有田芳生の『酔醒漫録』

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小沢一郎「世界と日本を語る」(番外編)

2011-02-28 14:53:48 | 参議院

 2月28日(月)小 沢一郎塾での講演要旨をこれまで5回にわたって紹介してきた。会場では講演後に「塾生」からの質問もあった。メモ風に記録しておく。〈労働力としての移民 には反対。単純作業では日本の労働力を補完するだけで、奴隷労働と同じだ。日本に対する恩を感じるような仕事でないとダメ。中国人は誠意を持って付き合え ば信義は守る。原発は廃棄物の処理が出来ていない。過渡的なエネルギーとして仕方ないが、クリーンではない。太陽熱や風力など、クリーンなエネルギーを開 発した方がいい〉。「批判について」の質問には、〈会ったこともない人から批判をされても受け流すしかない。面と向かってのアドバイスは聞いた方がいい〉 とも語っていた。国会に来て7か月。世界や日本を包括的に語る政治家の講演を聞く機会がなかったので、とても参考になったというのが率直な感想だ。菅直人 首相やほかの政治家たちの歴史観に基づいた情勢分析がもっと語られるべきだ。


小沢一郎「世界と日本を語る」(5)

2011-02-28 12:45:44 | 参議院

 2月28日(月)北朝鮮問題の打ち合わせまでの時間に小沢一郎講演(2月14日)要旨を記録しておく。環境との共生、これからの日本についてこう語った。〈温暖化や地球の変動について害を与えることのない水準は何か。それは議論すれば出しうる。中国がGDPで2位になったというが、砂漠化は進んでいる。日本のグローバルな貢献を考えるとき、主権国家論を乗り越えなければいけない。国連のガリ事務総長はかつて緊急部隊の創設を提案し、イギリスは賛成したがアメリカは反対した。アメリカは単独では行動できない。日本が率先して提唱する時代になるだろう。自衛隊を国連に差し出すこともありうる。主権国家論として問題だという者もいるが、それは政府が判断すればいい。旧来の主権国家論を乗り越えて人類史的課題に取り組まなくてはいけない。世界的テーマを解決するために、日本人の特性はもっとも適性がある。〉。小沢元代表は「気概と理想を持ってもらいたい」と締めくくった。


幸福の科学による自民党支援計画があった

2011-02-26 11:47:57 | 参議院

 2月26日(土)幸福の科学と大川隆法主宰を名誉棄損で訴えた大川きょう子さんの訴状要旨は、すでに昨日紹介したとおりだ。国会から近い都市センターホテルで行われた記者会見。「霊をいまでも信じていますか」などと質問するテレビ局記者もいた。私はこんな質問をした。〈訴状には平成19年に2人の関係に亀裂が入ったが、平成21年に総選挙に出ることで緩和されたとあります。きょう子さんは幸福実現党の党首になり、すぐに解任されました。それはどういう経過で決まったのですか。そのことに関連してお聞きしたいのは、大川隆法さんの初期の著作で、いずれ政治に進出するとありました。どういうきっかけで2年前の幸福実現党結成だったのですか〉。大川きょう子さんの答えは予想通りだった。幸福実現党の人事はすべて大川隆法主宰が決めたという。抜擢も解任もすべてである。幸福の科学として自民党のM代議士に接近していたときがあるという。ところが1996年ぐらいに創価学会のようになってはいけないと大川氏が言い出した。しばらくは政治進出の話は出なかった。しかし憲法改正は必要だと考えていたので、2008年夏の総選挙に向けて自民党に選挙協力することになっていたという。ところがある日突然に「やっぱりダメだ」と大川氏が言い出して選挙協力の話はなくなった。そして幸福実現党の結成である。記者会見が終わり、会場を去る前に自民党との選挙協力の規模はどれほどだったのかを訊ねた。「100人以上でした。自民党幹部のKさん、Sさんはがっかりしていました」。「すごいですね」と言うと「いえ、せいぜい1000票ぐらいですから大したことはありません」と大川さんは語った。しかしそうでもないだろう。私は東京11区で自民党候補に3474票差で敗北したが、幸福実現党は6853票を獲得している。そのすべてが自民党に流れたとは思わないが、もし選挙協力が行われていれば、票差はもっと大きかったはずだ。大川きょう子さんは、おそらくこれからも教団の内幕を明らかにしていくのだろう。


