書いてるからね、アレな文でも。
動画よりやっぱ自分でやらないとね!
……あれ、目を瞑ると敵のHPゲージが見えるぞ?
とりあえずクリアできないステージがあると、武器のレベル上げに逃げるのは止めろ、自分。
やっぱり駄目なDOD。
ちょっと前に書いたAエンド派生パラレル。
ifの話の続き。
だから何で続くのかと…!!
マナとセエレ。
きっと2ではこの二人は普通に敵として登場します(笑)。
あー、オシルシが女神の罪の形って、確かどこかで見た公式設定だったはずです…。
還らぬ双星
仮初の女神マナ。
天使の教会の司教として世界を破滅に導いたその罪の償いと、最終封印女神にされた少女。
女神と成って数年、ベッドの上で激痛にのたうつ。
身体全体に浮かぶオシルシによって苦痛に苛まれる。
どうして!? どうして、どうして体中が痛いの!?
女神のオシルシってお腹だけに浮かぶものでしょう! なんで体中に浮かぶの!?
おかしいわ、どうして私がこんな辛い目に合わなきゃいけないのよ!!
マナは知らない。
教えられていない。
神にとって都合のいい、上辺だけの知識しか与えられなかった彼女は、だから知ることが無い。
オシルシとは、先代女神の犯した罪が形となったもの。
先々代女神アシラは不貞を働いたとの噂があった。
だからフリアエの腹にオシルシは出現した。
そのフリアエは実の兄に思慕を抱いていた。
女である自分を、浅ましい想いを抱いた自分を見て欲しくないと願った。
よってマナの全身にオシルシは浮かぶ。
それにより苦痛は全身いたるところを襲い、彼女は息をすることさえ出来なかった。
自分をここに幽閉した神官長はこれが償いと、罰と厳かに言うが。
そんな薄っぺらい言葉に彼女は騙されない。
己の保身が、生き延びた安堵が透けて見える。
自分の身が可愛いくせに! 女神なんて本当はどうでもいいくせに!!
他の、衛兵や侍女にしたってそうだ!
彼女には、神に与えられた力が残っていた。
人の心を読む力が。
兵士たちの彼女に対する蔑みが、侍女たちの彼女に対する罵倒が。
伝わってくる。
女神だから、だから殺さないだけで。
冷たい視線も、冷たい態度も、如実に彼女に本心を知らしめる。
畜生! 早く神殿を作りなさいよ! 痛いのよ、体中が痛いのよ!!
盗み聞いた兵士たちの話では、まだ神殿の再建はなっていない。
負荷は軽減されることなく彼女の幼い体を襲い続ける。
狭い部屋に閉じ込められて、冷たい視線に晒されて、誰にも気遣ってもらえず苦痛を押し付けられて。
そんな生活が数年。
マナの精神は限界にきていた。
どうしてこんな目に!? 私何も悪くない。だって神様が言ったんだもん。神様の言う通りにしていればお母さんに愛してもらえるはずだったのに!!
いたいいたいいたいいたいいたいいたい! 誰か助けてよ私を助けてよお母さん神様たすけてたすけてたすけて!!
醜い! 人間なんて醜い、汚い!! 神様の言った通りよ!!
にくいにくいにくいにくい、私をこんな目に合わせた奴なんて皆死んじゃえ!!
灼熱のような憎悪が湧き上がる。
今や彼女の心は憎悪に染まっていた。
憎悪の根は広がり殺意に結びつく。
殺してやる! みんなみんな殺してやる!!
確かに彼女は世界を滅ぼそうとした、だが世界を憎んでのことではなかった。
ただ母に愛されたかっただけ。
母に虐待されたときも、母を憎んだりしなかった。
愛して欲しかっただけ。
母を独り占めしていた双子の兄のことも憎んだりしなかった。
羨ましくはあった。妬む気持ちはあった。もしかしたら、嫌いだったかもしれない。
――憎しみは、無かった。
誰を憎んでいるのか。誰を殺したいのか。
聞いたところで明確に名は挙げられないだろうが、しかしそこに殺意は確かに在った。
激痛の中で悲痛の中で絶望の中で孤独の中で悲嘆の中で錯乱の中で狂気の中で憎悪の中で狂乱の中で切望の中で暗澹の中で贖罪の中で渇望の中で。
救済を求めた。慈悲を求めた。祝福を求めた。安息を求めた。
誰も、手を差し伸べてくれないことを分かっていても。
どぉん! どぉぉぉおん!!
音が聞こえた。
騒がしい音だ。
悲鳴も聞こえる。慌しい足音も。
痛みで朦朧とする意識の隅で何があったのかと、首を傾げる。
音は近付き。
がごぉん!!
