小泉首相が勝ち、岡田代表が辞任表明した民主党は、いよいよ小沢一郎に政権取りの出番がきた

2005年09月12日 14時27分38秒 | 政治
首相「満願」勝利の余韻、民主は悲壮「分裂避けたい」 (読売新聞) - goo ニュース

 第44回総選挙の結果、480議席のうち、自民党が296議席を獲得して圧勝した。公明党は31議席を取り、与党は、327議席を得て、総定数の3分の2(320)を超えた。
 今回の総選挙は、小泉純一郎首相(自民・公明連合軍)と岡田克也代表(民主党)の事実上の一騎打ち、まさに「真昼の決闘」で、早撃ちの名人・小泉首相が一瞬のうちに岡田代表を仕留めた劇的なドラマであった。
 小泉首相の勝因は、
 ①複数の候補者のなかから1人を選べる中選挙区制度と違い、小選挙区比例代表制度は、「純粋小選挙区制度」への過程にある制度だが、ロンドン遊学の経験のある小泉首相は、英国の小選挙区制度による総選挙の性質をよく知っており、「党首主導の党営」「党が地盤に関係なく候補者を選び、送り込む」「政策を争う」選挙を日本の選挙史上、初めて実施した。「地盤・看板・鞄」の「3バン」のうち、とりあえず、「地盤」(地縁・血縁)を無力化する第1歩に乗り出した。
 ②小泉首相は「2大政党政治」時代に入っている状況変化を熟知し、マニフェストの二者択一を有権者に迫る制度の特質を駆使し、有権者に選択と決断を迫り、成功した。とくにパソコンを使い慣れた人々の「0」か「1」かの思考が投票行動に表れ、小泉首相に味方した。
 ③「捨万求一」(他のことは捨てて1つのことを追い求める)の言葉に従い、郵政民営化一本に選挙の争点を絞った。
 ④博打・小泉首相の真価を発揮して「オールイン」(すべての持ち金を賭ける)決戦に出た。
 ⑤「郵政民営化」の実現のためなら「殺されてもいい」と壮絶な覚悟を国民に示し、有権者の共感を得た。
 ⑥織田信長の「余はこの国の無能者の掃除人になることを決めた」という言葉通り、造反者を一掃する覚悟を決め、「刺客」(くノ一を含む)を造反者に向けて発した。
 ⑦「小泉劇場」の原作・演出・主役となり、選挙勢の主導権を握り、マスコミを巻き込み、「勢い」をつけて押し出し、決勝点に向けて突撃した。とくに、「気さくな感じの小泉首相のキャラクタ-が、国民・有権者に好感を持たれた。
 ⑧公明党の全面協力が、自民党候補者の得票上積みに最大の効力を発揮した。
 ⑨靖国神社への公式参拝に苦慮する心情が、日本遺族会ばかりか靖国神社シンパの同情と共感を得た。
 ⑩国民・有権者が、久し振りに選挙を楽しむことができた。

 かたや、岡田代表の敗因は、
 ①「まさかの解散」に準備が整わず、出遅れた。
 ②「小泉劇場」に振り回された。
 ③「壺」に手を入れて、あれもこれもつかもうとして、何もつかめなかった。欲張りすぎた猿の真似をしてしまった。
 ④小泉首相の「オールイン」に圧倒され、心理的に圧迫を受け続け、自由を奪われた。
 ⑤「政権交代」を強調する余り、「欲望」が見えすぎ、「1つに賭ける覚悟」が国民に伝わらなかった。
 ⑥小選挙区比例代表制度が、つねに民主党に有利に働くものという思い込みが激しすぎた。
 ⑦投票率が上がれば、無党派層が味方し、民主党が有利に選挙戦を展開できると安易に考えすぎ、油断していた。
 ⑧小泉首相の勢いを押し返す「潮目」をつかめず、反撃の「妙案」も考えつかなかった。
 ⑨全国の国民・有権者のなかの一部に潜む「ジャスコ憎し」「イオングループ憎し」の数々の怨念が、岡田民主党への「拒否感」を招いた。
 ⑩岡田代表が「靖国神社には参拝しない」と発言し、日本遺族会や靖国神社シンパを敵に回してしまった。
 ⑪岡田代表の「生真面目すぎるキャラクタ-」が、国民・有権者に「息苦しさ」を与え、「この顔を見続けると胃潰瘍になる」かという不安感を抱かせた。
 小泉首相も岡田代表も、「織田信長」を尊敬しているという。小泉首相は、街頭演説で、
 「戦国武将の生きざまに比べれば、いまの自民党の権力闘争なんていうのは、甘っちょろいもんです」
 と絶叫していた。
 自民党を引き合いにして、民主党との権力闘争についても、同様のことを言っているふうであった。
 博徒・小泉首相からみれば、「岡田代表は、まだまだ修業が足りない」と映っているようである。民主党は、起死回生を図るべく、次期総選挙を目指して、体制の立て直しが求められる。
 これだけ自民・公明連合軍が圧勝してしまうと、これからは簡単には、解散しないであろう。任期満了は、「平成21年9月」。このころには、小泉首相は、もう政権の座にはいない。いよいよ、選挙上手の小沢一郎副代表の「出番」である。平成19年7月の参議院選挙に勝って政権取りを目指す。その総指揮を取る時がきた。いつまでも陰に隠れている場合ではない。

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