ちくわブログ

ちくわの夜明け

写真

2008-03-31 01:57:23 | Weblog
高校生の頃、日記をつけていた。

ここ数年読んでない。本棚の奥の、たしかあの辺に置いてある。
読まないのは、読んでもつまらないし、痛々しいから。
自分はいつも過去が痛々しく思える。一種の自己憐憫なのか、でもそんなにお耽美なものでもない、ただ単に「恥ずかしい」という・・・・

それでもその頃から日記をつけ、こうして今もブログなんか書いているのは、どういうわけだろう。



同じ時期か、ちょっと前から、カメラを持ち歩くようにもなった。
当時はデジカメなんてものもなかったし、コンパクトカメラを買うお金も無かったので、インスタントカメラを買っていた。
ただ単に「記録」として残しておきたかったから、というのが持ち歩く理由。

日記にしろ、多分同じ理由だろう。
確かに、あの日記ってすごく覇気がない。字も汚いし、「誰かに読まれる」ということも意識してないから、文体もメチャクチャ。

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ある日。
T子さんの所属する写真グループの写真展に行った。原宿の奥の、こじゃれた展示スペース。せっかくなので、その子のだけじゃなく、グループの他の人の作品もくまなく見る。
「わたし、ヨーロッパの空が好きでー」
と、ある女の子が言う。
彼女の写真は、その通り、ヨーロッパの空を、なんとなくモノクロで写したものだった。

全体が、そういう感じだった。
なんとなくという感じ。そして、それを「良し」とする仲間達。頭の中が「?」となった。
「それで、何が言いたいん?」
口が裂けてもそんなこと言えない、平和な空気がその会場にはみなぎっていた。
自由に意見を述べるには、あまりに統率されている。

価値観の共同分配っていうのか・・・
あ、なんか共産主義的だ。どうでもいいけど。



ある意味、それは正解なんだろう。
趣味ってそういうものじゃないか。楽しくなければ意味がない。そしてそれを共有できる仲間がいれば、なおよい。

ああ。
俺の写真や日記といっしょじゃないか。他人の目を気にしない、自分の世界。こんなエラソウなこと書いてて、こうして写真をバカバカ貼り付けているのも、自己満足の世界だからか。
競争相手なんてものは存在しない。

最近、何人かから写真をほめられた。
「あ、そうなん」と、その気になったことで事態は思わぬ方向に。
このブログを始めた頃から使っていた愛機、「Optio X」に代わり、リコーの「R8」を買った。
黒一色のボディがシブい。

ある日。



フォトグラファー、つまりプロカメラマンの某氏と会う。
最近のお仕事で撮影した作品の数々を、彼のノートPCで見せてもらう。彼の専門は主に人物だが、中にちらっと、夜景のサムネイルが見えた。
「あ、ちょっと見せて」と覗き込む。

カッコよかった。
なんとなく撮ったものらしいけど、えらくカッコよかった。

ふと。

「うおーー。なんか俺ピエロみたい。すげえいい気になってた。アホか」
と・・・・なった。


実際、アホだ。ちょっとほめられたからっていい気に。新しいカメラまで買って。
褒めちぎられながらボールの上で一輪車に乗り、お手玉やってるこっけいな道化師よ。
それでもこうして書き続け、貼り続けるのは、きっとその内、こういう「過去」を誰かと共有したいからなんだろうか。

彼女達もそうなんか。
知らん。

コメント (4)
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関西ぶらり旅(後)

2008-03-29 19:35:01 | お仕事
つづき

時間はたっぷりある。
せっかくだから絶対楽しんでやる。もはや脅迫感に似た心もち。

夜の動物園前~飛田を歩く。
「西成暴動」でおなじみのあいりん地区。一泊千円とかそんなドヤが、そこかしこにある。商店街にはスナックから下手糞な演歌のカラオケが漏れ流れ、いやがおうにも旅情は高まる。
ぽつぽつと行き交う人々は・・・ホームレスなのか何なのか分からないおっさん達とか・・・なんか・・・俺も・・・・この今のフリーという仕事がダメになって・・・そうすると社会から断絶されるわけで・・・ゆくゆくは・・・
年をとって親類にも顔向けできなくなり彼女も相変わらずいなくて、ずっとひとりで・・・・・ああーー
そういったふうになったら、こんな土地に身を置いてみるのもいいかもしれない・・・・とか。歩きながら断片的に。思った。