粉塵を撒き散らし、壁が砕ける。
差し込む眩しさに目を細めた。
「助けに来たよ、マナ!!」
そう光の中、手を伸ばしたのは――。
「セ…エレ?」
別れた時と少しも変わらない、兄だった。
どこにいるの? 元気でいるの? 怪我してないかな? 寒くないかな? 寂しくないかな?
絶対僕が見つけてあげるから。僕が護ってあげるから。だから安心して。ねぇマナ?
セエレは双子の妹マナを思って、祈る。
帝国によって里が滅ぼされ、セエレは母によってゴーレムと契約した。
代償は時。
少年は少年の姿のまま決して成長することは無い。
セエレは、喜んだ。
絵本の『小さな勇者様』みたいだと。
幼かったが故に、その意味に気付けなかった。
もう少し、彼が大きければ、賢明であれば。
気付けたかも知れなったのに。
一人になって数年。
ゴーレムと共に彷徨って数年。
セエレの心には無数の傷が。
成長しない子供。育たない少年。
一・二年ですぐに大きくなるはずの年齢。
出会った頃と変わらぬ姿。
何処にも住み着けなかった。
面倒を見ようと言ってくれた人もいた。
一緒に暮らそうと言ってくれた人もいた。
けれど、駄目だった。
変わらぬ姿の子供は、薄気味悪いと囁くのだ。
セエレは、逃げた。
愛されて育ったセエレに愛されない生活は辛すぎた。
愛されることが当たり前だったセエレは、愛されないことが恐ろしかった。
逃げて、ゴーレムとたった二人で過ごして。
――寂しかった。
ゴーレムは優しかったが、母のような温もりは無い。
人の温もりが恋しかった。
心に穴が開いたようで、哀しかった。
夜、膝を抱えて考える。
どうしてお母さんは僕を契約者にしたんだろう?
どうしてお母さんは契約の代償を時にしたんだろう?
どうしてお母さんは子供のままでいて欲しかったんだろう?
だって、子供のままだから気味が悪いって言われた。
だって、成長しないから僕は弱いままだよ?
ねぇ、どうしてお母さん? 僕を愛していたんだよね? だったらどうして僕を…。
慌てて首を振る。
母を憎んでしまいそうだった。母の愛を疑ってしまいそうだった。
あんなに優しかったのに、そんなことはない。そんなはずは無い。
お母さんが、自分のことしか考えてないなんて、そんな…。
けれど、不安は消えず。
セエレは唐突にマナを思い出した。
いつも母に邪険されていた妹。いつも泣いていた妹。捨てられてしまった哀れな妹。
そうだ、僕はマナを探さないと!!
少年はそう思い立つ。
愛されないことに恐怖を覚える彼は、母の愛に恐怖を抱いた彼は、妹に縋った。
妹なら、きっと彼女なら、たった一人の家族である自分を受け入れてくれる!!
そうに違いないのだと、信じた。
胸に湧く希望。
きっとどこかで泣いているだろう妹を思って、心を奮い立たせる。
ゴーレムと共に様々な場所を旅する。
けれど世界は広く、たった一人はそう容易く見付からない。
諦めかけて、けれど諦めきれず。
そんな日々の中、セエレは夢を見た。
マナがどこかに閉じ込められている。泣いている。
くるしいつらいたすけて……。
弱々しく差し出された手。今にも死んでしまいそうな。
「マナ!?」
飛び起きて、少年の心には焦燥。
早く早く妹を助けてあげなくちゃ! でも、何処にいるのマナ?
悩む彼の前、現れる幻。
それは赤い影のような。
それは妹に似ているような。
手招きする。
こっちだよ。はやくきて?
マナだ! あれはマナだ!!
双子には他人には分からないシンパシーがあると聞いたことがある。
きっとこれはそうなのだ。
影の導くまま、少年はゴーレムとともに進む。
辿り着いたのは、城。
青い旗の掲げられたその城は――女神の居城。
セエレは知らない。
女神とはどんな役割なのか。
女神とはどれほど重要なのか。
小さな里で母の腕の中世界を知らず育ち、世界に放たれて人に疎まれ人を避けたが故に。
無知のままで、育ってしまった。
知らずとも生きてこれたから、知ろうともしなかった。
少年は固く誓う。
必ず妹を救い出すと。
悪者の城から姫を救い出す勇者のように。
「行くよ、ゴーレム!」
声に答え、半身は無慈悲のその拳を、振り下ろした。
数年後、世界の開放と真の救済を導くと嘯く聖女と勇者が現れる。
繋いだ手は綺麗だった。汚れなんて少しも無かった。それが正しいと誰が言う!?