小沢一郎「世界と日本を語る」(4)

2011-02-25 12:38:13 | 参議院

 2月25日(金)2時から行われる大川きょう子記者会見の前に、駆け足で小沢一郎講演(2月14日)を記録しておく。小沢元代表は国連中心の平和維持が必要だとする根拠をこう語った。〈武力行使は、アメリカがベトナムやアフガンで行ったが、それでも勝てなかった。ここをよく考えないといけない。人を治めるのは力ではなく徳だ。それには安定した生活、一定レベルの生活を与えることだ。ODAはカネを使っているわりには効果がない。むしろ海外青年協力隊など、生活に密着した活動が高く評価されている。平和への貢献も民生の安定のための活動が重要だ〉。小沢元代表はアフガンでボランティアの青年が殺害されたことに触れ、アメリカ大使に軍隊を何万、何十万送ってもダメで民生を安定させる活動をしなければならないと語ったことを紹介した。〈そこにリスクがあるかないかではなく、自分たちが何を為すべきかという判断ができるようにならなければならない。このままでは日本は衰退していく。どのようなリスクを負おうとその人たちのために貢献する。世界への貢献が最大のものだ。日本人は意識の転換さえすれば大きな作業を成し遂げられる〉。


TPPに反対する 内田樹さんの「平成の攘夷論」

2011-02-23 15:07:52 | 参議院

 2月23日(水)衆院議員会館の多目的ホールで内田樹さんの講演を聞いた。テーマは「平成の攘夷論」。もちろん「平成の開国論」に対してのアンチテーゼだ。〈開国って何なの〉と語り出した内田さんは、「経済的活況」や「元気」ということではなく、日本人のポテンシャルをいかに高めるかが重要だと語った。〈近代日本の歴史で、日本人がホットになるのは攘夷マインドだった。幕末や戦争、戦後の60年安保、70年安保もマインドにおいては「攘夷」だ。日本は65年間アメリカに真っすぐに向きあっていなかった。抑圧された政治心情は崩壊させて、自己治癒した方がいい〉。鳩山由紀夫首相の「方便」発言を沖縄現地は評価していたこと、なぜ海兵隊が必要なのか、韓国やフィリピンなど、縮小基調にある米軍基地の必要性について、太平洋戦略の説明がないと内田さん。TPPに反対だという根拠は、FTAなどを進める韓国などと比べて日本は国情が違うからだという。階層社会化への国民的合意のある韓国と違い、日本は階層化圧力に抵抗してきた。家族制度も貴族を作ろうとしたが定着しなかった。〈日本は伝統的に一元的に集中していく社会ではない。江戸時代には270の藩があり、幕府の大老や老中はいくらでも代えられた。勝海舟や坂本龍馬も日本を「国」に統一するのに悩んでいた。日本は特異な統治構造だ。アメリカは建国理念があって国ができた。日本と成り立ちが違う〉。内田さんのTPP反対論は、日本人論でもある。〈日本には日本の事情がある。超高齢化、超少子化の日本のなかで日本人のポテンシャルをいかに活気づけていくのか。いまの条件を受け入れて、そのなかでパフォーマンスをしていく。発想をそう変えた方がいい〉。そのキーワードが「公民」だという。「私人」に対する「公民」だ。〈身銭を切って日本を守ろうという日本人が必要で、自己利益の追求ばかりだと共同体がもっと壊れる。そうした提言を政治が用意していない。公民が15パーセントいればいいが、いまや10パーセントもいない〉。「公民性」とは「痩我慢すること」でもあるという。「志操の高さ」が必要なのだ。〈倫理性、知性を持った公民的覚悟を信じるべきだ。近代市民社会の原点に立ち戻って考えるとそうなる。アメリカ主導で行われる国際政治の再編は、最終的にアメリカが自己利益を得るためのもの。理念が先でリアルがあとから着いてくる。アメリカの生き残りが最優先されるのがTPPだ。日本人は65年間、アメリカはそんな悪いことをしないと思ってきた。属国意識だ。もう少しエゴイスティックな戦略に警戒心を持つべきだ〉。これが内田さんの講演のエッセンスである。


