昨日は「石川県鉱物同好会 第6回採集会」を行いました。今年の秋の採集会です。天気は早朝は雨でしたが、昼頃には晴天になり、北陸の晩秋としては珍しく暖かい絶好の採集会日和となりました。今回は初めての能登方面に遠征となりました。参加者は遠路兵庫県宝塚市からご参加のMさんとSさん、富山県高岡市から参加のUさんご家族も加わり、総勢17名となりました。
のと里山海道の別所岳サービスエリアで全員集合し、そこからクルマ7台での大行列となりました。
そうそう、スタート前に輪島のYさんからYさんが約50年前に採集された静岡県河津鉱山産のイネス石や他にも関東方面の珍しい鉱物標本配布というサプライズがありました。Yさん、ありがとうございます。
さて、最初の採集場所は珠洲市のこぶり石の産地です。朝の雨で濡れている粘土層の中から小さなこぶり石がたくさん見つかりました。こぶり石は不思議な石です。こぶり石の面白さはその形状の多様性にあると思います。実はそれらがどのようにして出来たのかは詳しくはわかっていないのです。ただ、今回、その産状を見て、生痕化石説が有力であるという気がしました。穴が空いている筒状のこぶり石はその事を物語っているような気がします。
午前中はそこともう一か所の産地に行きました。その場所は工事現場なのですが、工事関係者の了解をもらって短時間採集しました。
その場所のこぶり石の特徴はサイズが大きい事と平板状のものが多い事です。それらを見て、今回参加のお子さんのひとりが「おおぶり石」と言いました。私はその言葉に納得しました。「おおぶり石」、言い得て妙です。子供の何気ない一言はその本質をついている事が多いものです。この産地のこぶり石は「おおぶり石」と命名して良いと思いました。
その後、恋路海岸へ移動しました。各自、昼食を兼ねて、決めた時間まで自由採集としましたが、皆さんは昼食よりも採集というひとばかりでした。恋路海岸は霰石で有名ですが、昨日はマスカット色の葡萄石と思われるものが多かったように思えます。正確に同定する為には希塩酸をかけたりして調べる必要性があると思われますが、肉眼的にはそのように思えました。特にY名誉会長が採集したものは葡萄の房のような形状をしておりました。
午後は有磯海の黒崎海岸へ移動しました。そこでは天目瑪瑙が採れる、という事で、海岸で転石を探しました。天目瑪瑙とは観賞石の世界の名前で、瑪瑙質の石の中に天目茶碗のような模様が見える石の事です。私は初めて見ましたが、濡れた表面に能登銀石(硫化瑪瑙)のような雰囲気の瑪瑙と茶色の何かの鉱物が混ざり合った模様が見えるものでした。
晩秋は日が落ちるのも早いので、16時に現地解散しました。私はK会長のクルマに乗っていましたが、同乗したベテラン採集家である二人のKさんとの車中会話も楽しいものでした。充実した良い一日になったと思います。
行いがいいから?(^○^)
こぶり石の件、筒状の鉄砲石、管石とされる
ものは明らかに棲管起源ですが、こぶり石の
方は割っても核になるものがないので、珪藻
土中のシリカがバクテリアによって固定され
た印象を受けました。
産地は以前に珠洲在住の方から聞いた様子と
は違うので、まだ産地はあると思います。
下草も枯れてきたので雪がなければまた行っ
て見ようと思います。
コメント、ありがとうございます。
そうですね!こぶり石の成因はひとつだけではないと思います。
菊花石もそうですが、それぞれ複数の成因があると思います。
決して答えはひとつだけではありません。自然は複雑だと思います。