あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

ロジャー・ダルトリー来日公演終了②

2012年04月30日 | ライヴ
【ロジャー・ダルトリーのブルース】
以前は彼の歌唱からは全然ブルース・フィーリングを感じなかったが・・・・。
今回、フロントの3人がスツールに座ってアコギのギターフレーズを弾き始めた時は
少し驚きつつ、それが「マニッシュボーイ(アイム・ア・マン)」で、それをまたダルトリーさんが見事に歌い上げたのに2度ビックリ。



ホント、The Whoの頃「R&Bやブルースの影響を受けた楽曲でデビュー」と
言われても全然ピンと来なかったし(カヴァーこそ演奏してたが)、M・ジャガーやV・モリソンやS・ウィンウッドやR・スチュワートやS・マリオットに較べて「黒っぽさ」で劣る事を自覚したからこそ
「Tommy」で新たな展開に歩み出た・・・と思っていたので、今回の「黒っぽい」演奏と歌唱には考えを改める必要ありか・・・と感じさせられた次第。

ロッキンオンのインタビューでも
「Tommy以前のオレはR&Bやブルースのシンガーだったしな」と自信マンマンに語ってますし。



【チケット売れ行き】
芳しくない・・・のはホント残念だったが、
買って観に来た人はホントに本当にロジャーとThe Whoのファン。
1曲目から彼らはほぼ総立ち。えらい盛り上がり。
彼らと一緒にノる事が出来たので本望。

UDOさんも色々言われているが、追加公演用の会場を押さえてたかも知れないし
客入りの予想も難しいし・・・で呼ぶ方も難易度が高かったと思います。
ここは「よくぞ呼んでくれた」と感謝。

しかし、早々にネット予約した私に2階席のチケットを送りつけてきたのは
どういう事か!

他の人のブログで「ザ・フーってバンドのボーカリストの招待席が当って、
観に行ったら期待したより面白かったです」みたいな記事を見て
複雑な気分になりましたよ・・・。

ダルトリーさんには「よく来てくれました」の一言。
なんど感謝の言葉を述べても足りません。



【そしてTOMMY】
英語圏の人でも理解不能なストーリー。
なんだか良く分からない。

でも、そういうのが良い。
ピート・タウンゼント独特(?)の「自分との向き合い」「自分と他者との関わり」といった現代社会の普遍的テーマ。

解釈も様々で自由。
トミーが三重苦に陥った理由も、「戦争から帰った父を母の愛人が殺したのを目撃したショックで」「戦争から帰った父が母の愛人を殺したのを目撃したショックで」・・・と映画とアルバムの解釈は正反対。
母親から「あなたは何も見なかった聞かなかった。誰にも言わないで」と言われ、その通りになってしまったトミー。



「ガラス壊したら治っちゃうの?」とミラクル・キュアーを安直と感じつつ、
救世主のように崇められ、勝手に引き摺り降ろされるトミーに「ああ、そのまま救世主で収めずに一人の人間として再出発させるのか」と、ピートのストーリーテリングに感じ入る。
※映画版でも、そのシーンで見せるダルトリーさんの笑顔が眩しく、素晴らしかった。

解釈自由ってのが落語みたいでイイねぇ。
「たがや」なんて最後に刀で切られた首が上空に上がって「いよっ、たが~や~」って言われるのは演者によって「武家」か「たがや」か、まるで逆だもんね。

不条理アリ。
物語に程よいイリュージョンは必要、よいスパイス。
そんな感じで楽しめます。


【やっぱり「ピンボールの魔術師」はイイ曲】
畳み掛ける歌詞の情報量の多さに私のような日本人は圧倒され、引いてしまってたが
やっぱりイイ曲だ。

ピート・タウンゼントはエンディングをアッサリ終わらせるが、今回のアレンジはタメも作ってギターも轟音で盛り上げて終了。
こっちの終わり方もイイと思った。


【今後】
もう少ししたらThe Whoも結成50周年(!)、記念イベントにも期待したいトコロです。



ピートの耳に問題があるのなら、またアコギ抱えてアクションして貰い、大音量のハードロックギターはステージ左にサポートギタリストを配置すれば良いと思う。
ドラムはザックで。
ベースは、いっそクリス・スクワイアで!!(今回のYes公演で、「やはりエントウィッスル直系のスーパー・ベーシストだ!」と実感しました。

