ちくわブログ

ちくわの夜明け

日本海旅行記 【5】 五能線・青森

2010-08-27 02:25:02 | 
9時半に起きる。少しは良くなったか。熱も収まったよう。
しかし腹の調子がおかしい。このおかしさは普通の腹下しではない。この独特の痛さと胃への干渉は、間違いなく腸炎だ。

しまった。なんでこのタイミングか。


ともあれ、宿を出て再び五能線に乗り込む。
車窓はすばらしい。やっと本格的な日本海が見えてきた。

これまでの旅路でも見えていたものだが、五能線に入ってからの日本海はさらに荒々しさが増しているように感じる。

しかし五能線、後半の深浦以降は一日に数本しか出ていないのを知らなかった。
岩館駅にて3時間半の足止めをくらう。

駅といっても何もない。
本当に民家以外はない。
海があるのみ。
当然飯も食えない。
歩いているおばちゃんに聞いてみても「ねえヨ」と。

一応食べログアプリを起動させてみたが、今はやっていないイカを食わせる店が表示されたのみだった。

しょうがないので寒さをこらえて海まで行く。風邪をこじらせたくないので、無理はしたくないけど。


さむい!!!
そして荒い。
ただただ押し寄せる迫力。
まさに日本海。


あの波しぶきは何メートルあるのか?
スケールが、今まで見てきたものと違いすぎて、よく分からなくなる。
吹き付ける潮風、岩に飛び散るしぶき、脳に響くような波の音。
これが日本海か。


海辺へ来ると、遊んでいたカモメが群をなしてやってきた。
なにか餌でももらえると思ってやってきたのだろうが、それすら恐ろしかった。

寒い、荒い。そして大きい。
これが日本海。
絶対に変わらない、この力強さ。


間断なくたたきつけられる、凍てつくような潮風。
目の前の大きすぎる海。
なぜかはよく分からないけど、「死」について考えていた。
弱った身体で、誰も知らない土地で、圧倒的なものを見る。
そうすると自分という存在が不安定に思え、このまま波濤の隙間にするっと消えて無くなってもおかしくないんじゃないかと思うようになる。
そういう抽象的なことだけでなく、実際「あそこの防波堤立ったら死ぬな」とか「波に飲み込まれて死ぬときって何を考えるのか、それとも何も考えられないのか」とか「愛する人がもしこの波に飲み込まれたら、僕は助けに行かず冷静にレスキューを呼んで対処するであろう」といった具体的なものまで。


どこどこの景色が見てみたい、なになにの文化に触れたい、と思って旅をする。
しかし、実際にそれらに触れると、ひるんでしまう自分がいる。
情けない。器が小さい。そんな自分が嫌だ。

でも同時に、その小ささが知りたくて旅をしているのかもしれない。



残りの2時間半あまりは、駅舎で過ごした。
思ったとおり体がだるい。胃から腸にかけて鈍痛が止まない。


17時過ぎ。岩館まで行く五能線が到着する。
それに乗り込む。

ちょうど日が暮れかけた時間だった。
空気が違うと空も違う。夕陽がとことん赤い。
都会のようにゆっくりとしたグラデーションではない。
赤は赤、青は青だ。


車窓から見える景色はいつまでも寂しい。
iPhoneの電波も入らなくなった。
ソ○トバンク、日本海に全力で土下座しろ、と思った。

18時15分。
しかし到着した深浦はしっかりした港町だった。
電波も入り、お店もある。
ただ相変わらずひたすら寒い。

駅舎での待ち時間の折、旅館を探しておいた。
そこへ向かう途中、田舎には不似合いなこじゃれた定食屋で、焼きうどん¥600を食べる。
助かった。あったかい。


19時過ぎ、宿に到着。
一泊¥4200。いたってふつうの民宿だが、宿のおばさんが寝ていて暖房がついておらず、部屋へ入ったとき、息が白かった。
客は俺のみ。
とにかくゆっくり休みたい。

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なついあつ

2010-08-21 00:46:33 | Weblog
暑いですね。
みなさんいかがお過ごしですか。

いろんな汁撒き散らしながら夏を謳歌してますか。
僕は相変わらずです。



ちょっといっちょまえに忙しいので更新どうしようかって感じだったのですが、しないとしないでなんか落ち着かない。
だからといってネタ系書くような時間も気力もない。
それで中途半端にこうしてカキカキしております。

忙しいのはなまけていたためです。
いつものように自業自得です。
ずっと編集しております。


で、お家で作業すると狭い上、イスが良くないので在宅編集は嫌いなのですが、このたび一念発起しまして、ちょっといいイス買いました。
ネットチェアーってやつ。
デカイので、部屋に入れて机に合わせるのに難儀しました。
しかしこれがなかなかアンバイよく、狭い部屋の中でちんまりと一点豪華主義といった感じでしょうか。
実は安売りで安かったんですが。


