小泉首相は、闇将軍・田中角栄、金融の闇将軍・竹下登に続く「キングメーカー」なる?

2005年09月27日 22時34分40秒 | 政治
 小泉首相は、特別国会で郵政民営化法案が成立した後、内閣改造を断行し「小泉改革」の総仕上げ体制を敷く。その際、「ポスト小泉」の総裁候補を重要閣僚に登用するという。
 自民党が二九六議席獲得して歴史的圧勝を獲得し、このなかで「小泉チルドレン」と称される新人は八十三人。小泉首相は、新人が派閥入りするのを禁止しているため、「無派閥」を名乗っている。だが、だれの目から見ても「小泉直系」であることは疑いの余地はない。最大派閥の森派八十人(衆院五十四人、参院二十六人)を加えると百六十三人に達し、往時の旧橋本派を凌駕する最大集団である。
 このため、小泉首相の自民党総裁の任期が満了する来年9月、自民党総裁選挙が実施されれば、「ポスト小泉」は、小泉首相の胸三寸で決まる可能性が大となる。そうなれば小泉首相が、田中角栄元首相や竹下登元首相」に続いて、久しぶりに「キングメーカー」となるのは確実である。自民・公明連立政権下、衆院で三文の二を上回る議席をみすみす減らすような危険を冒してまで解散・総選挙は行うとは考えられないから、新首相は「最低三年間」の在任中、じっくりと改革に取り組めることになる。
 「ポスト小泉」の総裁候補の条件について小泉首相は「小泉内閣が進めてきた改革をさらに前進させる、そういう情熱を持った方になっていただければと期待している」と強調し、小泉改革の継承を求める発言をしている。  また、「ポスト小泉」の条件と明言しているわけではないけれど、所信表明演説のなかで「痛みを恐れず、既得権益の壁に怯まず、過去の慣例にとらわれず、国民の協力の下、一身を投げ出し、内閣総理大臣の職責を果たすべく全力を尽くしてまいる」と強い決意を示したうえで、「改革が成功するか否かは国民の強い意志と政治家の断乎たる行動力にかかっている」と述べている点にも注目しなければならない。煎じ詰めれば、十分条件というわけにはいかないものの、少なくとも、
 ①小泉改革をさらに前進させることができる
 ②痛みを恐れず、既得権益の壁に怯まず、過去の慣例にとらわれず、全力を尽くす勇気と情熱に溢れている
 ③断乎たる行動力がある
 の「三つ」が必要条件として数え上げられるだろう。
 いまのところ、下馬評が高いのは、谷垣禎一財務相、麻生太郎総務相、安倍晋三幹事長代理、福田康夫前官房長官である。「財務相(旧蔵相)」と「外相」の二つの重要閣僚は、中曽根内閣時代の「竹下登蔵相」と「安倍晋太郎外相」のように、首相候補の最右翼に位置づけられてきた。ダークホースとして、山崎拓元幹事長や小池百合子環境相らが取り沙汰されている。みんな意識の外に置いているけれど、最大派閥の領袖ともなれば「森喜朗前首相」が、「数の論理」で踊り出てこないとも限らないのである。
 これまで非情を通してきた小泉首相が、断乎、最後まで非情を貫き、「男の美学」を示して爽やかに有終の美を飾れるか、はたまた「私情」にほだされて「情実人事」に堕してしまうか、見物である。
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