ロジャー・ダルトリー来日公演終了①

2012年04月30日 | ライヴ
無事終わり。
当初は時差ボケもあったようだが、横浜あたりで調子が出た模様。

いや~、よく来てくれました。
68歳で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

以下、追加の感想など。



【ツアーメンバー】
達者な感じながら目立とうとしない好感持てるプレイヤーでした。
でも見せ場も与えられ、キーボーディストはラグタイム風のピアノを披露したりもしてました。

日本語が達者なFrank Simiesは、日本に住んでいた事もある人だとか。
それでも日本語が少し怪くなるシーンもありましたが、エントウィッスルさんの声が低くなったエピソードの和訳は何とも言えない間で良かったです。

「以前は高い声でした」
「ガールフレンドと遊びに行きました」
「帰って来たら(サマータイムブルースの語りみたいな)低い声になってました」
観客「・・・・・・で?」
ロジャー「ワハハ、オマエどんな訳したんだ?」
観客「・・・いや、アンタそのまんまのコト言ってたじゃん」

しかし
ベテランバンドのサポートで参加したメンバーを「若造」だと思っていたら、じつは40代~50代なんて事も増えましたねぇ。
ザックも40代、先日のクラプトン・ウィンウッドのメンバーも50代・・・。



【日本でのThe Who評】
日本では長らく低かったWhoやロジャーの評価だが。
ネオモッズの影響で、むしろ若い方に人気があるのかも。

映画「さらば青春の光(Quadrophenia)」は青春映画として一部で話題になったし。
日本でもモッズパーカー着てヴェスパを駆る若者が毎年「モッズメーデー」にツーリングやってるし。

私はというと再映の「ウッドストック」で、その派手なステージアクションに目を奪われたクチで。



「サマータイムブルース」での決めジャンプ、ピートの腕ブン回し、ロジャーのマイクぶん回しと翻るフリンジ、キース・ムーンのワイルドなドラムに圧倒されるも
やはり、趣味は分かり易くカッコいいリフを作るブリティッシュハードロックへ・・・。

パープル・ツェッペリンのファンが多いオールド・ファンは、長尺のソロが無いThe Whoはピンと来なかったと思われ。
知人の元ギタリストは、ウッドストックでもジミヘンやテン・イヤーズ・アフターのアルビン・リー(g)を印象深く語っていた。
※テン・イヤーズ・アフターに至ってはベーシストの激しいアクションも凄かったし。

「ハードロックの元祖」としてもクリームを先に挙げる洋楽ファンが多い。

ただし、時代を経て「長々としたギターソロやドラムソロ、ベースソロ(!)がタルい」となると
The Whoのファンは「彼らはそんな事しないよ。だって全員同時にソロやってるようなもんで、しかも不思議な調和感があるんだから」と主張するのでした。




私の先輩世代には「ライヴ・アット・リーズ」を「あれは擬似ライブ。ザ・フーがあんなにちゃんと演奏できる訳が無い」という人もいて。
ウッドストックやワイト島での「荒っぽい」演奏が印象に残っていたら仕方ない部分もあると思いつつ、それも「来日して生の演奏を見せなかった」彼らにも非があるかなぁ。
The Whoは視覚的なバンドでもあるからなぁ・・・と。

なお、私は「ちゃんとした実況録音盤」を作ろうとしたリーズ大学の公演も好きだし、途中でメンバー自ら「だめだコリャ」と呟き、以降のステージを「いつも通りに」荒っぽくコナす発掘版キルバーン公演も大好きです。



まぁ、映像で言えば
バンドのヒストリー映画「キッズ・アー・オールライト」ですな。
メンバー全員の魅力満載だし、「無法の世界」でのライヴ映像は全キャリア中ベストともいえる演奏だし。

もう、私からするとロジャーさんはウッドストックの頃から「スーパー・ヴォーカリスト」ですね。

結局は活動期間の割りに作品数が少なく、魅力の全容が伝わっていなかったThe Whoも、様々な「埋もれた素材」の発掘によって、やっと評価が変わってきた部分もあるのでは?


Yes 「fly from here」極東ツアー終了

2012年04月30日 | 洋楽
心配された新ヴォーカリストの「ステージ下ダイヴ」の影響なく
(ケガは無かったそうで・・・良かったねぇ)

大阪~インドネシア・ジャカルタ~ハワイ・ホノルルと公演を続け
YESの「fly from here」極東(?)ツアーは終わるのでした。



豪州、ニュージーランド、日本からの連戦だけに
メンバーの皆さんには暫くゆっくり休養を取って欲しいトコロです。

しかし
セットリスト・サイトでチェックしたら
ジャカルタじゃ「ザ・クラップ」やってんのな。あと「不思議なお話を」。



・・・なんだよう。
何で日本は曲数少ないんだよぅ。
聴きたかったよぅ。

まぁ、会場との利用時間契約とかあるから仕方ない面もありますが。
あと、「パンフが無い」というのも直前のメンバー交代劇が影響あるのかもね。
「以前のメンバーの写真で刷っていた」・・・とか。



