長島 潤 Sing a mindscape

jun nagashima singer-songwriter

岡本かの子「母子叙情」

2023-10-29 20:14:00 | 

再読のための覚え書き


母子叙情

岡本かの子(1889-1939)


かの女(岡本かの子)は、夫の仕事の都合で、

画家を目指す息子の一郎(岡本太郎)を連れてパリに渡る。


やがて、かの女は溺愛する一郎をパリに残して夫とともに帰国するが、ある日、銀座で一郎に良く似た青年を見かけて追い回し、いつしかかの女は、その青年と深い仲になってゆく……。



2023.10.24読了


母子叙情

新潮文庫

昭和25年1月15日初版発行

昭和32年5月10日7刷

旧仮名遣い


#本 #読書 #文学  #文庫 #岡本かの子 #母子叙情






山崎豊子「しぶちん」

2023-10-29 20:13:00 | 

再読のための覚え書き


しぶちん

山崎豊子(1924-2013)


大阪船場で丁稚奉公から身代を築いた吝嗇家の半生を描いた表題作の他、「船場狂い」「死亡記事」「持参金」「遺留品」を併録。


《遺留品》

阪和紡績の社長樺山正資の秘書を務めている柳川瑛子は、樺山の誠実で几帳面な性格を良く知っていた。


樺山は、東京への出張の帰り道、搭乗した飛行機が遭難して死んでしまう。


遺留品として遺ったのは、胃薬と缶のドライミルクだった。


その不可解な遺留品のため、樺山は生前の評判を落とすのだが……。



2023.10.22読了


しぶちん

新潮文庫

昭和40年4月10日初版発行

昭和43年11月14日4刷


#本 #読書 #文学  #文庫 #山崎豊子 #しぶちん






源氏鶏太「ひまわり娘」

2023-10-20 20:50:00 | 

再読のための覚え書き


ひまわり娘

源氏鶏太(1912-1985)


大阪化学工業に入社したばかりの藤野節子は、上司の「弁慶さん」こと日立一平の助手をすることになった。


弁慶さんは1時間に1回お茶を飲む。節子は、弁慶さんにお茶を淹れることを楽しみにしていた。


ある日、男性社員が女性社員に横暴にお茶汲みを要求したことをきっかけに、女性の地位向上を目的として、女性社員一同集まって「お茶汲みストライキ」が決議された。


しかし、それに納得のいかない節子は、ストライキに加わらないことを宣言し、他の女性たちの反感を買ってしまう……。



2023.10.19読了


ひまわり娘

春陽文庫

昭和29年3月30日初版発行

旧仮名遣い


#本 #読書 #文学  #文庫 #源氏鶏太 #ひまわり娘






石坂洋次郎「山と川のある町」

2023-10-16 15:21:00 | 

再読のための覚え書き


山と川のある町

石坂洋次郎(1900-1986)


東北の田舎町。

資産家の娘早川のぶ子は、才色兼備の女学生。旧態依然とした父と母の関係に、事あるごとに反発する。


そんなのぶ子は、通っている高校の教師八木敬助に惹かれつつある。その一方、敬助は、同僚の妻みね子に淡い気持ちを抱いているが……。


大人びて賢しいのぶ子が発する、歯に衣着せぬ言葉の数々がおもしろい。



2023.10.15読了


新潮文庫

昭和33年2月5日初版発行

昭和41年6月15日15刷


#本 #読書 #文学  #文庫 #石坂洋次郎 #山と川のある町






平林たい子「私は生きる」

2023-10-16 15:20:00 | 

再読のための覚え書き


私は生きる

平林たい子(1905-1972)


表題作の「私は生きる」の他、「こういう女」、「鬼子母神」、「人生実験」を併録。


「私は生きる」は、腹膜炎で入院していた元活動家の「私」が社会主義運動で連行された話を綴った「こういう女」の後日譚。


家で療養中の「私」を看病する夫に対してわがまま放題を言い、夫から「俺に気の毒だという気持ちは起こらないのか」と言われるも、「起こらないわ。人は病気にかかったら治す権利があるんだわ。仕方ないわ」と言い返す「私」の凄まじさを描く。



2023.10.7読了


私は生きる

角川文庫

昭和27年2月25日初版発行

昭和42年9月30日24刷

旧仮名遣い


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