母は非常に恵まれた家庭の娘として育ち、おっとりとした性格でしたが、ときに厳しく息子たちをしかりました。当時は中学校を出てすぐに働く子供が珍しくありませんでしたが、そんな子供たちを見下すような態度を母は絶対にしません。動物をいじめることも厳しく禁じました。 . . . 本文を読む
「りそなが公的資金注入を申請」という新聞記事は目にしていましたが、銀行経営は大変だなとという感想を抱いた程度でした。そんな折にウシオ電機会長の牛尾治朗さんから食事に誘われましたが、経営危機に陥っている運輸系の会社の経営についてアドバイスを求めるのかなと想像していました。りそなのトップ就任を要請されたときは本当に驚きました。 . . . 本文を読む
生涯最後の彫刻作品となった裸婦像の除幕式からしばらくして光太郎は日本芸術院から会員として推薦されたが、即座に辞退する。一体、なにがあったのか。芸術院第一部(美術)会員ではなく、第二部(文芸)会員として推薦されたことに立腹したといわれる。芸術院が自分を彫刻家ではなくて詩人として迎え入れようとしたことにひとくプライドを傷つけられたらしい。 . . . 本文を読む
1931年に満州事変が起こると、中央公論社からの久しぶりの依頼を受けて、吉野作造は病気を押して事変を論じた。この論文、「民族と階級と戦争」は、満州事変が侵略以外ではありえないことを徹底的に明らかにし、かつ、それまで軍部に批判的だったメディアや無産政党が事変を賛美していることを厳しく批判したものである。 . . . 本文を読む
書籍の内容をネット経由で検索・閲覧できる米グーグル「グーグル・ブックス」に対する論争が起きている。数百万冊の書籍をパソコンで読める便利さが評価される一方、「独占を招く」との批判も高まっている。ネット情報の「グーグル集中」をどこまで許すのか。議論をひもとくとこんな争点が浮かび上がる。 . . . 本文を読む
産業にとって、特許を含む知的財産権は大切である。本来の特許制度の精神は、「補償」にあって。最初に発明する人や企業はリスクの高い投資をするので、実用化後の一定期間、特許報酬で補償する。従って、発明者が特許報酬に必要以上に固執することは、特許制度の精神に反する。 . . . 本文を読む
製鉄の過程でできる「鉄鋼スラグ」を活用して海に鉄分を供給し、海藻の成長を促すモデル事業が、10月から北海道伊達市や寿都町の沿岸で始まる。新日本製鉄室蘭製鉄所(室蘭市)が北海道大学や地元漁協、自治体などと共同で実施。“海の森”を再生して二酸化炭素(CO2)を削減し、地球温暖化対策としての確立を目指す。 . . . 本文を読む
目をつむればいつでも智恵子がわきにいてくれて、智恵子が死んでから殊に僕にとって普遍的な存在となって、道を歩いていても、炊事をしていても、飯を食べていても、詩をかいていても、いつもわが身はなれずそばにいてくれるのです。 . . . 本文を読む
どんなに処理能力が高いコンピューターでも盗聴や解読ができない「電子暗号」という通信技術の実現が近づいてきた。NTTは短距離ながら実用レベルの高速通信に成功。三菱電機は屋外でも安定して暗号をやり取りする送信技術を開発した。高度な情報管理が求められる政府や金融機関など向けに2010年代前半の市場投入を狙う。 . . . 本文を読む
自然のなかを友達と走り回ったり、身体を直接ぶつけあう実体験によって、意識下の働きはしっかりと育(はぐく)まれる。こんなあたりまえのことこそ、今、必要とされる教育の第一ステップであろう。 . . . 本文を読む
経済危機と不良債権問題への対処。構造改革と格差問題。中国、インドなど新興市場へ活路を求める動き……。日本に比べ経済規模の小さい韓国で、まずグローバル化の影響が顕在化するのだという。 . . . 本文を読む
1999年、国立公文書館において東京裁判(A級)とBC級裁判の資料群が公開された。その一部は今回、本紙の「BC級戦犯裁判 証言を読む」で紹介されたが、担当記者の苦労は並大抵ではなかったようだ。2000件以上に及ぶ案件の索引簿(「概見表」)で見当をつけるが、被告や関連する人名のすべて(ときには1ページに40人)が黒塗りされているからだ。 . . . 本文を読む
資源小国の日本の試算は技術と人、そして国土です。しかし、この3つに集中的な投資がされていない。日本の農地は国土の12.5%。ドイツの48%、英国の70%など他の先進国に比べて圧倒的に少ない。そのうえ全国の耕作放棄地は埼玉県に匹敵する広さです。限られた資産を放棄していいはずはありません。 . . . 本文を読む
山林の中腹に盛られた落ち葉や枯れ草がからんだ土の山。トタン板をつなげた滑り台で10㍍ほど下の林道沿いまで落としていく。京都市左京区の山中。「京都にマツタケが生える里山の復活を」と活動する市民グループ「まつたけ十字軍」(吉村文彦代表)の作業現場だ。 . . . 本文を読む