ハワイのセットリストは未だUPされてないようだけど。

日本以降じゃ「マシーン・マサイヤ」は渋公1日目だけだけかな。
毎回リストに入れて欲しかったよな。

良く考えりゃ「イエスソングス完全再現」なんて言ったけど、「ユアズ・イズ・ノー・ディスグレイス」なんてテンポ落として演奏してたもんな。

それでも凄かったけどな。スタジオアルバムより「イエスソングス」がテンポUPしてたワケだからな。

その辺はELPの「タルカス」と同じかな。
90年代の横浜公演観に行って「あれ、全盛時のライヴよりテンポ落としてるな」と思ったが
全盛時のライブが凄すぎただけで、普通にスタジオアルバムに近いテンポで演奏してただけだもんな。

まあ、今回のメンバーのうちダウンズさんとハウさんは、秋にASIAの一員としてまた来日されます。
こちらも「新譜発表ツアー」というから驚きです。

プログレ勢は元々メンバー交代が頻繁だから、誰かが参加できなくても以前の加入メンバーの手が
空いていたら補充可能・・・という強みがあるね。

この調子でスタジオアルバムも頑張って欲しいが、最新の作曲より昔のアウトテイクスの方が魅力的・・・ってのが
大ベテランバンドの辛いトコロか・・・。

ぼちぼちコメントもいただけるようになって参りました

2012年04月28日 | 生活
あるBOX(改)、開設から82日。

ぼちぼちコメントもいただけるようになって参りました。

少し前はボクシング試合の感想で
最近はロジャー・ダルトリーさん来日公演ネタで

コメントを幾つかいただいております。
ありがたい話で御座います。

洋楽・邦楽・ボクシング・競泳・ヲタネタ・・・と。
ジャンルもカテゴリーも分裂した事を書き込む雑多なブログですが。

今後とも、どうぞ宜しくお願いいたします。

ロッキング・オンにロジャー・ダルトリーのインタビュー記事あり

2012年04月27日 | 洋楽
ザ・フーの1969年作『トミー』完全再現ライヴのために来日しているロジャー・ダルトリー。
彼がロック・オペラ『トミー』を語り、The Whoへの思いを語るロング・インタビューが、3月31日(土)発売の『ロッキング・オン』5月号に掲載されている。

基本的には「買って読んで下さい」としか言いようのない素晴らしいコメントの数々が掲載されているのだが、
やはりドキュメンタリー映画『キッズ・アー・オールライト』や『アメイジング・ジャーニー』との比較もしたくなるもんだ。



インタヴューの中で、ロジャーは『トミー』を境に「自分の人生が変わった」と語っている。
これはメンバーやスタッフの共通認識で、ピートなど映画『アメイジング・ジャーニー』で「ヤツは自分から歌いたがった。そして見事にTommyに成り切った。見事なヴォーカリストになったんだ。それまでのチンピラじゃなくなったんだ」と、彼らしい物言いで敬意を表していた。

悪童ロジャーの劇的成長。
ロジャーはロッキング・オンのインタビューで、キース・ムーンとの立ち回りを語っている。
有名な『クスリ・トイレ流し~怒ったキースがロジャーに殴りかかる~ロジャーがキースをボコボコに』事件です。

「僕は応戦しただけだったなのに奴らは僕を追い出したんだ!」
映画『アメイジング・ジャーニー』では「執行猶予付きの復帰さ。今度暴れたらクビってさ」とも語っているが、
やはり一番年長でリーダー意識あったバンドを追い出される屈辱は並々ならぬモノがあったようで。

ピートは「残酷な言い方だが、他のメンバーはプレイヤーとして天才的なのにヤツはただの歌い手だったからな。焦りもあったんだろう」と言い放つも
ロジャーはそれを認めていない模様。

むしろ「ジョンが自分は評価されていないとステージ隅に移動した」とエントウィッスルさんに同情的。

『TOMMY』の解釈に関しても、ピートともケン・ラッセルとも違うもので。
細かいニュアンスは私には分かりませんが、実際にライヴを観てみると、むしろロジャーのパフォーマンスのシンプルさが、映画やオリジナルアルバムに劣らない素晴らしいものに映りました。