やがて目的地の飛田新地へ。
料亭街をあるく。呼び込みのおばちゃんは例外なく声をかけてくる。「おにいちゃん、ちょっと、見てって」「ちょっと、いいから。見てって」声に声がかぶさるようだ。
一回りし、気に入った店で小料理に舌鼓をうつ。

小料理に舌鼓をうつと腹が減るので、新世界のほうに戻り、以前も大阪に来たときに訪れた串カツ屋で一杯やる。

満喫した。帰ってまた少し飲み、寝る。


■某日
チェックアウトぎりぎりまで寝た。
大阪駅からバスで3時間弱の、南あわじ某所へ。移動は好きだ。でも、こう移動が続くと、ちょっと飽きてくる。

たどりついた頃には夕暮れが迫ってきていた。予約を入れておいた旅館に荷物を預け、街を探索する。
 
通りに均等に並ぶ神社、古めかしい商店街、すらっと伸びる小路。
なんてことはない漁港なのだろうけど、見るもの全てがなつかしい。こういう日本って、なんで俺、今まで知らなかったんだろう。


■某日
翌朝、5時に起き、ロケ予定地の漁港へ。
漁に出るのは20名以上で、けっこうな規模。海の男らしい、あらあらしいが温かみのあるしゃべり方で迎えられた。
朝焼けの中、漁に精を出す姿は神秘的だった。
加工工場も見学させていただく。みんな一丸となっていて「働く姿っていいなぁ」と思わせる。


ロケハンを終え、漁港を後にする。
駅は無い場所なので、タクシーを呼んで再び宿泊していた漁港へ。次は姫路。バスが出るまで時間があったので、また街を一回りし、喫茶店でカレーを食う。

バス→電車と乗り継いで、姫路に到着したのは夕方。
プロデューサーやキャストの方が到着すると飲みが始まるので、それまでにせっかく初めて訪れた街を探索する。
2時間近くかけて駅前の商店街から姫路城近くまでを歩いてまわる。
商店街の奥、はじっこのほうに、たたずまいが素晴らしい食い物やがあったので、入る。
 
おばあちゃんが一人できりもりしていた。お客は、地元の常連親父さまがふたり。ほとんどアル中ではないのかという呂律の回ってない関西弁が印象的。
たぶん、今から飲むことになるので、酒は控え、他人丼を食う。つゆだくだが、優しい味がした。
店を出るとき、おばあちゃんと一緒に客のおじさんまで「はいありがとうー」と何気なく言ってきた。そういうなんつうか。信頼。


やがて携帯にプロデューサーから連絡が入る。
これから飲みだ。
スタッフが合流し、明日はロケ。一人は終わった。さてがんばろう。
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関西ぶらり旅(前)

2008-03-23 00:36:35 | お仕事
今やってるお仕事も残りあとわずか。
キツかったけど、楽しいことや新しい体験もいっぱいできた。特に移動がめちゃくちゃ多いっていうのは、あこがれていただけに最初はうれしかったです。
しかし現実そうなってみると、移動そのものにロマンを感じなくなってくる。特に新幹線なんて、はっきしいって年末に実家帰るとき、ふんぱつして名古屋まで「こだま」で行くのが関の山で、「新幹線に乗る」つったら、それだけでもうワクテカしちょった。
最近でもお仕事で2,3ヶ月にいっぺん、乗ることはあっても、まず先月から今月のように一ヶ月に何度も、なんてことは無かった。
他に移動することはあっても、プライベートでなら高速夜行バスで移動するのが常でありました。