動画よりやっぱ自分でやらないとね!
……あれ、目を瞑ると敵のHPゲージが見えるぞ?
とりあえずクリアできないステージがあると、武器のレベル上げに逃げるのは止めろ、自分。
やっぱり駄目なDOD。
ちょっと前に書いたAエンド派生パラレル。
ifの話の続き。
だから何で続くのかと…!!
マナとセエレ。
きっと2ではこの二人は普通に敵として登場します(笑)。
あー、オシルシが女神の罪の形って、確かどこかで見た公式設定だったはずです…。
還らぬ双星
仮初の女神マナ。
天使の教会の司教として世界を破滅に導いたその罪の償いと、最終封印女神にされた少女。
女神と成って数年、ベッドの上で激痛にのたうつ。
身体全体に浮かぶオシルシによって苦痛に苛まれる。
どうして!? どうして、どうして体中が痛いの!?
女神のオシルシってお腹だけに浮かぶものでしょう! なんで体中に浮かぶの!?
おかしいわ、どうして私がこんな辛い目に合わなきゃいけないのよ!!
マナは知らない。
教えられていない。
神にとって都合のいい、上辺だけの知識しか与えられなかった彼女は、だから知ることが無い。
オシルシとは、先代女神の犯した罪が形となったもの。
先々代女神アシラは不貞を働いたとの噂があった。
だからフリアエの腹にオシルシは出現した。
そのフリアエは実の兄に思慕を抱いていた。
女である自分を、浅ましい想いを抱いた自分を見て欲しくないと願った。
よってマナの全身にオシルシは浮かぶ。
それにより苦痛は全身いたるところを襲い、彼女は息をすることさえ出来なかった。
自分をここに幽閉した神官長はこれが償いと、罰と厳かに言うが。
そんな薄っぺらい言葉に彼女は騙されない。
己の保身が、生き延びた安堵が透けて見える。
自分の身が可愛いくせに! 女神なんて本当はどうでもいいくせに!!
他の、衛兵や侍女にしたってそうだ!
彼女には、神に与えられた力が残っていた。
人の心を読む力が。
兵士たちの彼女に対する蔑みが、侍女たちの彼女に対する罵倒が。
伝わってくる。
女神だから、だから殺さないだけで。
冷たい視線も、冷たい態度も、如実に彼女に本心を知らしめる。
畜生! 早く神殿を作りなさいよ! 痛いのよ、体中が痛いのよ!!
盗み聞いた兵士たちの話では、まだ神殿の再建はなっていない。
負荷は軽減されることなく彼女の幼い体を襲い続ける。
狭い部屋に閉じ込められて、冷たい視線に晒されて、誰にも気遣ってもらえず苦痛を押し付けられて。
そんな生活が数年。
マナの精神は限界にきていた。
どうしてこんな目に!? 私何も悪くない。だって神様が言ったんだもん。神様の言う通りにしていればお母さんに愛してもらえるはずだったのに!!
いたいいたいいたいいたいいたいいたい! 誰か助けてよ私を助けてよお母さん神様たすけてたすけてたすけて!!
醜い! 人間なんて醜い、汚い!! 神様の言った通りよ!!
にくいにくいにくいにくい、私をこんな目に合わせた奴なんて皆死んじゃえ!!
灼熱のような憎悪が湧き上がる。
今や彼女の心は憎悪に染まっていた。
憎悪の根は広がり殺意に結びつく。
殺してやる! みんなみんな殺してやる!!
確かに彼女は世界を滅ぼそうとした、だが世界を憎んでのことではなかった。
ただ母に愛されたかっただけ。
母に虐待されたときも、母を憎んだりしなかった。
愛して欲しかっただけ。
母を独り占めしていた双子の兄のことも憎んだりしなかった。
羨ましくはあった。妬む気持ちはあった。もしかしたら、嫌いだったかもしれない。
――憎しみは、無かった。
誰を憎んでいるのか。誰を殺したいのか。
聞いたところで明確に名は挙げられないだろうが、しかしそこに殺意は確かに在った。
激痛の中で悲痛の中で絶望の中で孤独の中で悲嘆の中で錯乱の中で狂気の中で憎悪の中で狂乱の中で切望の中で暗澹の中で贖罪の中で渇望の中で。
救済を求めた。慈悲を求めた。祝福を求めた。安息を求めた。
誰も、手を差し伸べてくれないことを分かっていても。
どぉん! どぉぉぉおん!!
音が聞こえた。
騒がしい音だ。
悲鳴も聞こえる。慌しい足音も。
痛みで朦朧とする意識の隅で何があったのかと、首を傾げる。
音は近付き。
がごぉん!!