なお、ブロードウェイ版ミュージカルTommyは、ピートの家族との関係修復によりニュアンスが変わっているというし
Tommyも、色々な解釈が出来る古典になったという事だろう。

「成長した」と言いつつ、いまだ悪ガキの雰囲気を失っていないダルトリー。
「ケンカ?大好きさ。今でもね!」と映画『アメイジング・ジャーニー』で笑いながら語るロジャーさん。

『4重人格』製作事も揉めた挙句ピートのパンチを食らったロジャーさんは、とうぜん反撃に出る気マンマンだったが
「全員がオレを止めやがったんだ!」と大いに不満気。

ここで喧嘩好きの論理・・「ヤツが先に手を出してきたんだ」。
だから倍にして返すのが当然、自分は悪くない。でも皆が自分を止める。自分を責める。
どういう事なんだ。

・・・う~ん、小柄な上やや吃音グセのあるロジャーさんは、思春期あたりから「舐められまい」と殴り合って来たんだね。

「小柄な人ほどケンカ上手」とは日本でも言われてるもんね。

しかし『マイ・ジェネレーション』の吃音ヴォーカルは、本当にロジャーの癖を「生かしてみれば」とアドバイス受けて生まれたもんなんだねぇ。

その結果「ダルトリーだったら吃音すらカッコいい」ってなったんだよね。
同じ癖を持つ同世代は救われただろうねぇ。



そして68才になっても歌う『Youngman Blues』
このヒトいまでも「そこどけ、ブン殴るぞ」と道の真ん中歩いてるイメージあるもんなぁ(笑)。
そういう自己演出してるのかも知れないが、根っからのケンカ屋の印象は絶えない。
そして義理人情に厚いガキ大将。結構イイ奴で、優しかったりする。

そんなダルトリーの来日公演も、残り2日。
特に名古屋は洋楽が入らないと評判の土地柄だけに、ファンの人は頑張って駆けつけて欲しい。

追加公演も無い。
次はいつ来るかも分からない。

長年待ってThe Whoは来たけど、気がつきゃ何年前だ?
それから単独来日まで少し待ったぞ。
その前なんで30ウン年も待ったんだぞ!

やっぱ見たいじゃないですか
ウッドストックのパフォーマンスが蘇るんですよ?

『ロジャー・ダルトリー PERFORMS THE WHO’s TOMMY AND MORE』
【横浜】
日時:4月27日(金)19:00開演
会場:神奈川県民ホール
【大阪】
日時:4月28日(土)17:30
会場:大阪アルカイックホール
【名古屋】
日時:4月30日(月・祝)17:00
会場:名古屋市公会堂

そういや、歯科の治療は順調だ

2012年04月26日 | 生活
左の奥歯1本は、かれこれ2年は無いまま。

インプラントの治療中だが、土台作って金属を打ち込んで・・・の作業だから
土台が身体に馴染むまで・・とか
切開した歯肉が戻るまで・・・とか途中の経過期間がバカにならない。

全体の治療費はけっこう掛かるが、日数で割るとそうでも無いかも知れない。

治療もいよいよ最終段階。

歯が折れて、それを抜いて以降に調子崩した感あり。
腰を痛めたり、疲れが抜けなくなったり。

やっぱ健康は歯からだよなぁ・・・。

ロジャー・ダルトリー PERFORMS THE WHO's TOMMY AND MOREに行く③

2012年04月24日 | ライヴ
各サイトを回って今回のツアーメンバーを確認。

Roger Daltrey: Harmonica, Acoustic Guitar, Vocals
Simon Townshend : Guitar, Vocals
Jamie Hunting: Bass
Scott Devours: Drums
Loren Gold: Backing Vocal, Keyboards
Frank Simes: Backing Vocal, Guitar

ギターの Frank Simesって人は、けっこう日本語が達者で
ロジャーのコメントの翻訳もおこなってくれてビックリ。

――で、当初予定されていたベーシストは、交通事故で足だか手を折ったため不参加。
急遽 Jamie Hunting の代打参戦が決定。短期間で40曲を覚え、あそこまでブリブリ弾くのだから大したもんだ。

ドラムも低音が効いてて良かった。
90年代にThe Whoでトミー再現を行ったが、いまいちピンと来なかった。
個人的には今回の方がイイ。

今回、Tommyは間の曲紹介など無し。ロックオペラ再現として、1時間15分の間を通しで演奏。



――で、後半。
休憩を挟まず、Whe Whoの代表曲連発。
シングル曲「I Can See For Miles」のサビで盛り上がり、
1stからの「The Kids Are Alright」で感無量。
「Behind Blue Eyes」でアコギを抱いたロジャーを見つめ
※本当は途中でハードに転換するところでマイクをブン回すところが好きなんですが・・・
 今回はそれを見たつもりになって立ち上がり盛り上がるワタクシ。

