鳩山首相は戦後民主主義教育の申し子、そう焦らず、「鳴くまで待とう」ではないか

2010年04月09日 20時36分10秒 | 政治
◆このごろ、日本人とマスコミのいい加減さにホトホト呆れる日々が続いている。世の中は、半年やそこいらで一気に変わるわけがないのに、あまりにもせっかちすぎる。しかも民主主義には時間がかかるということをすっかり忘れている。おまけに、どちらにころんでも、ケチをつけ、すぐに引きずり降ろそうとする。政治家、とりわけ国家最高指導者である首相が、「優柔不断」で「軟弱」であると、「決断力がない」「リーダーシップを発揮していない」と文句を言い、「恐れず、ひるまず、とらわれず」と抵抗勢力に挑んだ小泉純一郎首相を「独裁者ヒトラー」と非難したり、まだ首相でもなく政党の世話役であるにすぎない小沢幹事長が強力な指導力を発揮すると「強権的独裁者」などと悪口を言い立てるなど、始末が悪い。むしろ、タチが悪い。
◆とくにマスコミは、無責任の極みである。時々刻々変化する内閣支持率や首相に相応しい政治家はだれかと人気投票するのは、よいとしても、その結果を微積分的に追跡して、政権交代まで迫るメディアが少なくない。日清日露戦争の賠償が少ないと怒り、海軍軍縮で欧米列強に譲歩すると軟弱だと政府を痛烈に非難し、国民を焚きつけてきた。大東亜戦争を煽ったのも大新聞だった。最近は、早朝の番組から司会者やキャスターが、「ハッキリ言わせてもらえば」などとドーパミンの大量発生に刺激されて、異常なまでに怒りを爆発させている。
◆こんな調子でいま最も誤解されているのが、鳩山由紀夫首相かも知れない。戦後民主主義教育の申し子であり、ホームルームでは、少数意見を限りなくゼロに近づけるために、時間をかけて議論を尽くし、多数決を何度も繰り返す。もういい加減にしろと思いながら、総意をつくり上げていくのである。鳩山首相が米軍の沖縄普天間基地移設問題で決断力がなく、迷走しているように見えるのは、このためである。その後の世代になると、ホームルームは形骸化していき、早く家に帰り、塾に行く時間を気にする者が増え、いい加減に議論して、採決となると、「いいで~す」と大勢に委ねる傾向が強まっているように見える。
◆そこで、報道機関には是非、世論調査に当たり、沖縄県民を犠牲にしていいかどうか、グァム、サイパンなどの現地人を犠牲にしていいか、本土に移設するとすれば、どこが適地か、たとえば、自民党の石破茂元防衛相の地元である鳥取県の砂丘地帯や大山の麓(筆者の父祖の故郷)などはどうかと賛否を国民に聞いて欲しい。その場合、世論調査を行う報道機関がどこに移設したいいかの提案も示すべきである。鳩山首相は、戦後民主主義教育の申し子、ホームルームで議論を尽くすことを叩き込まれた世代であるから、ここのところをよく理解して、そう焦らず、5月末まで「鳴くまで待とう」ではないか。狂気なほど戦争好きなアメリカが引き起こすバカな戦争に無批判につき合わされないためにも!

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