この世で最も強い者は、最も孤立した者。
イプセンの戯曲『民衆の敵』の最後。
民衆がトチ狂っているときは、勇気を出して民衆の敵となれ、それが一番強い者だよ、って文脈。
以下笹部シリーズの訳では、
この世で一番強い人間ってのは、
一番孤立した人間ってことだ
とある。
自ら省みて正しくんば、千万人と雖も吾往かん、の気概を持つ者が最も強い、ってことですかね。
この言葉は、水俣病の細川一(はじめ)医師に愛された。
細川医師は、チッソ関連病院院長で、病院(雇い主)のためには、水俣病が水銀(チッソ廃棄物)が原因とは言わないほうがよかった(言ってはならぬというすごいプレッシャーがあった)のに、それを言った。
猫400号実験の結果など。
肺がんだったけど、裁判の尋問(病院へ出張しての尋問)で、実験結果等を再度きちんと言って、その3か月後に、お亡くなりになりました。
死の3か月前の、最期に遺したかった、尋問での、正義。
細川さんも、キリスト教で言う、義人(righteous person)の一人だったのでしょう。