「人間は一人で大きくなったのではない。会社もまた一人で大きくなったのではない。あわただしい日々の中にも、ときに過去を振り返って、世と人の多くの恵みに感謝する心をお互いに持ちたい。その心こそが明日の歩みの真の力になるだろう」。松下幸之助氏の一文である。10歳で丁稚奉公となり、様々な試練を経ながら大を成した人の言葉には、胸を打つ響きがある。知恩報恩の大事さを改めて教えてくれる言葉である。 . . . 本文を読む
日本軍は大正3年(1914)9月2日から行動を起こし、10月14日にドイツの青島(チンタオ)要塞を占領した。ところが、袁世凱の中国政府は、日本軍の撤退を求めた。ドイツが支配していた地域を日本が戦時において武力占領した。そうしたら「帰ってくれ」というわけだから、当然帰るについての外交折衝が生じる。この時、大隈(重信)内閣の加藤高明(たかあき)外相が出した提案は、5項目であった。 . . . 本文を読む
今は核を持たない国は、自分の国の平和を守るためには、なにごとであれ我慢せざるを得ない。自国の平和が欲しいがために、核保有国の意のままに処さなければならない。核大国はそれをいいことにして勝手な行動をしているわけですが、言い換えれば平和という概念が武器に使われていることに等しいのです。不戦条約が武器に使われていると言い換えてもいいでしょう。 . . . 本文を読む
「侵略」の概念についてここで一言申し上げておきます。侵略という言葉は漢語に訳されたときに、致命的な誤解が生じました。英語ではAggression/Aggressive war。ドイツ語ではAngriff/Angriffskriegですが、どちらも攻撃ないし攻撃戦争ということです。しかし攻撃といっても「予告なき先制攻撃(Aggression without assault)という意味合いが付いていて、先制攻撃をした戦争という概念にすぎません。 . . . 本文を読む
戦後久しく、アメリカで最も尊敬された婦人は疑いもなく、フランクリン・ルーズベルト大統領夫人エリナ・ルーズベルトであったと思う。ルーズベルトのあとを継いだトルーマン大統領は彼女を国連代表に送ったが、ここで彼女は人権委員会の議長をしていた。そして国連の世界人権宣言が加盟諸国に拘束力を持つようにしようと努力した。その影響力は大きく、彼女の知力も抜群であったことはたしかである。そして人権宣言の内容自体はまことに立派なものであって、誰も文句のつけようがない。
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事実、『万葉集』の時代にはわずか0.3%だった漢語の混入率が現代ではむしろ増えて45%になっているという。まさに漢語が自分のものになりきっている証拠で、『万葉集』の時代には外国の文字であり、外国語というものを意識しているために、漢語の侵入を恐れ、防いでいる。今のわれわれはまったく外国語としてこれを意識していなから、増やすも減らすも自分たちの意のままである。 . . . 本文を読む
【小川】 公の財産=国民の財産である電波をタダ同様で仕入れておいて、一方で高額な広告料をスポンサーに要求し、下請けには低賃金で制作させる。のべつまくなしに悪口言いたいわけじゃないけど、どうも人も羨む「悪徳商法」と言う他ないな。 . . . 本文を読む
H28.06.30
大理石のかたまりを選び、不必要な部分はすべて削り落とす
( オーギュスト・ロダン )
I choose a block of marble and chop off whatever I don't need.
( Auguste Rodin )
H28.06.29
イデオロギーが人を分断する
夢と苦悩が人を団結させる
( ウジェーヌ・イヨネスコ )
Ideologies . . . 本文を読む
男性原理の典型的現れである「武」ですら女が自由に参加できる時代とは、どういうものであるだろうか。「男らしさ」とか「女らしさ」とかの代わりに、「人間らしさ」だけが問題になるのである。最近もウーマン・リブ運動の女性たちと話し合う機会があったが、その主張を簡単に言えば、やはり「男とか女とか言う前に、人間として」ということであった。そして、それが説得力を持つような客観的な条件が次第に整ってきているように思われる。 . . . 本文を読む
少し前の話で恐縮だが、元外交官で立命館大客員教授の宮家邦彦氏が2016年4月14日付産経新聞朝刊に寄せた「ジャーナリズムの本質とは」と題したコラムを取り上げたい報道の目的とあり方についての考察に、深くうなずけたからである。宮家氏は、朝日新聞の記事中で、あるニュースキャスターがジャーナリズムの最大の役割を「権力を監視する番犬『ウオッチドッグ』であること」と述べていたことに「強い違和感」を表明する。 . . . 本文を読む