粉塵を撒き散らし、壁が砕ける。
差し込む眩しさに目を細めた。
「助けに来たよ、マナ!!」
そう光の中、手を伸ばしたのは――。
「セ…エレ?」
別れた時と少しも変わらない、兄だった。
どこにいるの? 元気でいるの? 怪我してないかな? 寒くないかな? 寂しくないかな?
絶対僕が見つけてあげるから。僕が護ってあげるから。だから安心して。ねぇマナ?
セエレは双子の妹マナを思って、祈る。
帝国によって里が滅ぼされ、セエレは母によってゴーレムと契約した。
代償は時。
少年は少年の姿のまま決して成長することは無い。
セエレは、喜んだ。
絵本の『小さな勇者様』みたいだと。
幼かったが故に、その意味に気付けなかった。
もう少し、彼が大きければ、賢明であれば。
気付けたかも知れなったのに。
一人になって数年。
ゴーレムと共に彷徨って数年。
セエレの心には無数の傷が。
成長しない子供。育たない少年。
一・二年ですぐに大きくなるはずの年齢。
出会った頃と変わらぬ姿。
何処にも住み着けなかった。
面倒を見ようと言ってくれた人もいた。
一緒に暮らそうと言ってくれた人もいた。
けれど、駄目だった。
変わらぬ姿の子供は、薄気味悪いと囁くのだ。
セエレは、逃げた。
愛されて育ったセエレに愛されない生活は辛すぎた。
愛されることが当たり前だったセエレは、愛されないことが恐ろしかった。
逃げて、ゴーレムとたった二人で過ごして。
――寂しかった。
ゴーレムは優しかったが、母のような温もりは無い。
人の温もりが恋しかった。
心に穴が開いたようで、哀しかった。
夜、膝を抱えて考える。
どうしてお母さんは僕を契約者にしたんだろう?
どうしてお母さんは契約の代償を時にしたんだろう?
どうしてお母さんは子供のままでいて欲しかったんだろう?
だって、子供のままだから気味が悪いって言われた。
だって、成長しないから僕は弱いままだよ?
ねぇ、どうしてお母さん? 僕を愛していたんだよね? だったらどうして僕を…。
慌てて首を振る。
母を憎んでしまいそうだった。母の愛を疑ってしまいそうだった。
あんなに優しかったのに、そんなことはない。そんなはずは無い。
お母さんが、自分のことしか考えてないなんて、そんな…。
けれど、不安は消えず。
セエレは唐突にマナを思い出した。
いつも母に邪険されていた妹。いつも泣いていた妹。捨てられてしまった哀れな妹。
そうだ、僕はマナを探さないと!!
少年はそう思い立つ。
愛されないことに恐怖を覚える彼は、母の愛に恐怖を抱いた彼は、妹に縋った。
妹なら、きっと彼女なら、たった一人の家族である自分を受け入れてくれる!!
そうに違いないのだと、信じた。
胸に湧く希望。
きっとどこかで泣いているだろう妹を思って、心を奮い立たせる。
ゴーレムと共に様々な場所を旅する。
けれど世界は広く、たった一人はそう容易く見付からない。
諦めかけて、けれど諦めきれず。
そんな日々の中、セエレは夢を見た。
マナがどこかに閉じ込められている。泣いている。
くるしいつらいたすけて……。
弱々しく差し出された手。今にも死んでしまいそうな。
「マナ!?」
飛び起きて、少年の心には焦燥。
早く早く妹を助けてあげなくちゃ! でも、何処にいるのマナ?
悩む彼の前、現れる幻。
それは赤い影のような。
それは妹に似ているような。
手招きする。
こっちだよ。はやくきて?
マナだ! あれはマナだ!!
双子には他人には分からないシンパシーがあると聞いたことがある。
きっとこれはそうなのだ。
影の導くまま、少年はゴーレムとともに進む。
辿り着いたのは、城。
青い旗の掲げられたその城は――女神の居城。
セエレは知らない。
女神とはどんな役割なのか。
女神とはどれほど重要なのか。
小さな里で母の腕の中世界を知らず育ち、世界に放たれて人に疎まれ人を避けたが故に。
無知のままで、育ってしまった。
知らずとも生きてこれたから、知ろうともしなかった。
少年は固く誓う。
必ず妹を救い出すと。
悪者の城から姫を救い出す勇者のように。
「行くよ、ゴーレム!」
声に答え、半身は無慈悲のその拳を、振り下ろした。
数年後、世界の開放と真の救済を導くと嘯く聖女と勇者が現れる。
繋いだ手は綺麗だった。汚れなんて少しも無かった。それが正しいと誰が言う!?
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