海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

墜落、部品落下をくり返すオスプレイを展示する市民だまし。

2018-03-23 23:58:55 | 米軍・自衛隊・基地問題

 23日(金)は午前中カヌー10艇、午後12艇が、抗議船3隻とともに海上行動を行った。この日はK3護岸では被覆ブロックの設置、K4護岸では捨て石の投下が行われていた。

 工事現場を囲む大型オイルフェンスの内と外で、海上保安庁のゴムボートが弾圧態勢を敷いている。天皇来沖のためにゲート前では機動隊が手薄となり、資材搬入が大幅に減少している。このことが示すように機動隊や海保といった国家の暴力装置が、市民を弾圧しなければ進められない工事なのだ。

 カヌーチームはこの日も、K3護岸工事を中心に抗議行動を行った。オイルフェンスにカヌーをあげた段階で海保のゴムボートが近づき、カヌーを押さえにかかる。少しでも中に入ればすぐに拘束する。とても厳しい状況だが、実際に工事が行われている現場で抗議するのは重要なことだ。

 カヌーに乗るには練習が必要だが、船からの抗議は事前に申し込めば、すぐにも可能だ。船からはマイクを使い、作業員に向かって思いを訴えることもできる。ゲート前の座り込みが休みとなっている今、ぜひ海の方で抗議してほしい。

 ゲートから資材搬入がないから工事が止まっている、と思ったら大きな間違いなのだ。事前に運び込んだ石材を使って、あるいはすでに作っておいた被覆ブロックを使って、護岸工事は着々と進んでいる。船に乗ってこういう現場を自分の目で確かめ、友人・知人に伝えて辺野古に行こうと誘ってほしい。

 午後は最初に抗議船で曳航してもらい、カヌーチームはK4護岸に移動して抗議行動を行った。海保のゴムボートも集団で移動してきたが、十数艇の黒い船体が連なって走る様は異様だった。

 キャンプ・シュワブでは土日にフェスティバルが行われるということで、K4護岸の向こう側に見えるフェスティバル会場にMV-22オスプレイが展示されているのが見えた。県内で墜落や部品落下などの事故をくり返しているオスプレイを市民に公開して、安全性を宣伝するつもりだろう。

 今は宣撫工作という言葉もあまり聞かなくなったが、どこの国の軍隊も支配地域で、甘い言葉を弄して住民をだまし、協力を得ようとする。しかし、頻発する事故の現実が基地と軍隊の危険をさらけ出す。普天間から辺野古へ、基地を圏内でたらい回ししても、何の問題解決にもならない。米軍にとっては自分たちの訓練が第一で、県民の命や生活など二の次なのだ。

 オイルフェンスの向こう側に見える根固め用袋材が並べられた場所は、仮設道路の建設工事現場である。先端部のクレーン車は依然として撤去されたままだ。護岸工事が進む一方で、仮設道路をK1護岸側に伸ばす工事は3月に入って止まっている。稀少サンゴを移植するための採捕許可が無効となっているため、沖縄防衛局は工事を進めることができていない。

 翁長知事・県当局が自らの権限を駆使すれば、このように工事を止めることができるのだ。沖縄防衛局は3月20日に稀少サンゴを移植するための「特別採捕許可」を県に再申請している。移植したらそこでサンゴが生きるかのように偽り、サンゴが生息している海の環境を破壊する。翁長知事・県当局はこういう欺瞞を許してはならない。

 この場所の仮設道路の工事が現在止まっていることを、どれだけの人が知っているだろうか。こういう事実もぜひ海に出て確認してほしい。この状況を継続させ、各工事現場に広げていく努力が必要だ。


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