小沢一郎民主党代表の快挙により、返り血を浴びるのは、果たして自民党か共産党か?

2007年02月21日 17時10分15秒 | 政治
小沢代表、事務所費を公開 首相らに公開求める(朝日新聞) - goo ニュース

◆民主党の小沢一郎代表が2月20日、自らの政治資金管理団体「陸山会」の2003年~05年の事務所経費の詳細を公表した。焦点は、05年に政治資金収支報告書に記載されている秘書の宿舎用「木造アパート」の建設費用3億7000万円であった。
 小沢代表の今回の行為は、一言で言えば、快挙である。と同時に、小沢代表にこのような快挙に踏み込ませた政治勢力にとっては、愚挙であり、反射的に返り血を浴びる危険行為でもあった。他党がこれにどう対処するかが、見ものである。とくに共産党、公明党などには、対処を誤れば、その存立さえ脅かされかねない。
◆日本国憲法原理と国民的立場から、その理由について、列挙してみよう。
①政党や宗教団体は、憲法第19条(思想及び良心の自由)、第20条(信教の自由)、第21条(集会・結社の自由)によって、「公権力」からの「自由」を保障されている。これが損なわれれば、「公権力」から弾圧を受ける危険に晒される。これは、国民どうし、団体どうしの関係においても同様である。活動資金の収支を含めて、活動内容をすべてあからさまにすると、官憲によって、すべてを把握され、弾圧を招く恐れがある。
②憲法第15条第4項(秘密投票の保障)の立場からみると、国民・有権者が個々の政治家のだれを、政治団体のどれを支持し、資金援助までしているか、だれとだれが、いつ、どこで会い、どのくらいの費用を使ったかなどのすべてを明らかにしなければならないとなれば、やはり官憲に活動のすべてを把握されたり、政敵による組織破壊活動に利用されやすくなる。
③政治資金規正法によれば、「政治団体の種類」は、「政党、政治資金団体、その他の政治団体、資金管理団体」となっている。政治団体は、資産を有することが認められている。資産とは、「土地、建物、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権、取得の価値が100万円を超える動産、預金(普通預金及び当座預金は除く)若しくは貯金(普通貯金は除く)、金銭信託、有価証券、出資による権利、貸付先ごとの残高が100万円を超える貸付金、支払われた金額が100万円を超える敷金、取得の価格が100万円を超える施設の利用に関する権利、借入先ごとの残高が100万円を超える借入金」である。資産の額についての制限はない。
◆これらの基本原理や法的ルールに従えば、小沢代表の政治資金管理団体「陸山会」が、土地、建物を有することは、いかに金額が巨額になろうとても、決して違法ではない。土地、建物を有することが、咎められるとすれば、事務所は、賃貸しか許されなくなる。その事務所の賃貸料が、高額になることも禁止されるのであろうか。
 大物政治家ともなれば、公設秘書3人以外に、何十人もの秘書を抱えることは、珍しくなく、雇い主が、宿舎や厚生施設を用意したとしても、当然のことである。社会保険への加入なども含めて、「労働環境」を整えるのも義務である。実際には、労働基準法に違反している政治家(労働大臣経験者も含まれる)は少なくない。こちらの方が、重大問題である。
◆今回の政治資金収支報告書をめぐる問題提起は、赤旗が火付け役となっており、しかも、政治資金管理団体の「主たる事務所」を議員会館内に設け、地元の事務所の経費もまとめて報告することが認められているのに、これを誤解、錯覚して報道した面がある。これに自民党や民主党などが、振り回されて、まんまと「罠」に嵌ってしまっている。
 読売新聞が2月21日付の朝刊、「4面」(政治)で「小沢代表の事務所経費を追及してきた自民党の篠田陽介衆議院議員が『政治資金規正法は資金管理団体の不動産取得を想定していない。直ちに違法とはいえないが脱法的だ』と批判した」と報道している。この政治家は、「憲法原理」の「政治資金規正法」についても、相当無知ぶりをさらけ出している。名工大出身で、理科系の弱点か、世界政治史も日本国憲法もロクに勉強していないと思われる。政治家が元来、官憲による弾圧を受ける立場にあることを知らないらしい。
共産党や公明党など、イデオロギー政党や宗教政党も、やはり官憲の弾圧を受けやすいことは、歴史が証明している。このことを承知の上であるなら、まず隗より始めよである。共産党が赤旗購読者の具体的氏名の公表をはじめ、収支の詳細を領収書付で国民にオープンにしてみたらどうか。日本の官憲は、共産党が、「暴力革命の魂」を放棄したとは、未だ認定していない。共産党取締りを目的としている「破壊活動防止法」は、依然として健在であることを忘れてはならない。

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