若者たち一人ひとりが自らの「夢」を抱き、その達成すなわち自己実現を目指すことこそが、これからの「立身」なのだが、多くの若者が「夢」を見いだせないまま、途方に暮れて進路選択に悩んでいるのが偽らざる実状である。 . . . 本文を読む
先日、詩人・永瀬清子の出身地、岡山県赤磐市で「永瀬清子の詩の世界」というイベントに参加した。会場の全員で永瀬清子の詩を群読する場面をという声もあったが、ご一緒だった谷川俊太郎さんも、永瀬さんの詩は現代文のものが多く、群読には向かないというご意見だった。そこで代わりに谷川さんのリズミカルなことば遊びの詩、いるかの詩を全員で読んだ。 . . . 本文を読む
孔明が何よりも悔しいと思ったのは、自ら著した『将苑(しょうえん)』の中に、「人を見る明」の一項目を設けたほど、人物を洞察することに自信をもっていたのに、その眼力が全くなかったことを思いしらされたことであった。〈馬謖の華麗な才気に眩惑(げんわく)されて起用したのが間違いのもとであった〉孔明は、今さらながらに劉備の一言を思い出して身をさいなんだ。 . . . 本文を読む
実は、カーライルが心血をしぼって書きあげ、ミルに手渡しておいた『フランス革命史』の最初の1巻分の原稿を、テーラー夫人の不始末で紛失してしまった。どうも間違って暖炉にくべてしまったらしいということだった。カーライルが5カ月間、全生活をかけ、寝食を忘れて、書きつづけた辛苦の結実を、こともあろうにテーラー夫人の不注意で一瞬にして灰にされてしまったのだ。 . . . 本文を読む
国語の授業を三浦利三郎先生は「万葉集から始めた。「よく聞きなさい」と言って、「籠(こ)もよ み籠持ち 掘串(ふくし)もよ み掘串持ち」と読み、漢字や難しい言葉を黒板に書く。「書きなさい」ともう一度読み上げる。我々は一生懸命書き取る。先生はもう一度読み上げ、ちゃんと書き取ったか確かめさせた後、言葉の意味や、歌の解釈などさまざまな話を付け加えてくださった。 . . . 本文を読む
「いのちの授業」をするとき、「あなたの名前を、お父さんお母さんがどんな思いでつけてくれたか知っていますか?」と質問します。この質問に、小学生も中学生も、半分以上は知らないと答えます。 . . . 本文を読む
帰国する前日、マリオさんはテーブルに大小様々なビンを並べ始めた。マリオさんの商売道具、スリランカ料理のスパイスだった。マリオさんはまず、鶏肉をヨーグルトに漬け込んだ。部屋の隅で見守る私に、マリオさんはウインクした。スパイスを混ぜると、ヨーグルトが黄色に変わっていく。フライパンで焼くと、複雑なスパイスの香りが立ちのぼった。マリオさんの体にも染み付いている、異国の匂いだった。 . . . 本文を読む
久留米出身のブリヂストンタイヤ創業者の石橋正二郎氏は、草履(ぞうり)の裏にゴムを張って長持ちさせるアイデアから始め、タイヤ事業を手掛け、巨万の財を築いた。その財で久留米に博物館、市役所、公園を提供するなど、世のため人のために尽くし、今日でも地元の人々に感謝されています。企業は、株主だけのものでなく、従業員、顧客、地域のものであり、社会の公器です。 . . . 本文を読む
バンク・オブ・アメリカに買収されたメリルリンチ証券のトップだったジョン・セイン氏が、執務室のゴミ箱に千4百㌦も支払っていたことが暴露され、ウォール街の非常識の象徴としてバッシングされた。執務室の改装費にも120万㌦使っており、経営状態からみて不適切な出費だったとして謝罪し全額自腹で会社に戻し入れたという。 . . . 本文を読む
線条体には「直感」を生む働きもあることが明らかになりました。「直感」と「ひらめき」はよく混同される言葉ですが、まったく別のものです。直感は説明がつかないのに対し、ひらめきの理由は説明可能です。これは、ひらめきが大脳皮質という論理的思考をつかさどる部位の働きによってもたらされるものだからです。 . . . 本文を読む
企業は四半期と四半世紀の投資判断を組み合わせ、危機を乗り越える成長シナリオをどう描いていくか。金融と産業は実体経済を浮揚させる新しい二人三脚の関係を築けるか。次の百年を決める壮大な実験が始まる。 . . . 本文を読む
過去十年の成功体験は個人も企業も金融機関もレバレッジを高めてそれを住宅投資や自動車消費につぎ込み、さらに金融が一層のレバレッジにより自己増殖することだった。そうしたレバレッジ拡大を推奨すべく、企業は自己資本比率(ROE)を重視し、個人にもインセンティブ報酬体系が作られた。 . . . 本文を読む
以前、私の知り合いが全国の約2百の市町村の小中学校でアンケート調査をしました。質問はたった一つ、「あなたはこの町が好きですか」だけです。①好き、②嫌い、③分からない、この三つの選択肢から選ぶのですが、8割が「③分からない」を選び、残りはほとんどが「②嫌い」をマークしたというんですよ。 . . . 本文を読む
一つの業態には寿命がある。やがてコロラドという業態の寿命が尽きた時に、オーナーの方々に「次はどうしたらいいんですか」と問われた時「私は分かりません」などと無責任なことは言えない。次の時代に来るものを今のうちに見極めなければいけないという焦燥感があった。その時、取引先の生豆商社が欧州に焙煎業や喫茶業を勉強に行くツアーを企画してくれた。 . . . 本文を読む