さて。
夏ももう終わりですね。ざまあ見ろ。
今年やった夏らしいことといえばスイカ食ったことくらいでしょうか。
あと自慢ですけどベランダから花火が見えるんですね。ぽんぽんうっせえなーと思って外見るといつもびっくりします。

夏に対する私怨は数限りなくありますが、そこはやはり5年前と違ってクールに決めたいところ。
つうか5年続くってすごくないですかこのブログ。
誰も期待してないことを5年続けるってすごいよなおい。



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福島菊次郎『遺言part3』

2010-08-10 03:23:56 | 映画制作
学生運動に関するドキュメントを撮ろう、と思い立った契機はいくつかありますが、そのひとつに一冊の写真集『ガス弾の谷間からの報告』との出会いがあげられます。

1969年に発行されたこの写真集は、神保町の古本屋で偶然手に入れました。
ぼろぼろのそれは、しかしものすごい迫力で、いわゆるマスメディアで目にする「報道写真」とはまったく違うベクトルの、確固とした主張がある強烈な写真たちでした。
それからわたしはこの写真集の著者であるカメラマン・福島菊次郎さんを山口県まで尋ね、取材するにいたるのですが(そのへんのことは「ある写真家のゆくえ」にて)、その橋渡しを担ってくれた講演会が今年、再び行われることとなりました。

最近「また福島先生と会ってみたい」と思っていたところでした。
89歳。これが最後の上京になるかもしれないとのこと。
徹底した反権力の目から紡がれた、報道の真の姿を見ることができます。

当日はわたしも運営をお手伝いし、取材もさせていただきます。
以下、主催の方より告知メールをいただいたので転載。


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伝説の報道写真家・福島菊次郎『遺言part3』最終講演会&写真展のお知らせ

■講演会■

2010年8月14日(土)午後1時開場、2時開演

府中グリーンプラザ・けやきホール(京王線府中駅北口徒歩1分)

資料代1000円(前売り800円)

*聞き手 山本宗補(フォトジャーナリスト)


■写真展■

2010年8月14日(土)~16日(月)午前10時~午後7時(初日14日のみ11時開場)

府中グリーンプラザ5階展示ホール

入場無料

【主催】福島菊次郎講演会実行委員会:
連絡先090-5764-8713 ketmi-peace☆docomo.ne.jp (☆を@に)



<勝てなくても抵抗して 未来のために一粒の種でもいいから蒔こうとするのか 逃げて再び同じ過ちを繰り返すのか……>

いちばん弱い者たちを最も苦しめるのが戦争なのだ。
この国の憲法を変えてはならない。

伝説の報道写真家、89歳。

戦後史の証言者となった人生の航路をたどりつつ、
混迷の時代に今一度、戦争の爪痕を突きつける。



2年前に引き続き、山口県から東京・府中市に福島さんをお迎えし、最後の講演会を行ないます。写真展には代表作をすべて展示します。また、4年がかりの書き下ろし『写らなかった戦後3 福島菊次郎遺言集 殺すな、殺されるな』(現代人文社)を会場で先行販売する予定です。

なお、現在スタッフ募集中です。搬入・搬出などをお手伝いいただけるかたはご連絡を。



【福島菊次郎プロフィール】

1921年、山口県下松市生まれ。

1960年に上京、プロ写真家となる。

戦後、国に見捨てられた被爆者の苦しみを撮影し続け、『ピカドン』を出版(1961年)。上京後は三里塚闘争、ベトナム反戦市民運動、全共闘運動、自衛隊と兵器産業、公害問題、若者の風俗、福祉問題、環境問題など、多岐にわたる現場を取材。海外では中近東、アラブ、ソビエトなどを長期取材。

いかなる政党・セクトにも属さず。

『文藝春秋』などの総合雑誌グラビアに3300点を発表。写真集は10冊を超える。

その後、文字による『写らなかった戦後 ヒロシマの嘘』(2003年)『写らなかった戦後2 菊次郎の海』(2005年)を出版。

論評、エッセイなど多数。

また、「写真で見る日本の戦後展」など写真展を全国で開催、1989年から現在まで700カ所以上に写真パネルの貸し出しを行っている。

賞歴:カメラ誌ベストテン賞(1952~54年)、山口県芸術文化奨励賞(1958年)、日本写真批評家賞特別賞(1960年)などを受賞。

1982年、国とマスメディアに絶望し、自給自足の生活をめざして瀬戸内海の無人島に入植。

戦争責任を問い続け、文字どおり命を懸けたジャーナリスト「伝説の報道写真家」として知られる。2007年と2008年に東京で開催された「遺言講演会」では、会場にあふれる老若男女を前に、長時間にわたりジャーナリズムのあり方などをタブーなく論じた。

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ご興味ある方は是非。



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うち水っ娘大集合に行ってきた

2010-08-05 18:28:04 | しゅみ道
よく下町の軒先とか、ちょっと小ぎれいな料理屋でおばちゃんがまいてるあの水ね。
確かにまかれた後を通ると少し涼しい感じがしますよね。

