足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

年末相場で投資する株

2015-11-23 06:59:38 | 投資戦略
米国では医薬品会社のM&A(買収)合戦が続く。世界最大の企業ファイザー(PFE)が話題のアラガン(AGN)に買収を仕掛けた。アラガンは昨年、後発企業のアクタビスに買収された企業だ。買収後、被買収企業のアラガンの社名が存続された。アラガンはしわ取り注射薬「ボトックス」で世界的に有名な企業である。社名の知名度の高さからアラガンという名が残った。
アクタビスは後発薬企業でここ10年間、業界の平均を大きく上回る成長を遂げてきた。ジェネリック(後発薬)で稼いだ潤沢な資金をR&D(研究開発)に投じ、バイオ分野でも稼ぐ製品を育ててきた。この買収劇にはヘッジファンドも加わり大きな利益をあげた。
新生アラガンが誕生して間もないのに、業界の王者ファイザーが1500億ドル(18兆円)での買収を仕掛けたのには多くの投資家が驚いた。大物同士の合併で実現すれば超大型ヘルケア企業の誕生である。
買収の最大の目的のひとつは節税である。アラガンの本社はアイルランドで税金が米国よりはるかに低く、新会社には大きな節税効果が生まれる。
このように米国のヘルケア関連株は成長で蓄積したキャシュフローを蓄積し、新薬の開発に資金を振り向け次ぎなる成長を図る。これまでからこの種の事例は多くみられた。
注目したいのは昨年アラガンを買収したアクタビスは後発薬の大手企業であったことだ。ファイザーは最近、後発薬のホスピラを買収したばかりである。
米国でも政府は医療費の削減に全力を入れ予算の増加を抑える。後発薬の育成は大きな国策である。

先週から東京市場でも年末高人気が高まってきた。人気の先頭グループのひとつは医薬品株で小野薬品(4528)、塩野義製薬(4507)が先導している。この人気は今後は横に広がり、しばらく休息してきた後発薬(ジェネリック)も動くだろう。
日本調剤(3341)に注目。調剤薬局ビジネスから自ら製薬分野に足を踏み入れ成長を図る。
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ヘルスケア関連の幅を広げる

2015-11-21 06:57:32 | 投資戦略
金曜日のNY株は堅調。今週はプラスで終わった。
相場を牽引したのは一連の消費関連である。最近の人気株ナイキ(NKE)が増配、自社株買いを材料に買われ、他の消費関連にも人気が波及した。ナイキ株はこのとこヘッジファンドの間でも人気のある株で、ファンドの組み入れ比率も高い。
この日も連銀のハト派のひとりであるジェームズ・ブラード(セントルイス総裁)は年末の利上げ説に触れたが、相場にはほとんど反応なし。株価には12月の政策転換はすでに織り込み済みである。年末のサンタクロース・ラリー展開の関門がひとつ取り払われた感じである。
いまひとつ先行きに明るい材料はユーロ中央銀行のドラギ総裁の「12月には思い切った量的緩和を断行する」という再三の発言である。これまでから有言実行、いったん口にした言葉には裏切りが少なかった。パリ同時テロ事件の発生で湿った空気の払拭もチャンスと読む。ユーロ相場はドラギ総裁の発言を受けて小幅安になった。
ゴールドマン・サックスが新興諸国の株価に底入れ宣言を出した。新春の相場を占うには好材料である。

昨日は医薬品、食品株が業種として相場をリードした。医薬品では小野薬品(4528)が相場のけん引役。先の決算説明会後、株価の評価が一段と引き上げられた。開発中の一連のがん治療薬の販売が、来年から業績に本格的に寄与し、世界的に存在感を高めていくだろう。いまのころ他の業種の人気株のように外人持ち株比率が低いのがいい。来年以降は外人投資家が、日本の医薬品株を再評価するステージにはり、その代表格になるだろう。目先はヘルスケア関連への投資の幅を広げていこう。
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ヘッジファンドも動き出すだろう

2015-11-20 09:10:22 | 投資戦略
今週のNY株は3連騰後、昨日は小休止。
先週のパリテロ同時事件の影響もなく、ヨーロッパ株を初め新興諸国も上昇で年末高へ地ならしが進んでいる。この日はイエレン連銀議長にもっとも近い側近フィシャー議長が12月の政策転換を口にしたが、相場には影響がなかった。
ただ足元のウォール街ではそんなに上ついた気分もなく、慎重姿勢も消えない。ヘッジファンドは8~9月の調整局面で久しぶりに痛手を受けるところが出ただけに、手持ち玉を減らし今後の戦略を練る。
東京市場でかねて本欄で注目してきたヘルスケア関連が強い。
日本の薬品企業のバイオ技術水準も時間を経て欧米に近づき、一部の企業では欧米並みの開発力を身に付け出したのを、株価が織り込みはじめた。1980年代に花を開いた欧米でのバイオ技術は、日本でも20数年余の苦節を乗り越え、欧米の水準に到達し、これからはかつて抗生物質でみせたような日本らしい新製品の開発の動きが出始めるだろう。
現在は小野薬品(4528)、塩野義製薬(4707)、日本新薬(4516)などの株価にこの現象がみられるが、今後がこの人気が横へ拡散する可能性がある。