そういった折、どういうわけか5日間も「行ったまま帰ってこれない」という状況になってしまうことがありました。



■某日
和歌山の某漁師さんを訪ね、魚を一本釣りしてるところを撮ってくる、というミッションが課せられた。
曰く「釣れるまで帰ってきたらダメだよ」とのこと。うへえ・・・
というのも、このロケ自体はもう終わっているのだ。ただ、ロケに行った日に釣れなかったという。なのでインサート用に別で撮ってくる、というのが内実。実はこの撮影、わたしもロケハンには参加しており、こう聞いていた。
「魚には二種類の旬があって、たくさん釣れる旬と、美味しい旬。今この魚は『美味しい』旬。だからあんまり釣れないんだよね」
たしかに、その時ご馳走になった、刺身と湯引きしたもの、そしてお頭のスープは驚くほどうまかった。銀座なんかでこういうの食べたら、いくらするか分からない。

「釣れなかったら・・・どうなるんだろう?最長何日なわけ・・・?」なぞと暗鬱な気持ちで車窓を眺めつつ、和歌山駅へ向かった。


■某日

出港の時間に合わせ、技術さんたちと現地漁港へ。
まだ暗いうちから船は出る。さえぎるものがない海の風は、恐ろしいほど冷たい。骨身に凍みる。
久しぶりに一本釣りの漁師・Kさんと再会。聞くと一応、日に1匹は釣れているらしい。昨日釣れたという80センチクラスのデカいのを見せてもらった。
「・・・・・シーラカンスみたいですね・・・」
デカいのはグロイ。
なんだかうまくなさそうだ。
そうこうしているうちに船酔いしてきた。やばい吐きそう。
しかし!前回のロケハンで地獄見たので今回はちゃんと酔い止めをもってきた。えらい。
効き目はバツグンで、その後帰港するまでまったく酔わなかった。

かれこれ2時間ほど糸をたらしていると・・・・
「きた」
というKさんの言葉。さっとカメラを構える技術さん。わたしもモニターにダッシュ。Kさんの手がくるくると糸を巻き上げる。ややあって、水深50Mから引っ張られ、水面に浮かび上がる魚影。やがてそのピチピチとしたのが船へ釣り上げられる。
また次に釣れるとは限らない。手早く、指定のカットを撮影してもらい、船のいけすへ。
モノは60センチ程。ヒレも綺麗で、大きすぎない、ちょうどいいサイズ。申しぶんない。
「ふぃー、やった!!よかった!釣れましたね!!」
それぞれが(特にわたしとKさん)「使命を終えた」という安堵につつまれ、ようやく場がなごむ。

結果的にはもう一匹連れた。
ちょっと画角を変えて、これも撮影。おそらく、ディレクターもこれで満足してくれるだろう。

帰り、Kさんに聞いた「うまい和歌山ラーメンを出す店」で技術さん達とラーメンを食う。地元の人しか知らない、マスコミに出ないような店。
そういう店を、マスコミの一旦であるわれわれが訪れて食す。
おすすめ通り、とてつもねえウマさだった。スープまで全部飲んだ。思い出すと、こう、じゅるりと・・・・

技術さんの車で大阪まで送っていただき、駅前のネットカフェで次のミッションである「南あわじでのロケハン」に関する調べもの、そして先方の関係者と連絡をとる。
「明日なんて、いきなり無理だよ」
やっぱり。では明後日ということにしていただく。

あ・・・・つうことは。
やった!まる1日空いた!!
「いや~まいりましたよ~」と、内心ぜんぜんまいっていなく事務所に連絡を入れ、足止めになったことを伝える。

さて。
どうしよう?今日、このまま南あわじに移動もできるが、まずもったいない。とりあえず大阪駅近くで宿をとり一休み後・・・日が暮れてわたしは地下鉄「動物園前駅」へと移動したのです。


つづく
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「手紙」

2008-03-10 23:59:38 | お仕事
このころ、何こさえてたかと言いますと、上記の写真のようなショートムービーを制作しておりました。

わたくしは制作、脚本、撮影、監督、編集を兼任しており、現場のみスタッフがつく、というやり方でした。というか、そういうやり方しか出来なかった。人がいなくて。

映画って言うのは、つくづく人に迷惑がかかるものです。
かけないで、さわやかにこなしてる人を見ると不思議でたまりません。本当にどうやっているんだろう。
途中、いろいろあって「ああ、こりゃやばいなー」と思ってたまらず、手伝ってくれそうな、社のメディア露出(広報?)関係を担当してる娘に声をかけたのは正解でした。この娘がメンバーに入ってから、詰まっていたさまざまなものが、するするっと流れてゆきました。
感謝深謝。

