蓮舫ら菅直人首相支持派の「首相交代なら衆院解散・総選挙が筋」論から、「10月解散・総選挙」へ

2010年08月22日 19時07分12秒 | 政治
◆「首相交代なら衆院解散・総選挙が筋」という日本国憲法第67条第1項【内閣総理大臣の指名】を無視ないし否定するかのような発言が、国会議員の間で噴出、罷り通っている。それもこの発言の急先鋒が、参院議員に再選されたばかりの蓮舫内閣府特命担当大臣(行政刷新担当、野田派)というのは、いかにもいやらしい。解散がなく任期6年間が安泰の参院という安全地帯からの発言だからである。こう言っている。「仮にまた首相が変わるとなると、総選挙が筋だ」
 菅首相は、代表選で2番はダメなのでしょうか。それはともかく、一体、蓮舫内閣府特命担当大臣は、それでも「良識の府」と言われる参院議員なのか。そもそも参院議員が、衆院の解散・総選挙に嘴を入れるのは、まさに筋違いである。参院は、旧・貴族院である。常在戦場という修羅場にある衆院と同じように戦いの場にしゃしゃり出ては、単なるコピーに堕してしまう。もっと冷静に、修羅場からは局外にいて、世の中の行く末や社会の安寧、国民生活の安定などに策按を講じてもらわねばならない。戦場が好きならば、参院議員を辞職して、衆院議員に鞍替えすべきである。参院から余計な茶々は入れるべきではない。越権行為はひどすぎる。余計な発言は、お止めなさい。
改めて言うまでもなく、日本国憲法は、間接民主主義を採用し、「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先立って、これを行ふ」と規定している。
 宮沢俊義著「日本国憲法-コンメンタール1」を紐解いてみよう。「内閣総理大臣を指名することは、国会の義務である。従って、各議院は、なるべく速やかに指名する義務を負うのであり、これを怠ることは許されない。個々の各議員も、もちろんこの指名に参加する義務を負う。退場その他の方法によって、この義務に違背することは、許されない」
 要するに内閣総理大臣を指名する議決は、各議院と国民を代表する個々の各議員の義務なのであり、「首相交代なら衆院解散・総選挙が筋」という発言は、各議院、個々の各議員の義務の放棄を意味している。もちろん、衆議院の実質的解散権は、内閣総理大臣にあり、憲法第7条3項は「内閣の助言と承認により、天皇が国事行為の一つとして解散する」ことを
規定している。だから、首相は、国会開会中なら、いつでもこの伝家の宝刀を抜くことができる。
◆菅直人首相が「首相交代なら衆院解散・総選挙が筋」論者であるならば、鳩山由紀夫前首相から交代して首相に指名されたとき、なぜ衆院解散・総選挙を断行しなかったのか。参院選挙とのダブル選挙によって、国民の審判を仰ぐべきだっのではないか。それもしなかったのに、民主党代表選と絡めて「衆院解散・総選挙が筋」というのは、論理矛盾も甚だしく筋が通らない。
 百歩譲って、そんなに「衆院解散・総選挙」がしたいという誘惑にかられるのなら、9月14日投開票の代表選終了後、直ちに臨時国会を召集して、冒頭解散しなくてはならない。だれが代表に選ばれようとも、あくまで菅首相が首相であるから、解散権を行使できる。「代表と首相」は分離できるので憲法上は、何ら問題はない。
 少なくとも、菅首相が代表に再選された場合でも、「首相交代なら衆院解散・総選挙が筋」論に立脚し、これを守ろうとするならば、この論に自縄自縛されて、衆院解散は免れない。首相に就任してまだ一度も、衆院解散・総選挙により国民の信を問うていないからである。(参院選で国民の信を問うたとするならば、民主党大敗北の結果、不信任と判定されており、菅首相は退陣していなければならない)もし、衆院解散・総選挙しないまま、ほうかむりして、首相の座にしがみ続けた場合、「禁反言」の原則により、「嘘つき首相」の烙印を押されて、政権を維持することはできなくなる。
◆この意味で、「首相交代なら衆院解散・総選挙が筋」論は、菅首相再選支持派から、とくに小沢派のなかで100人前後を占めている選挙地盤が脆弱な新人議員へのブラフ、ひいては、小沢前幹事長の立候補を思い止まらせようとする戦術の一つとして発信されている。だが、これがブーメラン効果を招き、むしろ、菅首相再選支持派の首を絞めかねない危うい戦術になりつつある。あまり強く言い過ぎると、本当に、「10月衆院解散・総選挙」が現実のものとなり、いま野党に転落している自民党、公明党などを喜ばせる事態を招きかねないのである。
◆しかし、それでなくても、日本を取り巻く国際経済環境は極めて厳しく、代表選によって政治空白をつくるべきではないという意見が民主党内外にある。急激な円高ドル安、あり地獄のような国内の深刻なデフレ、アメリカの輸出攻勢、解決の見通しの立たない沖縄普天間飛行場の辺野古への移設問題など難問が山積している。「10月衆院解散・総選挙」となれば、政治空白は、さらに続くことになる。

【菅直人首相の不得意分野における無責任ぶり】
 ①急激な円高ドル安を注意深く見守るだけで、金融政策面で有効な手を打てず、あり地獄のような国内の深刻なデフレにも無策。
 ②不得意な安全保障政策から逃げ回り、普天間飛行場の辺野古への移設問題を哲郎官房副長官に任せ切り。
 ③陸海空3自衛隊の最高指揮官であるとの認識が薄く、「ちょっと昨日予習したら、(防衛)大臣は自衛官じゃないんですよ」などと発言、文民統制(シビリアンコントロール)に対する使命感も責任感もない。日本国憲法第66条第2項「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない」という規定を知らなかったののか。まさにお粗末な首相だ。 
 ④「竹島」問題を記述した防衛白書の公表を先送り。
 ⑤全閣僚、副大臣、政務官に対して、靖国神社公式参拝禁止令。
 ⑥国家戦略(局)の事実上の開店休業化。
 ⑦09マニフェストの軽視、無視。
 ⑧中国、ロシア外交を鳩山由紀夫前首相に丸投げ。
 ⑨参院選大敗北の責任取らず。
 ⑩「核廃絶」からの逃避。
 ⑪北方領土関係の住民の子どもたちが首相官邸に訪問した際、面会せず、居留守。
 ⑫有効な雇用政策を立てず、就職支援施設(京都)を視察、パフォーマンスでアピール。「やっています、やっています」のふり。

板垣英憲マスコミ事務所

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コメント (2)
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