電脳筆写『 心超臨界 』

もっとも残酷な嘘の多くは沈黙の中で語られる
( ロバート・ルイス・スティーブンソン )

不都合な真実 《 自衛隊と政治と裁判の醜い関係――高山正之 》

2024-12-14 | 05-真相・背景・経緯
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自衛艦は軍艦じゃないというのが朝日新聞辺りの主張で、だから一般の船と同じに扱われた。「なだしお」はその蔑(さげす)みに堪え、このときも右から来た釣り船に道を譲った。2千トンの潜水艦が150トンの船のために右回頭したのだ。ところが釣り船がまさかの左回頭をした。航行ルールを破って衝突した。釣り船の一方的な過失だ。しかし横浜地裁の杉山忠雄は事実とは逆に自衛艦の過失だと断じた。


◆自衛隊と政治と裁判の醜い関係

『日本よ、カダフィ大佐に学べ』
( 高山正之、新潮社 (2012/9/18)、p91 )

ロドニー・キングは友人宅で酒を飲み、興奮剤「天使の粉」をやってから真夜中のロサンゼルスのフリーウエーをぶっ飛ばしていた。

いま捕まったら強盗障害事件の仮釈放がパーになると思った瞬間、背後に赤い回転灯が迫ってきた。

キングはアクセルを踏み込む。速度計は190キロを示し、ちゃちな韓国製の車は家鳴りを始め、同乗の仲間は「俺たちを殺す気か」と悲鳴を上げた。

彼はそれでも小1時間逃げ回ってレイクビュー・テラスで捕まった。三浦和義の最初の犠牲者といわれる白石千鶴子の遺体が見つかったところだ。

彼はここで警官に抵抗する。二度スタンガンを食らいながらなお殴り掛っていった。痛みも恐怖も感じない。それが「天使の粉」の薬効だった。

警官は恐怖し、それでビデオ映像で知られる「白人警官による黒人の袋叩き」が始まった。

映像は世界に流れ、人種差別なんてないと嘯(うそぶ)いていた米国はしょうがない、警官たちを裁判にかけた。

が、こういう展開だったから警官に落ち度はなかったと陪審員は無罪を評決し、怒った黒人があのロス暴動を引き起こした。

このとき米国は親父ブッシュの再選をかけた大統領選のさ中だった。

事実はともかく国人差別に見える裁判結果は黒人票を逃がす。親父は連邦裁判所に裁判をやり直して白人警官を有罪にしろと命じた。

米国は欧州が宗教改革で騒いでいたころ移ってきた連中で造られた国だ。

だから意識は中世のまま。奴隷制に疑問も持たず、黒人を買い込み、欧州で廃れた魔女狩りもここでは18世紀まで流行った。

三権分立もあやふや。大統領が命じれば一事不再理も消し飛んで、同じ罪で裁判が公然と行われてきた。

かくて白人警官は連邦法で有罪にされた。

このころロサンゼルスにいて米国の後進性を笑ったものだが、同じ年、日本でもみっともない裁判があった。

東京湾で海自の潜水艦「なだしお」が釣り船とぶつかった事故の裁判だ。

自衛艦は軍艦じゃないというのが朝日新聞辺りの主張で、だから一般の船と同じに扱われた。「なだしお」はその蔑(さげす)みに堪え、このときも右から来た釣り船に道を譲った。2千トンの潜水艦が150トンの船のために右回頭したのだ。

ところが釣り船がまさかの左回頭をした。航行ルールを破って衝突した。釣り船の一方的な過失だ。

しかし横浜地裁の杉山忠雄は事実とは逆に自衛艦の過失だと断じた。

彼は司法修習時代、朝日新聞で研修した。それで朝日に迎合する生き方を学んだ。いまどき自衛隊に味方したら変人扱いされる。出世にも響くというのが彼の心情だろう。

実際、朝日の主張通りあの沖縄・慶良間の守備隊長が住民に集団自決を命じたと大嘘を書いた大江健三郎を最高裁は無罪にした。

その「なだしお」事故から20年。今度は房総沖で5千トンの護衛艦「あたご」に7トンの漁船がぶつかって漁師親子が死んだ。

護衛艦は自転車ほどの速度で航行していた。漁船は仲間の無線交信にも沈黙したまま艦にぶつかっていった。自動操舵にして居眠りしていたと推測された。

しかし朝日は端から「自衛艦が悪い」論調で、編集委員の早野透は「漁船を沈めてなにが国防だ」と下品な悪態をつき続けた。

漁師の身内も朝日に乗せられ自衛艦を非難したが、でも船の航跡があきらかになる操舵室の引き揚げが始まると「そのままにしておいて」と拒んだ。居眠り操舵だとか具合の悪い証拠が見つかるとでも思ったのか。

裁判はまた横浜地裁がやったが、判決は「むしろ漁船に回避義務があり自衛艦に落ち度はない」というごくまともなものだった。

大江無罪のすぐあとだ。司法がまともになったと俄かには思えない。

震災復興に尽力する自衛隊を怒らせるなと仙石が命じたのか。

背景は気色悪いが、久しぶりにいい判決だった。

(2011年5月26日号)
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