参加者の感想 - NPO法人 ナショナルトラストチコロナイ

NPO法人 ナショナルトラストチコロナイ

広く募金活動を行い、寄付金で山林を買い取り、また山林所有者と保全契約を結び、森林回復の活動を行います。

参加者の感想

2014-07-06 21:19:30 | Weblog

『ナショナルトラスト・チコロナイの植林に参加して』

  今回の植林作業に参加して一番印象深かったことは貝澤会長ご一家の果たされている役割でした。2014年5月4日・5日の全てのプログラムの段取り、参加者の受け入れ(宿泊/集会施設、調理・食事施設、水、電気、寝具、食器類、作業用道具類、駐車場スペース等物質的な面と、それらの維持管理を含めて)、前日に行われていた監査作業や総会開催はもちろんのこと、組織運営上の様々な責任と気遣い、活動を継続する意志の強さ、人間的魅力、等々。5月4日朝、作業開始前に会長からの仕事の割り振りの説明を聞きながら、「仕事をかまえるのもまた仕事じゃからのぅ」という徳島県木頭村のダム建設計画反対運動の住民リーダー田村好さんの言葉を思い出していました。

 私が貝澤会長に初めてお目にかかったのは2000年8月、建設省の細川内ダム建設計画に村長、村議会、村民の大半が絶対反対していた木頭村(現那賀町木頭)においてでした。当時の私の指導教員、丸山博先生(室蘭工業大学名誉教授/スウェーデン・ウプサラ大学客員教授)が貝澤会長の講演会を木頭村でおこなうことを企画し、丸山研究室の夏の合宿で木頭村に滞在していた私は幸運なことに会長のお話を伺う機会を得ました。そこで会長は二風谷ダム裁判で原告として国家権力と闘って得られたご自身の経験に基づく考察とアイヌ民族が先住民族として認められた判決の意義についてお話しされていました。当時ダム反対村長として全国紙にたびたび登場していた藤田恵さんや、1971年のダム計画当初からダム反対運動住民リーダーで当時村会議員だった前述の田村さんをはじめ、ダムに反対する村民の方たちが大勢いらして貝澤会長の話に耳を傾けておられた光景を、私はカメラ係として記録しました。

 

 チコロナイでの植林作業一日目の5月4日の早朝、私は初めて実家のある十勝清水から二風谷へ自らが運転する車で参りました。これまで二風谷を訪れたことは何度かありましたが、いずれも室蘭か札幌から当時の私のもう一人の指導教員でナショナルトラスト・チコロナイ監査役、室蘭工業大学准教授・松名隆先生が運転する車での移動でした。長い間海外での滞在を何度か繰り返した末、この日ようやく私は自らの故郷から直接二風谷に来ることができたのです。(しかも移動距離はわずか115㎞です。)実家から30㎞ほどのところに日勝峠があります。峠を越えると間もなく道のわきに流れる川が「沙流川」であることを示す看板を目にし、私は驚きました。これまで二風谷ダムと現在建設中の平取ダムの位置を示す沙流川流域の地図を何度か目にしてその位置関係をぼんやりと把握していましたが、このときはじめて私の実家付近を通る国道274号線が日高町本町にて二風谷へと続く国道237号線に合流すること、そのため日勝峠を越えると二風谷までほぼずっと沙流川に沿っての移動となることを知りました。また初めて目にする沙流川上流部から二風谷にかけての山並みと川の景観には1時間ほどの運転があっという間に感じられる面白さがありました。特にこの日はコブシのオフホワイトと五~七分咲きだった桜の薄いピンク色が所々山並みを彩っており、沙流川沿い固有の春の景観の美しさを堪能させていただきました。

  5月4日、貝澤会長が役割分担を発表した後、私は苗畑での作業を選びました。それは、チコロナイに自生する樹木の種から育てられた苗を苗畑から一旦すべて抜き、その中から今回の植林用にするためにある程度大きな苗とそれ以外の小さな苗を選別し、会長のご長男太一さんがトラクターで畑の土を掘り起こし整地した後、再び小さな苗を植え戻し、水を撒く、という内容でした。作業は子どもさんたちも一緒で、休憩時間には近くの沢でヨモギを摘んだりイタドリを味わったり、作業中も他の参加者の方たちとお話したりと、終始和やかな雰囲気でした。昼食は、植林作業地付近の見晴らしの良いところへ移動し、前日からしこまれた手の込んだお弁当をいただきました。夕食のメインは揚げたてのコロッケ。入浴はご近所の平取温泉。総会の後はトンコリコンサート。5月5日午前中は貝澤会長から山菜の種類を教えていただき、来年も再び採れるように残すということを学びました。お昼はとれたての山菜の天ぷらと貝澤会長が育てたソバとご飯。その後は自由解散となり、私は調理スペースの掃除を終えた後十勝清水へと帰りました。

  今改めて5月4・5両日の光景を一つ一つ思い浮かべると多くのことが凝縮されていながら、ゆったりとした時間の流れを感じることができた、不思議な二日間であったと思います。それはひとえに会長の奥様の美和子さんの内助の功と地元の皆様のご尽力があってのことだと確信しています。どうもありがとうございました。 田中


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