。小池百合子が、党の最高意思決定機関である総務会長に抜擢されそうである。
 小池百合子元防衛相は2008年4月22日、東京都内で講演し、旧日本新党出身の国会議員の実名を挙げて、こう力説していた。
 「ごっちゃり私どもの仲間がいる。ねじれ国会の中で国家を優先し、政局のみではない大人の対応ができるような舞台回し役ができればいい」
 「仲間」として実名を挙げたのは当時の自民党の伊藤達也首相補佐官や鴨下一郎環境相、茂木敏充元科学技術・IT担当国務相のほか、民主党の前原誠司前代表や枝野幸男元政調会長だった。小池は同月九日、茂木、前原らと小泉純一郎元首相を囲み、東京都内で会食していた。この意味で、政界再編には、小池百合子駕元防衛相が両党の「若手世代」を糾合するキーウーマンに十分なり得ると予想できる。

◆(本日いただいた鈴木宗男衆院議員に関するコメントへのお答えをこの場を借りて記しておきます)
 鈴木宗男元北海道・沖縄開発庁長官に対する刑事裁判(賄賂と政治献金の差は、微妙)で上告棄却、懲役2年の判決確定で収監、公民権停止5年。民主党代表選の最中、最高裁が行政府(司法の裏の裏に通じた仙谷官房長官ら)から何らかの示唆を受けていたか、あるいは、現在最高裁判事の竹内行夫元外務事務次官(鈴木宗男追放の張本人であり、敵)から巧妙なる暗示を受けていたとしたら「司法権の独立(職権の独立)」を自ら侵す暴挙、司法権の自殺行為と言える。司法権の行政化、言うなれば戦前の裁判同様に、政治裁判、思想裁判の暗黒裁判化に道を開く危険が大である。現代の「安政の大獄」を招く恐れがあり、これを防ぐには、立法府による弾劾裁判により、担当裁判官の罷免運動を広く展開する必要がある)


板垣英憲マスコミ事務所

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コメント (6)
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