先日秋葉原で行われたこのイベントなんですが、いわゆるそういうことを街ぐるみでやろうというお祭り的イベントで、「地球温暖化対策の啓発活動」なんだそうです。
もちろん秋葉原なんで、メイドさんやコスプレさんが参加し、ぶっちゃけ経済効果もアップ!みたいな極めて地球と地域に優しいイベントであります。

たしか去年だったか一昨年だったか、偶然このイベントに出くわしまして、「ホウホウこいつは後学のために」とばかりにカメラを取り出したのですが、その場所がメイドさんの真後ろだったためか、スタッフ(女性)に睨まれたあげく、ガッチリとガードさせられてしまい、たいへんな辛酸をペロペロとなめさせられた憤懣やるかたない思い出があります。

ふざけるんじゃないと。
そうじゃないんだと。
僕は「地球温暖化の啓蒙活動」の一環として素晴しいことをやっていらっしゃる、と。
こういった光景はのちのちのために残しておく必要があるであろうという、いわゆる都市理論的見地からカメラを取り出したんだぞ、と。
極めて遺憾であると。

そう思った次第なんであります。


今年もまた行われるということを聞きつけましたわたしは、もちろん今回、正面から堂々と撮影してきました。
以下の写真を見ていただければ、わたしの都市理論的観点と、地球温暖化に対する一定の思想を汲み取っていただけるのではないか、そう考えております。


場所は秋葉原駅西口交通広場。参加するメイドさんも多ければ、ただそれを撮影しに来るという不逞の輩も多い。堕落した日本人の姿がここにあるといえよう。

当日はギラギラと刺すような気温ではなかったものの、それでも暑い中を待ち続けるメイドさんの表情には、正義を行使せんとする凛とした佇まいを感じさせた。
この日、最高気温31.1℃である。

いよいよ打ち水がはじまる。
我先にとはばたくメイドさんたちの後姿に瞠目するばかりだ。

整列。この時より、千代田区より世界に向けた市民の戦列が顕現した。

“ピースサイン”である。
ピースサインの由来には諸説あるが、ここは「平和への希求」と受け取るのが妥当であろう。

懸命に水をくむメイドさんたち。ちなみに、使用する水は全て「一回使った水」とのこと。気のせいか、ちょっとにごってた。

ありがとうございます。

都市理論的観点からすると胸、太ももはもちろんとして、女性の二の腕からわき、胸にかけてのラインは、やはり視線誘導の積極的な役割を担っていると言える。
一方でわき見、よそ見による事故に繋がるため、じゅうぶんに注意されたい。

ジオン公国からも視察が訪れていたが、邪魔なのでどいていただきたい。

実際の打ち水の様子は少しばばかり動画を撮影したので以下を参照のこと。途中、銀河帝国突撃兵による妨害工作も入るが、これを撃退する勇ましい姿もとらえた。
(30秒ほどの動画です)



涼しくな~れ♪

途中、「オホホwwフヒョフヒョフヒョwwホホーウww」という奇声が入っておりますが、わたくしの名誉のため断っておきますと、わたしではなくわたしの隣にいた秋葉原原住民らしき方の声です。


さて。
最後に参加していたメイドさんたちのそのさまざまな種類をご覧いただこうと思う。

最もオーソドックスなタイプ。個人の力量が問われる。内股が激しく主張しているのにも好感が持てる。
暑い中みんな元気があってかわいい。

向かって左、赤い彗星の彼女は、後でチラシ配りの折に路上で遭遇するが、受け取っただけで「ありがとうございますご主人様!」と挨拶してくれた。
こういうのにやられるんだ。

必殺の絶対領域をあえて封印し、網タイツという裏手を使用。おまけにノースリーブからの眼鏡ときている。これはもう本当にありがとうございます。

80年代の香りがたゆとうオリジナリティあふれるスタイル。秋葉原に原宿的要素を大胆に持ち込んでいる。

素晴らしいと思う。はいからさんが通ってると思う。薙刀とかで惨殺されたい。

がんばってください。


以上。

都市理論的見地から言って、やはり現在の秋葉原にメイドさんは欠かせぬ存在であることは言をまたない。
そういった不可欠のシンボルと「地球温暖化の啓蒙活動」という大義を持ち合わせた今回のイベントは、その場でしかできないというお祭り的意味、都市、地球とその未来に関わりを持つものとしてはたいへんに意義深いものとしてとらえられる。

そしてしかし、一抹の不安は、やはりわたしはただ単にメイドさんを見に行っただけだったんじゃないかという、ある意味の自己否定から醸成される嫌悪感である。

ていうかそうなんですけど。


スタッフの皆様、暑い中お疲れ様でした。

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虹をみた

2010-08-03 03:19:20 | 
この前、久しぶりに虹を見ました。
USJのショー、『ウォーターワールド』でなんですけど。

劇中、ヒロインが放水攻撃するんですね。
したらほわーっと虹が。



なんか感動したんで。
そんだけです。
すんません。以上。ズギャンズギャン


行ったことない人は是非。
楽しいよ。





お話とかは、わりとどうでもいい。

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