「Days Of Light」では翻訳ギタリストの「ロジャーが14歳のころ工場で働いてて、終末の休みが何よりの希望だった。これはロジャーがその頃を思って作った曲」とかいう言葉あり、これまた感無量。
※「14歳で働くって・・・」と思うが、エントウィッスル母に言わせると、悪童ロジャーは
 学校へ放火した疑いで退学になったというから、早々に働きに出されてた可能性大

そしてサイモン・タウンゼントが歌う「Going Mobile」。
Who's Nextが大好きな私は、これまた感無量。終盤のムニュムニュ・シンセも再現されてて最高。

そして「Who Are You」
もっとドラムに暴れて欲しいが、ソロツアーだから仕方ないか。ロジャーより目立つワケにはいかないだろう。
キース・ムーンみたいに顔芸やれとまで言いませんがね・・・。

しかし照明、ピカピカ光りすぎだな~。
この中でマイクを回して放り投げるロジャーさん、キャッチし辛いんじゃないか?

そして、アコースティックブルースのフレーズを奏でながら「I'm a man~!」と声を上げるロジャー。
おお、マディ・ウォーターズの「マニッシュ・ボーイ」!
The Whoでは感じられなかったブルース・フィーリング!(←コラコラ)
ギター2名もアコギ抱えてブルースタイム。

曲はそのまま「My Generation Blues」へ。
70年代半ばにはアレンジをブルースヴァージョンに変えて披露された大代表曲。
これもある意味で全盛時の再現で感無量。これも良し。



そしてハードなギターが鳴り響き、始まったのが
「Young Man Blues」!
うぉぉぉぉぉ!「ライヴ・アット・リーズ」みたいだ!
当時のハードロック勢に負けまいとThe Whoが奮闘した曲だ!
サビのテンポは変拍子風だが、ハードなサウンドには燃える!
もはや難聴に苦しむピート・タウンゼントには再現不可能な演奏だけに、今回はこれを聴いただけでも元を取った気分。


※これで「Summertime Blurs」が演奏されたら悶絶してましたよ・・・

そして場内暗転、そこから聴こえるシンセのループサウンド。
「Baba O'Reilly」だ――!

「イッツ・オンリー・ティーンエイジ・ウェイストランド」は合唱。
ああ、来て良かった。

ロジャーはマイクをヌンチャクのように振り回し、コードをグルグルと自らの身体に巻きつける。
マイクが身体に当たる音が「ボコツ」「ボコッ」と生生しい。
マイクをグルグル振り回し、放り投げたマイクをキャッチして曲のエンディングの合図にするロジャー。
The Whoとは趣が違うが、これはこれで格好イイ。

ロジャーはサイモンを「My Brother」と紹介。
「ピートは自分の兄弟。だからピートの弟はオレの弟」って事か。

ハードな曲はここまで。
あとはアコースティックセット。
「Without Your Love」

メンバー全員で肩を組み、ステージ前方に出て御挨拶。ファンはスタンディング・オベーション。
全員引っ込むかと思いきや、ロジャーだけが一人ウクレレを持って、
ピートの佳曲「Blue, Red And Grey」の前奏を始める。

「高い声、低い声と抑揚あるから難しいんだ」とか言いながら、歌って見せたロジャー。
ウクレレも必ずしも上手くないし、リズムも音程も怪しくなったが、曲の後半でキーボードの伴奏あり、ここでリズムが安定した印象で。
それはそれで感動的だった。

本当のLIVEなのだ。生モノなのだ。

The Whoの来日公演も、こんな風に静かな曲で終わったっけ。



2時間30分近くのコンサート。
ファンも高齢なのに、「68歳のロジャーが頑張ってるんだ!」とばかりに最初から立ち上がり、最後まで付き合った猛者多し。
(私は脱落した・・・)

男気ライヴだった。
さすが60年代に「演奏がグダグダになるだろうが!」と薬でレロレロのキース・ムーンをブン殴った男だ。
(あれはロジャーが圧倒的に正しい!)

私はキースのハチャメチャさが大好きだが、ロジャーの男気も大好きだ!

まだ神奈川も名古屋も大阪も残っている。
迷っている人は是非行ってほしい!

