日本の政治家は、ソフトバンクの孫正義社長の「事業五十年計画」「孫の二乗の法則」をしっかり学ぶべきだ

2010年08月06日 23時52分05秒 | 政治
◆「孫の二乗の法則ーソフトバンクの孫正義の成功哲学」(サンガ刊)という拙著が、このところ俄かに関心を持つ人が出てきているらしく、購読を希望しながら、すでに絶版になっているのでアマゾンなどでも品薄になっているらしく、なんとか手に入らないかという問い合わせが寄せられている。ネットで検索してみると、定価の倍くらいの価格で売られているという情報もあり、驚いた。
◆なぜこんなことになっているのかと、疑問に思っていると、謎が解けた。それは、ソフトバンクの孫正義社長が、驚くべき行動に出ていることにあった。すなわち、7月28日、東京・汐留のソフトバンク本社で、孫正義社長の後継者発掘・育成を目的にした「ソフトバンクアカデミア」の第1回講義が開かれた。現在52歳の孫社長は、20代で創業時に作成した「事業五十年計画」に基づいて事業を展開してきた。その最後の戦いが迫ってきた。「60代、次の世代に事業を継承する」と名言してきたからである。要するに、60代のうちに後継者に社長の座を譲るのだととう。孫正義社長の願いでもある「ソフトバンクアカデミア」は、来るべき10数年後に備え、その候補を選抜、育成するためのものである。第一回講義には、グループ会社を含め社内から志願した約1000人集まった。20~30代の若手社員が半数を占めたそうである。
◆私はいまから20年近く前に、孫正義社長に取材した。以後、ずっとウォッチし、ポイントポイントで書籍にまとめて出版してきた。この目覚しい大成長には。目を見張る思いである。その秘密は、人生や事業に対する徹底した計画性である。
 まず、孫正義社長は、織田信長に心酔し「事業五十年計画」を立てて、実行してきた。それは、以下の通りである。  
 ①二十代、名乗りを上げる 
 ②三十代、軍資金最低1千億円貯める
 ③四十代、ひと勝負かける
 ④五十代、事業を完成させる 
 ⑤六十代、次の世代に事業を継承する
 次に、25歳のとき、深刻な病を得て東京虎ノ門病院に入院中、「孫子の兵法」にめぐり合い、これがキッカケとなり、「孫の二乗の法則」という独自の経営原理を発明している。なお、アメリカに留学中、孫子の兵法の英訳本を、読んでいたという友人が多かったのに感心させられたのだと告白している。「孫の二乗の法則」とは、孫子と自らの姓である孫を掛け合わせて出来上がったという。すなわち、「一流攻守群」「道天地将法」「智信仁勇厳」「頂情略七闘」「風林火山海」。この25の文字盤を経営指針として、今日の大成功を築いたと言ってよい。孫正義は、「事業五十年計画」の「六十代、次の世代に事業を継承する」という目標の実現に取り掛かっており「三百年安定企業を目指し、後継者を養成する」という、いわば「最後の戦い」に臨んでいるのである。
◆人生も、事業も、ましてや国家の経営においても、計画性は、大事である。近年の日本の政治を見ていて、つくづくそう痛感させられる。政治家は、孫正義の経営を国家経営の観点からしっかり学ぶべきであろう。とくに「孫子の兵法」は、然りである。

参考まで孫正義が編み出した「孫の二乗の法則(兵法)」について、以下拙著から抜粋して紹介しておこう。

  

 『道天地将法』『智信仁勇厳』『風林火山』は、孫子の原文から採用し、『一流攻守群』と『頂情略七闘』『海』は、孫正義のオリジナルである。

 【一流攻守群】(いちりゅうこうしゅぐん)=第一人者たらんとする者は攻守均衡して群れをなして闘うのである。「常に一番を目指して、流れを見極め、攻守のバランスを考える。そして、相乗効果狙いと危険な分散の両方の意味合いから複数の案件(群)を同時並行的に手掛ける」といった趣旨である。

 【道天地将法】(どうてんちしょうほう)=戦いに勝つのに五条ある。すなわち道、地、将、法なりこれは孫子の兵法に出てくる言葉で「道というのは人の道。大義名分、道を誤ってはいけない。天の時、天の利、将を得なければいけない。法律をきちっと整備し、守っていかなければならない」という意味である。

 【智信仁勇厳】(ちしんじんゆうげん)=将に求められるは智、信、仁、勇、そして厳なり。これも孫子のなかに出てくる言葉で、「将たる者の心得として、知恵が優れ、信義を重んじなければいけない。勇気をもって決断をし、ある程度の厳しさも大切だ」ということである。

 【頂情略七闘】(ちょうじょうりゃくしちとう)=頂上を極めて全体を見渡し情報を可能な限り得る。意味は「将たるものの心得として第一に挙げられた智つまり知恵とは何かを展開したものである。高いところに立って情報を集め、戦略を練る。七は、マジックナンバーである。勝率七割と見たら果敢に闘う。七割より低くてはリスクが大きすぎるし、逆に、それ以上の確率を期待するとタイミングを逸する」という内容である。

 【風林火山海】(ふうりんかざんかい)=海・呑み込むこと海の如く。この五文字は、闘いを展開するやり方、戦のやり方を示す。武田信玄が、「風林火山」の四文字を旗印にした。孫正義は、「大海に呑み込む」という懐の深さを表す「海」の字を付け加えた。
 
 ソフトバンクの孫正義は昭和32年(1957)8月11日、佐賀県鳥栖市で生まれた。二十代、B型慢性肝炎で病院に入退院を繰り返している間、「孫子の兵法」をマスターして編み出した「孫の二乗の法則」という経営指針表を、常に実戦に活かしてきた。
 「孫子の兵法」は、紀元前480年ごろ(春秋時代末期)、すなわち、2500余年前の中国の春秋時代の武将・孫武が著した兵法書である。孫正義は、孫武の「孫」に因縁的なものを感じ、自分の姓の「孫」を掛け合わせて「孫の二乗の法則」を完成した。
 新規事業に挑むときや事業が新たな局面や分岐点を迎えるたびに「二十五文字」を頭に思い浮かべ、何回も自問自答を繰り返し、進むべき道とビジネスのありようを決め、実戦に応用しているという。孫正義は、並の経営者ではない。

*参考過去エントリー
ソフトバンクの孫正義社長が作成した「孫の二乗の法則」を題材とする


板垣英憲マスコミ事務所

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コメント (2)
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