人ってのはつくづく、1人ではたかがしれているなぁ。
人との関係性の中で作品を産み出すことも、そろそろ学ばなければいけない、そういうことを教わった映画製作でした。


それにしてもなによりも、こうしてお金をいただいてショートムービーであれ、1本の映画を作らせてもらえる、というのはたいへんな喜びでした。
つっても用途がいわゆるB to B(ビジネス・トゥ・ビジネス)ってやつなので、一般の方々にはめったにお目にかかることはないのですが。



『手紙』
主演:金沢映子 浦えりか
制作:株式会社ビー・スタイル

ストーリー
いつもの朝をいつもの朝食で迎える母娘。
就職したばかりの娘、やがては巣立っていくであろう娘、それに対する自分自身の変化のなさに母はあせっていた。
「本当にこれで、よかったんだろうか・・・・」
そんな時、娘の机の上に、母にあてた何気ない手紙をみつける。
「おかあさん、いつもありがとう」
感謝の言葉から始まるその手紙は、母の心にある決意をともす・・・
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休日

2008-03-04 05:51:46 | Weblog
すごくお久しぶりです。

突然翌日が休みになることが判明した一昨日の夜。
それはでっかい山をやっと乗り越えたその日でした。
ここのところ、千葉の方や都内でのロケ、そしてそれに関わる準備などで「忙しい」というより、すごい時間拘束されてました。別件でディレクターさんの代わりに、大阪へロケ行ったりもしました。

こんなんだったから、自分の時間なんか取れるはずもなく、悶々としてたんですね。こういう気持ちになって今の現場の人たちを見てみると、「俺ってつくづくこの業界には向いてないなぁ」と自覚させられます。
でもこういうのは、もう今月いっぱいなのでなんとか乗り切ります。ありきたりな言葉ですが、「いい経験」にもなるし。


さて。
「わーーー明日休み!!」とはしゃいだわたしは、早速に家には帰らず、新宿のサウナへと向かいました。
ゆっくり風呂につかり、仮眠室で翌昼まで熟睡。
そして久しぶりに、フォトグラファーのコンソメさんと会う。
積もる話を積み積みしつつ大久保の焼肉屋へ。昼間っからビールで焼肉ランチといく。
「うまい!!!」
ああ、焼肉ってうまい。なんでこんなにうまいんだろう。久しぶりにこうやって気のおけない仲間と食べるメシも、また格別です。

その後西口へ向かい、ヨドバシのカメラ館で各々ちょっとした買い物を済ます。
特に何をするわけでもないので「茶でも飲みますか」と、近くのスタバへ。

ひとしきり近況などについて話した後、日が落ちる前に思い出横丁に場を移し、うまいモツ串を出す店で軽く飲む。
ああーなんだか西口をこうやって楽しむのも随分と久しぶりに思える。実際、そんなに久しくもないんですが。この店は何を食ってもうまいので酒もすすみます。

しかし今日はほどほどにし、コンソメさんとお別れしたわたしは、再び歌舞伎町に戻り、これまた久しぶりの映画を堪能しました。
絶対観ようと思っていたリドリー・スコット監督の『アメリカン・ギャングスター』。
こういった純粋な「映画らしい映画」って本当に久しぶりに観るような気がします。昔っからある、骨太な、信頼のおける監督の、信頼できそうな映画。
思っていた通り、見た後「良かったな、観に来て」と思えるようなものでした。特にラッセル・クロウの刑事はヒーロー然としていなくも、敵味方問わず、悪に真っ向から立ち向かっていくさまが痛快でした。実話を元にしているだけあって「本当にいそうだ」と思わせる親近感や人間くささがありました。


あー、堪能したー。いろいろと。
さて、明日からまた地方です。これが済めば、また少しは余裕も出てくると思うので、もうちょっと、がんばります。
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