ロジャー・ダルトリー PERFORMS THE WHO's TOMMY AND MOREに行く②

2012年04月24日 | ライヴ
ロジャーの調子は、
「おお!ずいぶん声が出てるじゃないか!」「いや、かすれた。裏返った」という印象。
年齢を考えると充分過ぎるほどの声。もともと、そんな感じのヴォーカリストだし。

体型は前回より痩せ、髪も伸びているので、やはり若返った印象。
(以前は「このまま老け込んで行くのかな」と悲観したもんですが・・・)

タンバリン捌きもウッドストックを髣髴とさせる動き!
マイクもブンブンぶん回す。
おお、前回の来日より回せている!

歌のパートは全部ロジャーというワケでもなく、元々ピートと分け合っていた部分をサイモン・タウンゼントが歌うパターン。
「オーバーチュア」の後はサイモンが歌い出し、直後にロジャーが登場すると、もう自腹で見に来たファンは総立ちですよ。

「70年代~80年代に来日できなくて悪かったな」というロジャー、男気の来日。
それに応える観客の男気。女性ファンにも漲る男気。
ああ、男気ライヴ。



Tommyのストーリーに関しても、大型スクリーンにイメージ画像が映され続けるので、まぁ理解はできた。
(映画を見たことある人なら大丈夫・・・だな)
ただ、YESの時みたいにミュージシャンのリアルタイム大写しも盛り込んで欲しかったなぁ。

私はというと、盛り上がる曲で立ち上がり、繋ぎの小曲やスローな曲で座るというペース配分。

まぁ、「スパークス」「アメイジング・ジャーニー」では我慢できずに身体が動いてしまい、「ピンボールの魔術師」では頭上で手拍子しまくり。
ああ、明日の腰痛が怖い・・・。

途中、座るも「俺達はしないよ」で立ち上がって手拍子。

感動の大団円。



演奏や歌唱は緊張感ありつつ結構リラックスしていて
要所で見せるロジャーの笑顔がキュート。
(遠目でも分かったよ!)

本来キース・ムーンのパートだったコミカルな「Fiddle About」を自分で楽しそうに歌うロジャー。

さらに
「Do You Think It's Alright? 」歌い出し、思いっきり音を外して「耳に水が入っちまったぜ!」といって演奏やり直したり・・・
もしピートが居たら「オマエ、またやったな!」と突っ込まれそうなシーンあり。

サイモンも「サリーシンプソン」の歌唱を担当しながら一瞬歌詞が飛んだりして
「ああ、これもライヴならでは・・だなぁ」と感慨深し。

サイモン、普段は兄ピートのサポート役が多いんだが、ここは重しが取れたかのように歌い、ギター弾いてくれておりました。

当然、兄弟だから声が似ていて
後述する「Going Mobile」では、「そっくりじゃん!」と驚かされました。

――続く

ロジャー・ダルトリー PERFORMS THE WHO's TOMMY AND MOREに行く①

2012年04月24日 | ライヴ
行って来ました東京国際フォーラム(ホールA)

THE WHOのヴォーカリスト、ロジャー・ダルトリーさんが、これまたTHE WHOが1969年に発表したロックオペラ『トミー』を完全再現する来日ツアー。



まず、UDOチケット会員として申し込んだ私の手元に届いたのは2階席券だったのだが
2階行きのエスカレーターが動いていない。2階席は閉鎖って事だ。
係員に聞くと「こちらのチケットと交換致しますので1階席へどうぞ」

やはり席は埋まり切っておらず、私の周辺は招待席な様子。

う~ん
Yesに続き、パンフレットは無いし、どうなっておるのだ。
まぁ、Tシャツは買ったけど。



「We're not Gonna Take It」Tシャツだ。
「俺たちはしないよ」Tシャツだ。
他にもあったが、私はこれが気に入った。

――で会場は
私の心配をよそに、客電落ちたら前方の席からは拍手と声援が上がっている。
こりゃ少数精鋭のファンが盛り上げるパターンか?

そして始まったトミーの「序曲」
ロジャー・ダルトリーの登場で招待席以外は一気に盛り上がる。
・・・というか、7~8割方が2曲目までで立ち上がってる!

ペース早いよ!
こっちゃ配分考えての会場入りなんだよ!