「英雄の不在」ーー辻井喬さんの嘆き

2011-02-22 17:47:18 | 参議院

 2月22日(火)予定の合間に記録しておく。月に1回連載の辻井喬「過ぎてゆく光景」(東京新聞、夕刊)。2月15日は「英雄の不在」というタイトルだった。ギリシャのホーメロス作の「イーリアス」「オデュセイア」、イギリスの「アーサー王伝説」など、諸外国には英雄叙事詩がある。ところが日本には「万葉集」や「古事記」にも英雄が主役を演じていない。「平家物語」も悲劇の武将は語られても西洋的な英雄ではない。その理由を辻井さんは日本が島嶼国家であることや、文化の多元性などにあると分析。さらに帝国主義的な日本の歴史が「わが国の人々の性格を悪い方へねじ曲げてしまったのだろうか」と書く。そこでこう記している。「話は飛ぶけれども最近の国会での与野党の論戦を見たり聞いたりしていると、日本人の性格は悪い方へ変わってしまったのではないかと思われる光景にぶつかるのだ。党派や政党の大小を問わず、また男女の性別を問わず相手を口汚く罵り、机を叩いて挑発する議員の姿を見ると、とても選良などと言えないような気がする」。国会議員の一部は、自分たちがそのように見られていることをもっと自覚すべきだ。


石原都知事不出馬ーー都知事選の構図

2011-02-22 16:01:14 | 参議院

 2月22日(火)参議院制度改革の会議を終えて会議室を出たところで、石井一選対委員長に声をかけられた。議員食堂で雑談。そのなかで都知事選の話題になった。ある新聞が石原都知事不出馬を書くと石井さん。実は昨夜のことだが、上杉隆さんが「石原さんは出ませんよ」と断定していた。その翌日に不出馬の情報だ。朝日新聞記者に問い合わせると、ネットで流しているころと聞く。石井さんの話していた新聞ではない。石原さんは自分の政策を継承してくれる候補者ならよかったのだ。ただし蓮舫参院議員が出るなら自分も出ると考えていたようだ。しかし参議院の情況や年齢からいって蓮舫出馬はない。そんな情報も加味しての決断だった。では都知事選はどのような構図で闘われるのか。それは渡辺美樹「ワタミ」会長と東国原英夫氏の対決が機軸となるようだ。そこに民主党候補が参戦することになるはずだ。石井選対委員長は「3,4人の目星はつけている」と記者懇談会でも語っている。


一色正春さんに「sengoku38」について聞いた

2011-02-22 09:51:28 | 参議院

 2月22日(火)今日は午後から参議院選挙制度改革の第2回会議に出席する。夜は共同通信でエジプトなどの中東情勢について「不安定研究会」。昨夜は議員会館を出て神保町に向った。書店である書籍を探すがまだ入荷していなかった。「家康」へ。そこにいたのは上杉隆、藤本順一、畠山理仁さんたち。カウンターには身体の大きい男性もいた。あの「尖閣ビデオ」を公開した一色正春さんだった。「自由報道協会」の記者会見の流れで、富山商船高等専門学校の同級生もいた。店を出てから一色さんたちはもう一軒行きたいというので、上杉さんたちと別れ、なじみのワインバー「ボン ヴィヴァン」へ。15歳から20歳までいっしょに寮暮らしをしただけあって、まるで兄弟のようなやりとりだった。「アリタさんには会いたかったんですよ」というので「なぜ」と聞いた。一昨年に参議院議員に繰り上げ当選できたのに辞退したからだという。一色さんと話をしてわかったこと。ビデオを流出させたのは「同じようなことが起きたら、同じことを繰り返すんですか」という思いからだった。どうなるかの想定もしていたので、あまり動揺はなかったという。流出させた翌朝、テレビなどで大きく報道されていた。そのとき「これオレがやった」と奥様に打ち明けたとき、泣かれたことは想定外だったそうだ。息子さんがしっかりしていたと聞いてホッとする。そんな会話をしているとき「あっ、言っちゃった」と言葉が出た。「sengoku38」について聞いたときだ。自転車に乗っているときに思いついたという。「関西人ですから、しゃれですよ」とも。同じ質問を何度も繰り返し聞かれたが、「想像してください」とだけ答えてきた。同級生によれば一色さんは意見が違うときなどに「ここに38度線がある」とよく語ったそうだ。その「38」かどうかはわからない。どれくらいの人がビデオを見たのかと訊ねると「50人から60人。理論的には1万2000人が見ることができました」という。中国漁船の蛮行を隠すのではなく、すぐに公開すべきとの思いが行動に導いたことはよくわかった。