有田芳生の『酔醒漫録』

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代表選テレビ取材への違和感

2010-08-21 11:07:03 | 参議院

 8月20日(金)議員会館に前畑博さんとお孫さんの拓海君がやってきた。前畑さんは3年前に参議院選挙に落選してから昨年の総選挙で敗北するまで、事務所の「番頭」を務めてくれていた。練馬に事務所を構えて民主党推薦で東京9区から立候補する準備を進め、突然に11区(板橋)から立候補の要請を受け、大山に事務所を構え、昨年8月30日の投票日後まで、精力的に支えてくれた。今度の参院選挙でも地元で小集会を開いてくれるなど、これまでとは違った形で支援をしてくれたのだ。いっしょに食堂に行ってからお送りをした。人生の時でいちばん大切なことは人間関係である。前畑さんだけでなく旧知未知の多くの人びとに支えられて「いま」がある。あるテレビ番組からアンケートと出演依頼(録画)が来た。結局収録はなくなったのだが、アンケートがいかにも意図的だった。民主党の代表選挙で菅直人さんを「支持する」「しない」を二者択一で答えろというのだ。対立候補が出るのかどうか、出るならば両者の政策は何が打ち出されるのか。それがはっきりしない時点では答えられないと書いて回答した。選挙になれば私も責任を持って投票する。しかしそのプロセスにおいていくつもの条件が明らかにならない段階で「どちらかで答えよ」との発想はいかにも短絡にすぎる。番組を面白くするのは「菅VS小沢」だ。その結論を前提に番組作りをするから単純化が行われる。本当に大切なことは、いまの日本をどうするかであって、菅直人さんが再選されるかどうかは結果である。代々木上原の「いしはら」で湯川れい子さん、市川森一さん、杉本純子さんと会食。前回は敗戦慰労会、今度は「つるし上げ会」(湯川れい子さんの表現)。民主党政権への期待と現実の落差への批判は深い。                        


参議院選挙が終わって1か月の所感

2010-08-14 11:33:06 | 参議院

 8月13日(金)夏休みで閑散とした議員会館で実務および来客対応。参議院選挙が終わってからもう1か月が過ぎた。12日には新宿の紀伊国屋シアターで井上ひさしさんの「黙阿弥オペラ」を観た。熊谷真美さんの老婆と若い女性の二役にはビックリ。藤原竜也さんのスピード感あふれるセリフにも驚いた。江戸から明治に至る社会の変化のなかで、人間までもが変わっていってしまう。それに抗う狂言作者の河竹新七=黙阿弥。これは現代の物語でもある。昨日はある報道機関から取材があった。しきりに「センセー」と呼ぶので最後に「これからはやめてくださいね」と伝える。「そう言わないと不機嫌になる議員がいるので」と申し訳なさそうだった。医師と教師の「センセー」はわかる。12日夜に新橋の「いけだ」で不安定研究会の有志飲み会のとき、中国某新聞記者のGさんがみんなを「センセー」と呼んだのは、社会の文化になっているから違和感は感じなかった。ところが日本では尊敬の意味合いを覚えての「センセー」ではなく、悪しき政治文化としての「センセー」が横行しているとしか思えない。銀座の商いが長い「てつ」の主人は「名前を忘れることもあるから、この街ではセンセー、会長、社長って言っていればいいんだよ。楽だからね」と教えてくれたことがある。事業仕分けメンバーの公募があったが、申し込まなかった。ただちに拉致問題と重粒子線治療施設建設促進のために動かなければならないからだ。16日からの鳩山由紀夫前首相の訪中団に、重粒子線治療関係者が同行する。海外からの注目度は日本よりも大きい。臨時国会冒頭で新人は総務、国家基本、政治倫理の各委員会に「あいうえお」順に自動的に振り分けられた。私が希望しているのは文教科学、予算、拉致問題だ。おそらく9月第4週に開かれる国会前には所属委員会が決定となる。拉致特別委員会に所属することを強く希望している。昨夜たまたま必要があって3年前の「ザ・ワイド」録画を見た。参議院選挙が終わった翌日の放送で、私の選挙を追った記録が30分ほど流れた。スタジオで草野仁さんが「さて、これからはどうしますか」と訊ねてきた。私は「社会貢献します」といった趣旨を語っている。あのときからこの記録を封印していた。不安定な心境で見たくなかったのだろう。「振り返る」ゆとりもなかった。いま、相当に違った思いで生きている、夏。