――以下、UDOサイトを参考にしたセットリスト

1.Overture
2.It's A Boy
3.1921
4.Amazing Journey
5.Sparks
6.Eyesight To The Blind (The Hawker)
7.Christmas
8.Cousin Kevin
9.The Acid Queen
10.Do You Think It's Alright?
11.Fiddle About
12.Pinball Wizard
13.There's A Doctor
14.Go To The Mirror
15.Tommy Can You Hear Me?
16.Smash The Mirror
17.Sensation
18.I'm Free
19.Miracle Cure
20.Sally Simpson
21.Welcome
22.Tommy's Holiday Camp
23.We're Not Gonna Take It
24.See Me, Feel Me / Listening To You

25.I Can See For Miles
26.The Kids Are Alright
27.Behind Blue Eyes
28.Days Of Light
29.Going Mobile
30.Who Are You ?
31.Mannish Boy (Muddy Waters cover) ~My Generation Blues
32.Young Man Blues
33.Baba O'Riley
34.Without Your Love
35.Blue Red and Grey

※以前UPしたものは曲が一部抜けておりました
 4/25に修正しておりますので御了承ください

さぁ、いよいよロジャー・ダルトリー来日公演、開始だ!

2012年04月23日 | 洋楽
私は24日のチケットを購入。
YESの会場にはポスター貼りまくってあったし、モニターで動画映してたし・・・で
直前のチケット購入を煽りまくってたから、空席あるのかなぁ・・・。

当日券は、多分あるね。高確率であるね。
The Whoファンの人は行って欲しいなぁ・・・。

<ロジャー・ダルトリー PERFORMS THE WHO's TOMMY AND MORE>
4月23日(月) 東京国際フォーラムホールA 19:00開演
4月24日(火) 東京国際フォーラムホールA 19:00開演

4月27日(金) 神奈川県民ホール 19:00開演

4月28日(土) アルカイックホール 17:30開演

4月30日(月・祝) 名古屋市公会堂 17:00開演

S\10,000 A\9,000(座席指定・税込)



2011年行われたワールド・ツアーでは『トミー』収録曲以外にも、
「恋のマジック・アイ」「フー・アー・ユー」「ババ・オライリィ」といったザ・フーのヒット曲も数多く披露され、グレイテスト・ヒッツ・ライヴとも言える内容になっているとのこと。

そして、90年代半ばからザ・フーのツアー・メンバーとして活躍している、ピート・タウンゼントの実弟サイモン・タウンゼント(G)も参加。
どれくらい活躍してくれるか見ものだ。

ダルトリーさんは、TOMMYになりきる気満々で
「R・ダルトリーは世界で最低のピンボールプレイヤーさ。フハハハハ!」と上機嫌。

これは「The Whoはワーストなグループさ!メンバーもアホな連中ばかりだしな!」と言い放ってニヤリと笑った、映画「ザ・キッズ・アー・オールライト」を連想させるコメントで。

この人は、この手の言い方が好きなんだなぁ・・・と感慨深し。

なんか、風貌もThe Whoで来日した時より若返ってる気がする。
※あの時ゃ、ビル・クリントンみたいな輪郭になってたもんなぁ・・・。今回はシェイプして
  来てくれたんだろうなぁ。

ここまで60年代~80年代ミュージシャンの訃報が続くと、ダルトリーさんみたいな人が元気で歌いに来てくれるだけで嬉しい気がするよ。

――さぁ、楽しみだ!

訃報 リボン・ヘルム

2012年04月23日 | 洋楽
寂しい訃報が続きますなぁ。

米ロックバンド「ザ・バンド」で長年ドラマーを務めたリヴォン(レボン)・ヘルムが
長い闘病生活のすえに死去したそうな。71歳だった。

「ザ・バンド」でドラムとボーカルのほか、ギターやマンドリンも担当したヘルム氏。
同グループは、サイケデリック全盛時代に現れた「アメリカルーツ探索楽曲)」で世界中の
ミュージシャンに衝撃を与え
(ブルーグラスまで租借していたのは驚いたろうなぁ・・・)
様々なバンドにルーツ回帰アルバムを製作させるキッカケを作った。



1980年代にはリンゴ・スター・バンドの一員として来日したことも。
そこで歌ったザ・バンドの名曲「ザ・ウェイト」は会場のファンを深く感動させたとか。
(名曲中の名曲だからなぁ・・・)

1998年に喉頭がんと診断され。以降は闘病生活を続けてきたが、
4月19日、遂に帰らぬ人になったとの事。
マネージャーによると、ヘルムさんは家族や友人、バンド仲間らに囲まれ、静かに最後を
迎えたそうで。

一時代を築いたミュージシャンの逝去は残念だが、彼らが早世ではなく、普通に病気で
亡くなる年齢になられている事も寂しいなぁ。

リボン・ヘルムさんの御冥福を御祈り致します。

訃報 グレッグ・ハム

2012年04月22日 | 洋楽
オーストラリアのロックバンド「メン・アットワーク」のフルート担当、グレッグ・ハム氏が
4月19日、メルボルンの自宅で死亡くなっているのを発見されたとの事。
58歳。



