有田芳生の『酔醒漫録』

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新しい年ーー2014年へ

2013-12-29 07:24:20 | 参議院
12月29日(日)少しすれば京都に向かいます。20代後半からずっと同窓会を開いています。高校時代に仲の良かった友人たちとの会合です。たいてい10数人が集まります。来年はいいやと思いつつ、毎年参加しています。今日は京都駅近くのホテルを準備してくれました。2013年は早かった。国会での活動ではヘイトスピーチ問題に取り組んだこと、特定秘密保護法に反対するための行動がいちばん大きな仕事でした。11月までにジムで泳ぎだのは、たった3回。これではダメだと、元のジムに戻りました。それから泳いだのは10回ぐらいでしょうか。「フリーランスは病院に行くように泳ぐことですよ」と先輩に言われたのは、いまから20年ほど前のことです。行きました。池袋、大手町、表参道、池袋とジムを変更しました。それでもオウム事件で忙しいとき以外には、泳いできました。身体のためとは、精神のこともふくみます。竹村文近さんに鍼を打ってもらうこともふくめて、体調を調整しつつ、2014年も進んでいきます。


「かぐや姫の物語」を見た

2013-12-24 12:29:13 | 映画
12月24日(火)いま締め切りを原稿を書きつつ、筆休めにフェイスブック用のこれを書いています。昨日は池袋リブロに行って矢崎泰久さんの『人生は喜劇だ  知られざる作家の素顔』などを買ってから、豊島園で「かぐや姫の物語」を見ました。2時間半が短く感じられました。次女は「あの絵がイヤだ」というので見てはいません。でも僕には素敵なタッチでした。感覚はそれぞれです。高校時代の古文の授業で習った竹取物語の冒頭はいまでも覚えています。しかし全体を読んだことはありませんから、どんなストーリーかは、詳細を知りません。8年をかけた作品で50億円の製作費だそうです。私的な感想では生まれてから死ぬまでの物語だと思いました。月に戻れば現世の記憶が消えるというのですから、まさしく死をイメージしているのです。『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』には「長期記憶」という表現が出てきます。死の厳しさを説明したくだりです。「ひとりの人間が長い時間かけて収穫し、ため込んだ記憶が一気になくなってしまうわけで、非常に不幸な、かけがえのない損失だと思います」。かぐや姫が嘆くのは、地球で経験してきた多くの記憶ーそれはうれしいことや哀しいこともふくめたすべてーが失われてしまうことでした。「生きている手ごたえ」というセリフがありました。自然のなかで遊び、労働する「手ごたえ」。高畑勲さんは人間社会の根底的な幸福感を描こうとしたのではなかったか。僕にはそう思えました。そして冒頭とエンディングロールで日本テレビの氏家斎一郎さんの名前が製作者として流れていきました。氏家さんもすでに亡くなっています。氏家さんの記憶は消えても、「生きている手ごたえ」は確実に存在していました。「かぐや姫の物語」は、人間存在の根本原則をアニメで表現したのです。さて原稿に戻ります。何とかめどをつけて夕方にはジムで泳ぎたいと思っています。


都知事選候補者選定ー水面下の攻防

2013-12-23 12:02:25 | 参議院
12月23日(月)年の瀬も押し迫ってきた。「瀬」は時期、機会の意味なのだろう。白川静さんの『常用字解』によれば「狭い海峡や川の瀬の幅が狭くなった所を瀬戸といい、安危・生命など、運命が決まる重大な分かれめを瀬戸際という」とある。一年も残り少なくなった時期だから「幅が狭く」なり、年が改まる「分かれめ」なのだ。猪瀬直樹さんの都知事辞任の報道もすっかり落ち着いてしまった。まさしく浮世だと思う。知事選は2月9日に投票されるようだ。その候補者選考が水面下で続いている。現状では舛添要一さんが軸となっている。自民党と公明党が舛添推薦の動きだ。そこに民主党も「乗る」べきだとの意見がある。しかも党幹部から出ていることに問題がある。特定秘密保護法で対峙した政党と組むのは、「舌の根が乾かぬうちに」という倫理的問題だけではなく、今後の「自公民」路線への拝跪という路線問題がある。「特定秘密保護法など来年になれば国民は忘れている」と発言することは問題外だ。反対行動に立ち上がった国民を蔑視する暴言である。海江田代表など本部は独自候補を擁立すると公言してきた。その基本的立場を放棄すれば、2年後のいっせい地方選挙での敗北が待っている。


猪瀬直樹都知事退陣を見越した動き

2013-12-17 12:16:05 | 参議院
12月17日(火)猪瀬直樹都知事の徳州会からの5000万円受領問題が大詰めを迎えている。情報によれば先週の金曜日に猪瀬都知事は辞任を表明する気配があったという。都議会の追及は年内いっぱい続く。答弁するほどにほころびが出てくるので、もはや将棋でいえば「詰み」の状態だ。年末あるいは年始の退陣表明がありうるだろう。各陣営は2014年1月末か2月上旬を投票日にすでに都知事選の準備をはじめている。舛添要一さんが参議院選挙に出なかったのは、都知事選に出るためだった。そのときには猪瀬スキャンダルなど想像もできなかった。私も先日あるところで舛添さんと出会ったが、意気軒高だった。東国原英夫氏も議員辞職の記者会見で「出ない」と言ったものの、いまだ都知事選を狙っていると聞く。さらに橋本聖子参議院議員が辞職して出馬するだろうともいわれている。そこに社民党、共産党の候補者がからんでくる。もし選挙があれば短期決戦だ。知名度が大きく左右する。そこにどんな政党配置があるのかで勝敗は決する。


