与謝野馨、園田博之の「新党づくり」の背後に小沢一郎の影がチラつく

2010年04月03日 15時43分07秒 | 政治
◆政治は離合集散が常といわれるが、この権力闘争は、ますます面白くなってきた。与謝野馨元財務相が4月3日昼、自民党本部で、谷垣禎一総裁に離党届(7日付)を提出した。「ワインは熟成するのに10年かかる」と言っていたのに、鳩山邦夫元総務相の離党から大して時間はかからなかった。早摘みのブドウ酒か貴腐ワインかはわからないけれど、いつまでも「老残」を晒す時間的余裕はなかったようである。同志の園田博之元官房副長官も後を追い、新党を結成することになる。与謝野グループには、30人~40人いる模様だが、後続となるか否かは不明。
 一方、平沼赳夫元経済産業相のグループも近々、新党結成に踏み切りそうである。与謝野新党、平沼新党が合流すれば、「第三極」の一つとして一定のパワーを持つ。さらに「みんなの党」は、公認候補者を10人増やして30人にするという。
◆さて、これら雨後の竹の子のように新党づくりがブームのようになっている背景を掘り下げて分析してみなくてはならない。渡辺喜美元行革担当相以外の新党づくりは、いずれも自民党のベテラン・実力者が中心になっている。おまけに老人たちである。40代、50代の若手と言われる政治家たちは、「世代交代」を望みながら、老人たちを突き上げてクーデタを起こすか、離党して結集するかの行動を一切示していない。どこまでも元気で暴挙に打って出るのは、老人たちばかりである。
◆注目しなくてはならないのは、与謝野元財務相の背後に与謝野元財務相が秘書として仕えた中曽根康弘元首相、読売新聞の渡辺恒雄会長、日本郵政の斉藤次郎社長、さらにその背後に民主党の小沢一郎幹事長の影がチラついていることである。これらのメンバーは、いまは幻の計画として忘れかけられている「大連立構想」の仕掛け人たちである。谷垣体制では、小沢幹事長との間で実現不可能と判断して、与謝野元財務相グループが先に離党して新党をつくり、参議院選挙後に合流するというシナリオが透けて見えている。
◆平沼新党との関係では、小沢幹事長の側にいる川上義博参院議員が、接着剤になろうと工作し続けている。川上参院議員は、衆議院議員落選中、平沼元経済産業相から資金援助を受けていたことも見逃せない。
小沢幹事長は、参院選挙の結果如何にかかわらず、「反小沢グループ」と決別して、与謝野新党、平沼新党、それに鳩山邦夫元総務相らと「新党」を立ち上げることもあり得る。

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