前原代表との就任で民主党のイメージが明るくなり、反転攻勢に向けて動き出した

2005年09月19日 22時44分11秒 | 政治
「小沢代行」持ち越し、副代表に赤松氏=前原新体制、20日に発足-民主 (時事通信) - goo ニュース

 民主党の新執行部が18日決まった。前原誠司代表、鳩山由紀夫幹事長、松本剛明政調会長、野田佳彦国対委員長という清新で強力な布陣で、これに小沢一郎副代表が、代表代行を受ければ、さらに「強力な体制」となる。
 「永田町の郷ひろみ」と言われる前原代表の就任で、民主党のイメージが一気に「陰性から陽性」に変わった。しかも、「友愛主義者」で知られる鳩山由紀夫元代表が、幹事長という要職に座り、一段と明るさが増した。松本剛明政調会長は、前原代表と同じく、「防衛族」と言われ、民主党の背骨が幾分強化されている。野田国対委員長は、どう見ても自民党議員と見紛がう容貌で、「保守・民主党色」が濃厚である。かつての東映の時代劇に登場する「悪代官面」は、頼もしい。これなら、海千山千、魑魅魍魎、鵺の巣窟のような自民党の強者たちと、互角とは言えないまでも、打々発止の論戦を交わし、存在感がグッと増すことであろう。
 ただし、問題なのは、民主党の国会議員の大半に、「生活臭」が感じられないという点である。「ぼんぼん政党・自民党」に対して「秀才揃いの政党・民主党」の色彩が強く、いずれも、庶民からは程遠い存在である。とくに、民主党の方は、どことなく、進学予備校のような雰囲気が漂う。
 生活臭をほんのちょっぴり臭わせてくれたのが、前原代表の代表選挙での演説である。
 「中2のとき、父が亡くなり、母子家庭となった。母は、仕事にでかけ子どもたちを一生懸命育ててくれた。私は、奨学金を得て高校、大学を卒業できた」
 このエピソードは、アメリカのクンリントン前大統領の境遇に似ている。クンリントンも子どものころ、実父を交通事故で失い、再婚した母と義父から深い愛情を注がれて育てられたという。ケネディ大統領に直に会ったのがキッカケで政治家を志し、アーカンソー州知事から、大統領に就任している。
 アメリカでも英国でも、国家最高の指導者に就任し、役目を終えると、若くして引退する。昭和21年生まれのクリントンは40代で大統領になり、いまは悠悠自適に生活に入り、講演活動をしている。同じ昭和21年生まれのブッシュ大統領は、50代で大統領となり、62歳には、引退する。英国のブレアは、40代で首相になり、50代初めには、引退するに違いない。
 これらの例に習えば、自民党は50歳の安倍晋三幹事長代理が、50代で首相になるとか、43歳の前原代表が4年後に47歳になっても首相に就任すれば、50代で引退の条件が整う。
 普通の国会議員の場合は、「老壮青」のそれぞれの年代がいた方がよい。衆議院議員の場合は、活発に動き回らなくてはならないので、若者が中心になるのがよい。しかし参議院には衆議院がときにより過激になるのを抑える機能と緊急集会の機能が期待されているので、高齢者の存在も必要となる。
 これからの政治家は、使命や機能の違いによって、年齢層がそれぞれに相応しい役割を果していくことが求められる。
 総務省が19日の敬老の日に合わせて発表した「65歳以上の高齢者人口」は、前年比71万人増の2556万人に達しているという。10年後には、3000万人になるという予測である。
 若い世代がこれから次第に、高齢者の問題への関心をあまり持たない状況が深まる可能性が高い。高齢者がこれに対応するには、高齢者もそれなりの政治集団をつくって、既得権益や権利の拡大に積極的にならざるを得なくなる。精神科医師である「なだ・いなだ」さんが、バーチャル政党「老人党」を立ち上げているのは、こうした不安が募ってきているからであろう。
 「高齢者の権利は、高齢者の手で」
 高齢化が進んでいけば、これが新しいスローガンになっていくかも知れない。少死高齢化がさらに深刻になり、しかも憲法9条が改正されると、正規軍の一環として「老人部隊」の編成も本気で検討しなくてはならなくだろう。いざとなれば、何でもありとなる。防衛政策の専門家である前原代表の出番は、ここにもある。
 これからの2大政党政治時代には、「高齢者」の支持をどれだけ多く受けられるか否かが、政党の消長を決めることになる。

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