地元警察は死因は詳細な調査が必要としつつも、外部からの侵入はなく事件性はないと説明。
近隣住民によれば、ハム氏は1人暮らしだったそうな・・・。

「メン・アット…」は79年に結成。
81年にリリースしたアルバム「ワーク・ソングス」からのシングル「ダウン・アンダー」「ノックは夜中に」の2曲が全米チャートの1位になるヒットを記録。

ある意味、「ニューウェイヴ以降」のバンドで、私の愛聴の範囲外だが
やはりヒットした2曲は何度も聴いたし記憶に残っております。
クールで、耳に残る「イイ曲」でした。

彼らの1stアルバムも名盤ガイドで漠然と眺めて「蔵の壁みたいな上を山脈積んだ車輪が走る」なんて面白いデザインだなぁ・・・と思ってましたが

今回ジックリ見たら、「アンプにシールド繋がってる」デザインじゃないですか!

亡くなったジム・マーシャルさんが私に「アンプじゃよ!、アホ!」と知らせてくれたのでしょうか。

マーシャルさん、ジャケット・デザイナーさん、メン・アット・ワークさん、本当に申し訳ありませんでした。

ともかく・・・

リアルタイムで体験した売れっ子バンドのメンバーが亡くなるのは、別の意味で感傷的になるねぇ。

グレッグ・ハム氏の御冥福をお祈りいたします。

訃報 マイク・ホサック

2012年04月22日 | 洋楽
4月12日、ドゥービー・ブラザースのドラマー、マイク・ホサック氏が癌のため亡くなっていたことが分かった。
65歳。

ドゥービーの楽曲は好きだけど、一人一人のメンバーまでは承知していないワタクシ。
(M・マクドナルドは悪い意味で承知してますが・・・)
今回、色々とチェック致しました。

マイク・ホサックさんは
70年代の前半、ドゥービー・ブラザース特有のツインドラム・サウンドを、もう一人のドラマーであるジョン・ハートマンと共に支えたドラマーで。

オリジナルメンバーでは無いが、1971年にDoobie Brothersにセカンド・ドラマーとして迎え入れられ。

彼の演奏は初期のヒット曲「Black Water」「Listen to the music」「China Groove」で聴くことができ、「爽やかなウエストコースト・サウンド」という飾り文句もあるが、時にそれとは裏腹な豪快プレイも聴かせるのが印象深い。
※イーグルスも同様に言われつつ、湿度70%の曲を連発するなど、一筋縄ではいかないのよ・・・



ホサックは73年にDoobie Brothersを脱退するも、87年に再びDoobie Brothersに加入。
「Cycles」を含む3枚のアルバム制作に貢献した・・・そうな。
(全盛時を思わせる「ザ・ドクター」は良い曲だったなぁ)

ドゥービーのドラムで言えば、
2005年2月8日にキース・ヌードセン氏が肺炎のため56歳で死去している・・・なんてニュースも今回発掘しましたわ。
ヌードセンさんとホサックさんは、再結成以後一緒にツインドラムを組んでいたというから
そりゃ現在もドゥービーズのオリジナル・メンバーとして残っているトム・ジョンストン、パット・シモンズ両氏が嘆く事もむべなきかな。

残念な事この上ないが、70年代の名曲と名演奏は不滅だ。
最近ドゥービーズのアルバムをウォークマンで聴き続けているが、やっぱり良い。

追悼気分で聴いてるのにゴキゲンな気分になってしまった。
ある意味、それが彼らへの最高の追悼なのかも知れない。

ご冥福をお祈りするよ!ノリノリで!
これまでサンキュー!

そしてこれからも有り難う!

訃報 ジム・マーシャル

2012年04月21日 | 洋楽
【ジム・マーシャル】
マーシャル・アンプの創設者、ジム・マーシャル氏が4月5日に死去したとの事。
88歳。
息子テリー・マーシャル氏によると、ジム・マーシャル氏はここ数年の間に幾度か心臓発作を起こしていたそうで
超高出力アンプでロックに革命を起こした(特にハードロックサウンド)マーシャル氏も最後は病に勝てなかった・・・という事か。寂しいなぁ。



ジミヘンがマーシャルにシールドを繋ぎ、大轟音を響かせるシーンが、後のギタリストに与えた影響は計り知れない。
私も未だに「マーシャルアンプ」と聞くとワクワクする。

ジム・マーシャルさんの御冥福をお祈り致します。