足利事件の真犯人が隠蔽されている

2013-12-15 14:34:16 | 参議院
12月15日(日)清水潔『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』(新潮社から20日に発売)の書評を書いています。新潮社の『波』に掲載されるもので、いま推敲をしているところです。足利事件をはじめ近郊で起きた幼女誘拐殺人事件が「同一犯の可能性がある」と国家公安委員長がはじめて認めたのは、2011年3月8日の参議院予算委員会で私が質問したときでした。しかしいまだ事件は解決していません。清水さんは松田真美ちゃん(足利事件の被害者。当時4歳)と事件直前に歩いていた「ルパン三世」に似た男を特定、独自のDNA鑑定を行います。筑波大学の本田克也教授の鑑定で「ルパン」と犯人の型は完全に一致しています。なぜ捜査当局は動かないのか。怒りに満ちた本書をぜひお読み下さい。


特定秘密保護法成立から1週間に思う

2013-12-14 09:41:53 | 参議院
12月14日(土)特定秘密保護法が参議院で可決されてから1週間が過ぎた。このわずか7日間で明らかになったことは、安倍首相も石破幹事長も、そして9月以降に4回も死刑執行し、共謀罪の必要性を求め、リベラルから変質した谷垣法相も、特定秘密保護法の危険性に、おそらく無知であることだ。「秘密の範囲は広がらない」「報道は抑制的であるべきだ」ーーこれがウソか無理解に加えた本音である。日本には危うい気流が充満しつつある。北朝鮮の張成沢氏が朝鮮労働党を除名になり、裁判で死刑が宣告され、銃殺された。異常、異様な事態である。しかし張氏が「国家転覆の陰謀」に問われたなら、この日本の安倍政権はいかにと思う。2013年から2014年に向かう安倍政権も、手法こそ違えども、「国家転覆」へと向かいつつあるのではないか。テレビも新聞も北朝鮮の非道を大きく報ずるが、この日本で進行しつつある情況について、いかにも安穏としている。「希望」という言葉は好きではない。しかし突破口はある。昨夜も「秘密保護法廃案」を求めるシュプレヒコールが新橋から銀座でも聞こえてきた。60年安保を闘った世代からは「あのころほど虚脱感はない」という意見も聞く。昨夕参議院議員会館で開かれた拉致問題の国際セミナーから自室に戻る時、若い同僚から声をかけられた。「集団的自衛権についてどう思いますか」と問われ、反対だと答えた。「来年も頑張りましょう」と言われたその常套句も好きではないが、日本中で「抗する志」の種が育っている。特定秘密保護法の強行採決は、力強い抵抗の意志を生み出したのだ。


特定秘密保護法案を委員会で強行した面々

2013-12-05 22:54:40 | 参議院
12月5日(木)特定秘密保護法案が参議院安全保障特別委員会で自民党と公明党によって強行採決された。午後1時からはじまった委員会の質疑は、最後に自民党と公明党の予定だった。ここで強行採決への悪臭に誰もが気付いた。野党に質問をさせておき、与党質問の途中で動議を出して強行するという見え透いた計画だ。そしてその通りになった。民主党は議員総会を終えて多くの議員が委員会室へ向かった。委員会室の傍聴席は開催時から自民党の1年生議員を中心にいっぱいだった。私たちはその前に立った。するとうしろから「みえません」と自民党女性議員が言った。映画館でもあるまいし。見えなければ立てばいいのだ。「ここに立ってもいい。それがルールだ」と強く言うと「わかりました」。委員会運営のルールも知らない若い自民党議員の野次には、小川敏夫議員がくってかかった。そうするうちにも質疑は進んでいく。強行採決の合図は自民党の宇都隆史議員が質問というよりも演説もどきをはじめた。午後4時すぎだ。佐藤正久議員のもとに若手議員からメモが届けられた。机の下で隣の島尻安伊子議員、さらに西田昌司議員にまわされた。そのころから佐藤議員のまばたきが激しくなってきた。「やるな」と思った。そのとき石井浩郎議員が立ち上った。「議長!」と言ってあとは何を言っているのかはさっぱりわからない。野党委員は委員長席に向かい、採決をとめようとする。西田議員がほかの議員に立ちあがるよううながした。いったん立ち上がり、何が何だかわからないまま、着席した。そのうち再び起立が促され、勝手に採決と判断し、荷物を持って委員会室を出ていってしまった。ひとり残された森まさ子大臣は、緊張した能面のような顔つきで座ったままだった。これが強行採決の一部始終である。委員長に対して「議長」と呼んで動議を出したのだから、これは採決などとはいえない。自民党と公明党の正体があらわになった一瞬である。


国会周辺は緊迫している

2013-12-02 14:39:13 | 参議院
12月2日(月)国会内外が慌しい。与党が会期末の6日までに特定秘密保護法案を可決させようとしているからだ。議員会館では各種団体が反対を求める陳情を議員各部屋を回って訴えている。外に出ればマイクで反対を訴える声が聞こえてくる。たどたどしく、しかし戦争経験の悲惨さを訴える女性は、秘密保護法の危険性を経験から感じているようだ。朝日新聞の世論調査では反対が50%、賛成は25%。政権支持者のなかでも慎重審議を求める声が多い。ところが官邸はいまだ会期内の成立を図っている。時間が経過するほどに反対世論が高まるからだ。強行採決しても、通常国会まで2か月近くある。世論も沈静化すると読んでいるらしい。甘い。政権支持率は49%にまで落ちた。このまま強行し、アベノミクス効果もないとなれば、政権はいっきょに失速する。その正念場がこの数日なのである。ハンナ・アーレントの母マルタが、1919年に娘に語ったように、注意して見ていよう、いまが歴史的瞬間なのだ。そしてそれぞれができることで行動しよう。