長島 潤 Sing a mindscape

jun nagashima singer-songwriter

ジイド「狭き門」

2022-01-31 10:26:00 | 

再読のための覚え書き


狭き門

アンドレ・ジイド(1869-1951

川口篤訳


アリサとジェロームは相思相愛の仲であるが、アリサは、その妹ジュリエットもまた密かにジェロームを恋をしていることに気付く。


次第につれない態度を取るようになったアリサに、ジェロームは戸惑いを隠せない。


アリサは、ジェロームを真摯に愛するが故に、神への信仰との間で煩悶するのだった。


「主よ、あなたの示し給う路は、狭いのです。二人で並んで進むことができないほど狭いのです。」



2022.1.29読了


狭き門

新潮文庫

19371215日初版発行

1977111035


# #読書 #文学 #文庫 #ジイド#ジッド #狭き門






遠藤周作「彼の生きかた」

2022-01-29 09:39:00 | 

再読のための覚え書き


彼の生きかた

遠藤周作(1923-1996


吃りのために自己を表現できず、周囲に溶け込むことのできない福本一平は、物言わぬ動物たちを愛し、やがて動物学者として日本猿の調査に身を捧げる。


しかし、山林の開発を目論む大資本が、彼の前に立ちはだかるのだった。


「俺は人間の世界が嫌や。言葉も不自由やし、お前たちよりも嫌な形で弱いものを苛める世間や。できたら、俺もお前たちの中に入りたいわ。」



2022.1.28読了


彼の生きかた

新潮文庫

昭和52530日初版発行

平成3011038


# #読書 #文学 #文庫 #遠藤周作 #彼の生きかた








壷井栄「裲襠」

2022-01-28 08:52:00 | 

再読のための覚え書き


裲襠(うちかけ)

壷井栄(1899-1967


瀬戸内海の小豆島。明治の始まる頃、旧家に嫁いだすずが着てきた朱色の裲襠(打ち掛け)は、その後、たつ、小梅、琴路の三代に渡り、婚礼の時に着用された。


裲襠は、波乱に富む人生を歩むそれぞれの女性たちを「家」に繋ぎ止める、女の運命とも言える重さがあった。


戦争の動乱期を経て新しい時代を迎え、裲襠は、琴路の娘さやかに渡されようとする。



2022.1.27読了


裲襠

角川文庫

昭和33810日初版発行

昭和383302


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モーパッサン「モーパッサン短編集Ⅳ」

2022-01-27 07:11:00 | 

再読のための覚え書き


モーパッサン短編集

ギ・ド・モーパッサン(1850-1893


《メヌエット》

朝、「わたし」がリュクサンブール公園を散歩していると、小柄な風変わりな老人と出会った。


老人は、舞台俳優のように敬礼をし、か細い片脚で優雅に旋回しはじめた。ルイ十五世時代のオペラ座のダンス教師だったのだ。


老人が「わたし」に紹介したのは、彼の妻で、かつてあらゆる人々に愛された名舞踏家ラ・カストリその人だった。


そして「わたし」は、終生忘れられない出来事を目撃する。


8

人間の哀切や恐怖を描いた短編集。



2022.1.26読了


モーパッサン短編集

新潮文庫

昭和31312日初版発行

昭和3971010


# #読書 #文学 #文庫 #モーパッサン #モーパッサン短編集






竹山道雄「ビルマの竪琴」

2022-01-25 09:02:00 | 

再読のための覚え書き


ビルマの竪琴

竹山道雄(1903-1984


「われわれ」日本兵たちは、ビルマで終戦を迎えた。


捕虜となり、収容所で暮らすことになったが、音大出身の隊長のもと、「われわれ」はいろいろな歌を合唱し、水島上等兵は自作の竪琴で伴奏した。


なかなか降伏しない日本の部隊があると聞き、隊長は水島に、説得に向かうよう命じる。


しかし、水島は何ヶ月経っても戻ってこない。水島の安否が心配される中、「われわれ」は、水島そっくりのビルマ僧を目撃したのだ。


・・・・・・・・・・・・


子供の頃に読んだときは当然気付きもしなかったけれど、戦争批判が主題な割には、国家としての戦争責任には触れず、兵士の心の葛藤の問題に矮小化している印象は免れない。


けれど、それを差し引いても、本当に類い稀な美しい物語だと思う。



2022.1.24読了


ビルマの竪琴

新潮文庫

昭和34415日初版発行

昭和3511158


# #読書 #文学 #文庫 #竹山道雄 #ビルマの竪琴