小泉首相の「郵政民営化」により中央突破し「1点突破全面展開」へと広げ、「官僚退治」をすべきだ

2005年09月07日 22時53分19秒 | 政治
自民と民主、公務員削減を巡り論戦が白熱 (読売新聞) - goo ニュース

 台風14号が日本海に抜けて、今度は、北海道を直撃しようとしている。「小泉台風」に翻弄されている野党は、二つの超弩級の台風の猛威にいまやなすすべをなくしている感がある。
 この台風14号が、中国地方、しかも「郵政民営化反対」の急先鋒・亀井静香元建設相が「小泉首相の強い風圧」を受けて奮戦中の広島6区の上空を通りすぎて、「新党大地」の本拠地を襲おうとしているのは、何やら因縁的である。台風14号の目のなかに、小泉首相の姿が見え隠れしているようにすら感じる。このまま突っ張れば、小泉首相がいかに「強運」かが証明されることになろう。
 9月7日、総選挙の投票日(11日)まであと4日、運動できる日は、3日を残すばかりとなった。
 マスコミというのは、勝手なものである。政策テーマがたくさんあるときは、「争点がはっきりしない」と論評してみたり、フォーカスを当てるほどの話題がなければ、「盛り上がらない」と嘆いてみたり、今度は、小泉首相が「郵政民営化」の一本に争点を絞って選挙戦を展開してみせると「ほかにも大事な争点があるだろう」と不満を述べてみたり、どちらにしても、言いがかりとしか思えない評論をグダグダと述べ続けている。
 しかし、小泉首相の「奇手奇略」にまんまと引っ掛かって、「小泉劇場」を盛り上げ、その御陰で、「視聴率」を取ってお祭り騒ぎをしているのも、これまたマスコミである。
 こういう言葉がある。歴史の創造者、歴史の証言者、歴史の傍観者等々。政治家が「歴史の創造者」であることは、疑う余地はない。後世の歴史家の厳しい批判に耐えられるだけのしっかりとした「平和で幸せで豊かな社会」を切り開いて欲しい。マスコミは「歴史の証言者」であると言われる。メディア媒体に歴史を刻み込む仕事をしているという点では、確かに「歴史の証言者」である。またそうであるべきである。だが、往々にして「おちゃらかし」に終始し勝ちでもある。TBS番組「ニュース23」の筑紫哲也キャスターが「多事争論」で、小泉首相の「郵政民営化」について「改革といっても郵政民営化だけが改革ではあるまい」といったような趣旨の話をし、「ほかの分野の改革」に首相が目をくれようとしていない点に不満を示していた。
 確かに、その通りかもしれない。だが、「ほかの分野の改革」というなら、具体的に何を最優先して取り組むか、取り組んで欲しいかを、明確にする必要がある。改革のテーマがはっきりしたとして一体、だれがその改革の旗を振るのかも示さなくてはならない。どうもいつものことながら、筑紫哲也キャスターの「多事争論」を聞き終わった後、いつも不満が残る。要するにいい加減なのである。 少なくとも、小泉首相は、ライフワークとも言うべき「郵政民営化」に命を賭けていることは、間違いない。首相が言うように「 郵政民営化一つができなくて、どうしてほかの改革ができるのか」ということである。「1内閣1テーマ」という言葉があるように、いかに強大な権力を持つ「総理大臣」と雖も、あれもこれも、すべてを改革できるものではない。「首相就任以来4年5か月の間、何をやってきたのか、何も成し遂げていないではないか」という批判がある。それほど改革というのは、生易しいことではないという証拠ではないか。「抵抗勢力」の抵抗が、激しかったからである。いまでも「抵抗」が根強く続けられている。
 「一罰百戒」という言葉もある。「郵政」というモンスターのような「強大な利権集団」一つを徹底的に退治できれば、そのほかの利権集団は、恐れを抱くに違いない。「造反は許さない。造反すれば厳しく処分する」という強い態度を示し、実際に「処分」を断行すれば、これが、ほかの利権集団に対して、大きな圧力になる。小泉首相は、「郵政民営化」を改革の突破口にしようとしていると見なくてはならない。「一点」に集中しているいまの段階で小泉首相に「ほかの分野の改革」を求めても、ムダである。また、全精力を「一点」に集中している自民党・公明党連合軍の攻撃を押し返そうとするなら、その何倍もの精力を注ぎ込まなくては勝ち目はない。 この意味でも筑紫哲也キャスターの論評は、いかにもインテリの「奥深さ」を漂わせながら、その実、小泉首相の足を引っ張る「後向き」の作用にしかなっていないのである。
 筑紫哲也キャスターの論評に、いつも奥歯に物が刺さったようないやな感じが残るのは、「そんなことを言うなら、筑紫さんは、一体どうすればよいと考えているのか」という気分に陥ってしまうからである。「風呂の中でオナラをするような卑怯な言い方で終わるのではなく、はっきり物を言え」と逆に抗議したい気持ちである。 「一点突破全面展開」である。好き嫌いはともかく、「郵政民営化」が成功すれば、次は「官僚制度全体の改革」へと全面展開できるはずである。ジャーナリストが「反権力」のスタイルを取らなくてはならない哀しい存在であることを承知のうえで、敢えて言うなら、筑紫哲也キャスターには、こうした前向きの論評と提案をして欲しい。

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