「日本のいちばん長い夏」の薦め

2010-08-10 11:04:47 | 映画

 8月9日(月)国会の議員会館は閑散としている。議員が週末から地元に戻っていることに加えて閉会中ゆえである。名古屋から後援会長の樋者正昭さんが来訪。打ち合わせの後、雑務。夕方になり銀座「教文館」へ。「新潮」9月号とカール・マルクスの『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日「初版」』(平凡社ライブラリー)を入手。壹眞珈琲店で「新潮」掲載の丸谷才一「竹田出雲よりも黙阿弥よりもー井上ひさしを偲ぶ会で」を読む。「わたしたちは井上ひさしの芝居の、初演や再演や三演の小屋に足を運んで見物し、拍手喝采したことを、後世の日本人に対して自慢することになるでせう」という締めくくりに共感。井上ユリさんによればシベリア抑留を井上流に描いた『一週間』は、最初の連載2回ほどは米原万理さんも眼を通していたという。今年暮れか来初には江戸時代を舞台にした短編連作が単行本になるとも聞いた。「『一週間』は劇化できませんかねぇ」と訊ねると、「ひさしさんは書きはじめるときに小説か脚本かを決めていたから、それはないですね」とのこと。しかし映画にしたいという話はあるという。時間を見るとギリギリだった。急いで東映へ。半藤一利さんが編集者として昭和38年に『文藝春秋』で行った座談会(文春新書)を文士劇として再現した「日本のいちばん長い夏」を見る。政治家、官僚、作家など28人が集まって行われた座談会は、ポツダム宣言受諾の背景、原爆投下、ソ連参戦などをリアルに明らかにしていく。市川森一さんは村上兵衛、田原総一朗さんは志賀義雄、山本益博さんは人間魚雷回天に乗るはずだった上山春平さんを好演。迫水久常は誰だろうと疑問だったが、何と「ザ・ワイド」でも一時だがご一緒した湯浅卓さんだった。映画の前に金券ショップに行ったが扱っていなかった。上映も1日に2回。「今、この日を思い起こすのは、今度の戦争で死んだ『310万人』以上の同胞のことを忘れないためなのであります」。こうした趣旨の映画を多くの人たちに見てもらいたい。


「独航宣言」

2010-08-09 09:52:41 | 参議院

 8月8日(日)板橋区弥生町の竹山本店で「暑気」ならぬ「暑炎払い」。まるで「炎」のような暑さのこの夏。まだ1か月前には選挙の最終盤を駆け抜けていた。6日午前中は09年マニフェストを守れという集会に参加。昼食は総理官邸で輿石東参院会長などの御招待で新人議員が勢ぞろい。カレーライスを食べて官邸を見学。輿石さんはテレビで見てきたのと違って楽しい人だ。総務委員会では隣席が蓮舫さん。いくつか相談事。夕方に本会議。臨時国会が閉会。身体いっぱいに解放感が広がった。考えてみれば2007年6月4日に参院選挙に出ると記者会見をしてから3年2か月。参院選、衆院選をめぐる不条理の数々を経験しての時間軸からようやく解放された。「石(=意志)の上にも3年」を実感。ここで沈思した結果を宣言しておきたい。さまざまなグループからのお誘いに対してしばらく静観することに決めた。「飲み会」も自粛する。なぜならそれが「グループ」として認識されるからだ。新人議員13人の懇親会はもちろん最年長の呼びかけ人として参加するが、それ以外は「勉強期間」として「この眼」で党内外の動きを見つめていきたい。9月14日の代表選挙も、あらゆるグループの動向に依拠することなく、自分の判断で選択をする。「独航宣言」だ。政策論議の背後に透けて見える政局動向は有権者の眼には疑問に思われている。まずは政権交代をしたこの1年間を政策を機軸に総括すべきだ。「日替わり」ならぬ「1年替わり」首相は、もし菅総理が変われば4年連続ということになる。それでは国際社会から見れば政治後進国ではないか。予算成立と引き換えに解散、総選挙もありうる国会状況であることはよくわかる。しかし国会議員が依拠すべきは、当り前のことであるが、あくまでも有権者の生活に根ざした思いである。「一人の個人が、意志的な単独者へと自己を止揚するとき、その単独者に向きあうもの、それが敵である」(石原吉郎)。


慌ただしい2日間

2010-08-01 11:14:57 | 参議院

 7月30日(金)参議院総会、両院議員総会があったのが29日。国会のなかは複雑で、どこに行けばよいのかがまったくもってわからない。総会では名前が貼られた最前列に座る。新人は13人。紹介がありいきなり挨拶を求められた。「アリちゃん」と声を飛ばしたのは蓮舫さん。テレビでご一緒していたときから「アリちゃん」と呼ばれていた。夕方からの両院議員総会は憲政記念館の講堂で行われた。菅執行部に対する批判が続々。29人の発言者のうちの7割だ。あるグループが50人ほど集まって打ち合わせをしているとの情報は総会前から流れていた。改選54議席に対して当選44議席は敗北だ。しかしその原因を菅総理の「唐突な消費税発言」にだけ求めるのは無理がある。昨夏の政権交代に期待した有権者は、普天間飛行場の移転問題、「政治とカネ」をめぐる混迷に厳しい批判を行い、同時に日々の暮らし(経済状況)がいっこうに好転しないことにも苛立ちを見せていた。そんなことは「現場」を歩いていればたやすく実感として理解できることだ。政権交代への期待と現実との乖離が選挙敗北の理由だった。その原因は菅執行部だけではなく、政権交代後の執行部全体にあると私は思っている。かといって自民党政治に戻れという声が高まっていないことは、参院選挙の比例区票約1800万からもわかることである。「権力闘争」は世間から見れば「自民党といっしょじゃないか」と映る。30日は初登院。テレビ朝日の「やじうまプラス」に出演して国会正門へ。NHKをはじめとした取材の連続。でも結果的にはタレント議員優先の報道だったようだ。9時からは参議院総会。知人の新人議員と2列目に座ろうとしたら「新人は前に」と声をかけてくる幹部あり。しきたりなんだろうが強い違和感を感じる。石井一さんと喫茶室で雑談。10時から本会議。お隣は右手に社民党の又市誠治さん、左手に民主党の金子洋一さん。「アリタさん仲良くしてね」の声に後ろの席を振り向けば福島瑞穂さんだった。会館に戻り暇もなく書類整理。「紙との闘い」だ。午後3時から参議院で衆院議員をふくめた開会式。民主党「政調」説明会議、都連会議に出席して再び自室。ジャズを流してホッとする。