ツイッターより。@kazglobe さんによると、
外国語教育者が集まるACTFL大会で、米・外交問題評議会のトップのスピーチが印象的。
「米国の学校では、スペイン語や仏語などのEU語はもはや20世紀の言語、過去の産物。
アメリカの若者が学ぶべき21世紀の言語は中国語、アラビア語だ。
実際にこの2ヶ国語を取る米国人生徒が急増している」
Wed Nov 24 2010 12:05:40 (Japan Standard Time) via web
この話題に関して、
「米大学の外国語履修者数、アラビア語が急増 スペイン語最多」というAFP記事で、詳細な調査データが紹介されています。
【12月10日 AFP】米国現代語学文学協会(Modern Language Association、MLA)は8日、2009年の米国の大学における外国語履修者数を発表した。
この調査は1958年から行われており、今回が22回目。語学教育を実施している全米の高等教育機関の99%にあたる2514の大学の外国語授業の登録者数を調査したもので、1人の学生が複数の授業を履修している場合もある。
これによると、前回調査が行われた2006年比で登録者の増加率がもっと大きかったのはアラビア語の46.3%だった。09年の履修者は3万5083人となり、ラテン語、ロシア語を抑えて8位に入った。
登録者が多い上位15の言語のうち、2006年比で登録者の伸びが10%を超えた言語はアラビア語のほか、朝鮮語(19.1%)、中国語(18.2%)、アメリカ手話(16.4%)、ポルトガル語(10.8%)、日本語(10.3%)だった。
登録者数のトップ3は2006年比で5.1%伸びたスペイン語が約86万5000人と最も多く、以下フランス語(約21万6000人)、ドイツ語(約9万6000人)が続いた。
(中略)
アラビア語は、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)がケニア・ナイロビ(Nairobi)とタンザニア・ダルエスサラーム(Dar-es-Salaam)の米大使館爆破事件で犯行声明を出した1998年の5500人から、米国がイラクに進攻する前年の2002年には1万584人に増え、09年には3万5000人を超えた。
なお、ちょっとふざけたイメージ調査として、日本のgooランキング「
話せるとカッコイイ外国語」で、アラビア語が見事、第8位にランクインしています。
(1)英語、(2)フランス語、(3)イタリア語、(4)ドイツ語、(5)スペイン語、(6)韓国語(個人的には朝鮮語と呼んで欲しい)、(7)中国語、(8)アラビア語、(9)その他、(10)ロシア語 の順でした。ロシア語が「その他」未満て…。その他って何だったのでしょう?
【追記 2010/12/12】「
インティファーダ NY(ニューヨーク) ~アラビア語学校開設の波紋~」という番組が、先月23日、BS1で放映されたようです。大学教育ではありませんが、アメリカ合衆国で、アラビア語による教育を行う初の公立学校開校にまつわるお話です。ツイッターで、@cozylee76 さんが、
「昨日この番組を見たん。この学校ってのが公立学校なもんだからすんごい騒動なワケ。でも通ってる生徒曰くアラビックは言語だけでアラビックカルチャーの授業はゼロなんだって。」 Wed Nov 24 2010 11:56:08 (Japan Standard Time) via web
と述べていらっしゃいました。
文化抜きの言語教育というは不自然に思いますが、残念ながら、私自身はこの番組を見ていないので、何とも言えません。