ちくわブログ

ちくわの夜明け

北朝鮮 よど号グループ取材記・13 また来ます。

2013-08-21 20:21:25 | 映画制作
訪朝5日目 その4。


最後の夜。
お別れ会でレストランへ。

車にて移動中、平壌市民が大勢歩いていたので、あれは何か聞くと、よど号グループ若林さん曰く「マスゲーム練習の参加者だ」とのことでした。

到着。
確か「ヘマジ食堂」と聞きました。


席に着くと、小西隆裕さんから一言。主に「赤軍40年」を経て出会った元連合赤軍兵士・植垣康博さんのこと、椎野礼人(今年『拉致疑惑」と帰国 ---ハイジャックから祖国へ』を編集、出版)さんのこと。
そしてわたしのことも。
「インタビューやらしてもらったんやけども…ああ、この人にね、僕らの気持ちが映像化されるっていうかね、それをこれから託していけるんちゃうかな、と」
というありがたい言葉をいただく。

「これらの出会いが、新しい出発になった。そうした感謝の気持ちを強く持ちました」
と。


そっからはもう飲めや歌え。ステージには女性も出てきて歌や演奏、われわれもカラオケを。




最後は全員が肩を組んでの『インターナショナル』。


“起て飢えたる者よ 今ぞ日は近し……”


こうして、最後の宴は終りました。
よど号事務所への帰り、夜景を見せてもらいました。



その後、事務所に戻ってもまだまだ飲む。主に植垣さんが。
この日、最後ということでかなり遅くまで飲んでいたような気がします。
植垣さんも珍しく、デロンデロンに酔っ払っておりました。

やっぱり、同志なんだろうなー、と。会えたことの嬉しさと、最後の夜という寂しさもあるのかな、と思いました。



翌日。
午前10時半ごろの飛行機で平壌を発つため、朝からよど号グループ皆さんで車にて平壌国際空港まで送っていただく。



イミグレーション前でメンバーの方々と握手。
小西さん「会えてよかった」と。


わたし達はこうして帰ることができる。
しかし、彼らはいろいろな事情で帰ることができない。

こんなに近いのに、北京を経由するとはいえ我々には簡単なことなのに。
そう思うとなんか少し、悲しくなってしまいました。



でも、まあまた来ます。






北朝鮮 よど号グループ取材記・終



前回まではこちら
【北朝鮮 よど号グループ取材記・1 北京】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・2 平壌へ よど号グループとの初対面】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・3 よど号グループ帰国問題談話・平壌観光】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・4 人民大学習堂/万寿台の丘】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・5 主体思想塔と平壌の遊園地】
北朝鮮 よど号グループ取材記・番外編 北朝鮮のハンバーガー
【北朝鮮 よど号グループ取材記・6 祖国解放戦争勝利記念館】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・7 大同江果樹農場】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・8 『赤軍という現象の歴史的再定義』】
北朝鮮 よど号グループ取材記・番外編 「犬食った。」
【北朝鮮 よど号グループ取材記・9 『北朝鮮という国』】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・10 『田宮高麿』】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・11 平壌の学校】
【北朝鮮 よど号グループ取材記・12 平壌の地下鉄】


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「拉致疑惑」と帰国 ---ハイジャックから祖国へ
クリエーター情報なし
河出書房新社
コメント (2)
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『証言 連合赤軍』

2013-08-17 19:14:21 | 映画制作
という。とてもまじめな本が発売されました。


今まで10冊発行されている「連合赤軍事件の全体像を残す会」の発行冊子『証言』。
本書はその総集編であり、追加として資料や写真、本書のため寄せられた文章が盛り込まれています。

約700ページ、約4500円のギガントボリュームですが、元になった冊子『証言』は絶版になっている号もあるため、これから連赤について調べたいという方にとっては、これでも安い!と思う。
そもそも『証言』が1冊1000円かそこらなので、全て揃えるとしたら1万とかになってしまいます。なのでここはひとつ、こちらの本をお勧めしておきます。


これを読めば連合赤軍事件のすべてが分かる大百科!!という本ではないんですが、ここにはいわゆる当事者と、それをとりまく人々の丹念なインタビューが「そのまま」綴られております。
そもそもの『証言』の価値がそこなんですが、いわゆるマスコミが踏み入らない領域を、この本では当事者自身がインタビュー側にまでまわり、踏み込んで、丁寧に言葉を掘り起こしております。