新テーマの訪日外人のインバウンド関連は月間の好調な数字が出ても軒並み高という人気がみられず、今後は個々の銘柄の選別買いの段階にはいった。
本欄で早くから注目した寿スピリッツ(2222)も史上最高値を更新したが、今後は同社の経営力の展開に注目したい。
シマノ(7309)の株価も目先は底入れした。12月決算では再び大幅な増額修正が期待でき、年末、新春相場の人気株になるだろう。

注目してきた銘柄の個別物色がはじまつた。25日線との乖離率は日本調剤(3341)-0.9%、(リゾートトラスト)+2.94%、コーセ(4922)+3.9%、タダノ(6395)+4.6%、朝日インテック+0.9%と魅力ある水準である。

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ぜひ投資したいヘルケア3銘柄

2015-11-19 07:15:41 | 投資戦略
パリ同時テロ事件がNY株の不透明感を取り払ったように米国株は3日間の続伸。
この日の材料は米連銀のFOMCの議事録(10月)の公開である。前回の会合で金融政策の転換が議論の大きなテーマになったことを示唆する。
先送りは足元で回復に自信の持てないような材料が出てきた時で、現状では特に見送る理由は考えられないとういうのが大勢の空気であった。第3四半期のGDPは不振だが、景気の方向性を1ヵ月の数字だけで見るには適当でなく企業、個人消費の好調に注目する。夏場の相場を押し下げた中国景気の鈍化など海外要因も落ち着いてきた。
政策転換後に景気が停滞した場合の新金融政策についても議論されたようだ。連銀の周到な政策運営に信を置く市場の人気がこの日は優勢であった。
政策転換が見送られるのは12月初めに発表される雇用統計(11月)に不測の悪い数字が出た場合である。

この日の相場をみるかぎり市場は政策転換を織り込み、当面の関心はむしろ2016年の米国、世界経済の方に移る。

SECに4半期毎に大口投資報告書を提出する期限が今月中旬きた。
連日、注目の大手機関投資家の9月末の状況が明らかになるが、第2四半期の相場の調整局面ではヘッジファンドが運用に苦闘した。
上昇トレンドの反転で売りを余儀なくされ、手持ち株の処分を思い切っておこなった。個々の銘柄で特に目立つのは昨年公開したアリババ(BABA)投資からの撤退で、さすがの有名ヘッジファンドも大量投資で大きな損失を蒙った。
ヘッジファンドの手持ち玉の調整が終わっただけに、10月は前向きに転じ、最近は買い越しに転じたようだ。

ウォール街に先駆けて東京市場ではヘルスケア関連の復調が顕著である。
かねてのわれわれの持論通り、日本に医薬品業界も欧米の水準に一歩一歩と近づいてきた。海外から日本発の新薬に注目が集まりはじめた。ロイヤリティ収入が業績を押し上げ、それがR&D(研究開発投資)の源泉しなり、成長に結びつくという好循環が散見されるようになってきた。小野薬品(4528)、塩野義製薬(4507)、日本新薬(4516)が典型例。関西医薬品3羽ガラスとでもいえるか。
小野薬品が先行し塩野義製薬、日本新薬が追随する。この3銘柄はかならず投資したい株である。目先。中長期とも注目できる。
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世界的な株高基調へ

2015-11-18 05:46:50 | 投資戦略
世界の株価は反騰トレンドにはいった。
先週のパリ同時テロ事件でユーロ中央銀行の量的緩和の開始時期が始まるという読みから欧州株が軒並み高。また米国の消費関連株の好調な決算を好感し、ウォールマート(WMT),ホーム・デポ(HD)が買われた。
先週はNY株が6週間振りの下落になったが、今週初めは9月末以来の反騰になり市場の雰囲気は好転した。
テクニカル面でもダウ平均、S&P500とも200日移動平均線に対してゴールデン・クロスの接近が期待され、年末相場を期待する資金の流入がはじまった。
景気指標も好調で消費者物価指数(10月)は3ヵ月ぶりに上昇、製造業指数(同)も堅調。米国景気の底流では新年に向けて上昇のトレンドが固まってきた。
S&P500採用銘柄の時価総額は1500億ドル(1800兆円)を超え東京市場の597兆円の3倍になった。
東京市場も好調な企業業績を買う人気が濃厚だ。
自動車株の富士重工業(7270)が典型例で年初からの上昇率は+18%。この人気に比べトヨタ自(7203)、マツダ(7261)は共に-14%。年末相場では活躍するとみる。

先の決算ではリゾートトラスト(4681)を再評価したい。決算発表時にはサプライズ内容がなく売られたが、最近の新リゾート物件の取得が目立つ。直近は琵琶湖で大型物件を取得し、神戸の六甲山の高級リゾート会員権の販売を始めた。昨年のハワイへの進出など、これまでにみられない積極姿勢を再評価したい。
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