ワタクシの主観的な位置付けとしては、連合赤軍に関する諸々の代表的な本を読み、事件の流れを理解した後、この本を読めばよろしい塩梅かと。

一応、証言側として昨年の『連合赤軍殉難者追悼の会』におけるAさんの証言、そして巻頭他の写真で協力させていただきました。



この本は年若い皓星社の女性編集者が手がけております。(美人)
事件が起こった時代とはまったく関係の無い若い世代である彼女。
その彼女にはわたしの映画にも出ていただき、インタビューをさせてもらいました。そこからの言葉を要約。

「私自身、『証言』や事件に関連した本から受け取ってるものはすごくたくさんある。連合赤軍事件というものをフィルターにして自分自身のこと、社会のことを見てみると、すごく色んなことが分かる。そういったことを汲み取るためのハードを残すのが私のしたいことです」



以上。
買おう!!!『証言 連合赤軍』


証言 連合赤軍
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皓星社




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証言連合赤軍 10
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皓星社

証言 連合赤軍〈9〉四十周年殉難者追悼の会
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連合赤軍事件の全体像を残す会

証言 連合赤軍〈8〉棺を覆いて
クリエーター情報なし
皓星社
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豪雨の中で貧乏人がなんかいってる。

2013-08-03 03:45:24 | Weblog
ついに35を迎えた数日後の夕方、秋葉原でゲリラ豪雨に見舞われました。


傘持ってこなかったな、弱ったな、とエロタワー隣のオノデンで雨宿りしていると、面白いものでいろいろな人が。
きちんと傘を持ってきてた人、かまわず豪雨に打たれて歩く人、わたしと同じで雨宿りしてる人。


しかし… と思う。


まさか俺ァ、この年でこんなに金に困るとは思ってもみなかったよ!

もう少し、もうほんの少ーし順風満帆とはいかないまでもアレかな、と思って人生を楽観視していた。
正直に言おう、この年になって本当に恥ずかしいことですが人生なめてた。


いやあ、人生はワンツーパンチだなあ、と。一歩進んで二歩下がるんだ、チータの言ったとおりだなあ、と。

わたしがこうなった経緯は、つまるところこんな感じです。


ボーっとしてるわけにもいかないので、こうなったら日雇い労働者に復帰しつつ、映像のお仕事が来たらそれもやりつつ、とかそういった方向に行こうか、と思っていたのですが。
今、なんとかそれをやらんでもいい状況にはなってきてます。

だいたいは、昔知り合った方々、仲間のおかげ。

自分は本当にあまり「仲間」とかそういった感覚を意識せず、人脈とか縁とかを軽視して生きてきました。
そんなわたくしを救ったのが殆どにおいて自分自身のやる気や根性、才能などではなく、昔たまたま持つことができた「人脈」であり「縁」であり、つまるところ「人」そのものでした。


こんな自分にも、声をかけてもらえる。あの時に知り合った人達から、察してか、たまたまか、声をかけてもらえる。
情けなさと同時に、いやそれよりもありがたみが。

色んな人がいて社会は成り立っていて、それは自分自身だけではなく、他人がいるからこそ成り立ち、そもそも自分なんてものは隣り合う他人がいなかったら見えなくなってしまうものなんだ、と止まない雨を眺めつつボーっと考えておりました。


フト、隣を見るとうす汚れたオノデン坊やが。

オノデンの。おめえそんなナリでも980円ってのはなかなか威勢がいいじゃねえか。
売れなくたって、店頭に立ち続けて、己の存在を誇示し続ける。

俺もそんな存在になりたい。そう思わせてくれる粋な一品。


無論、買いはしなかったが。


漫画『ハーツ&マインズ』(いましろたかし)より。
何をやってもうまくいかない、不器用な兄・山下敬介に弟の敬三が「女を紹介する」「やらせてくれるからスッキリしろ」「こだわてちゃいい目に会えねえ」と言います。
敬介は勃起しつつも弟を殴り、口論の挙句こう言い放ちます。


「黙れッ ゲス!手前なんかに卑しい街を行く…… 野武士の気持ちがわかってたまるかァッーーーー!」






お付き合いありがとうございました。
お礼によかったらこれ見てって下さい。




以上。



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初期のいましろたかし―ハーツ&マインズ+ザ★ライトスタッフ+その他 (Big comics ikki)
クリエーター情報なし
小学館
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