足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ハイテク、ネット株に人気の兆し

2008-04-16 17:49:08 | 株式

昨日のウォール街ではインテルの決算発表が注目された。第1四半期の決算では利益は事前の予想通りであったが、売上がアナリストの見通しを上回った。同時に2008年の通期の業績見通しを引き上げた。1年先の業績であるが、会社は世界的にハイテク製品に対して需要が増加すると読んだ。

特にPCとサーバーの需要が世界的に好調で、成長のトレンドの上向きに手応えを感じている。インターネットの成長が貢献した。

株価は引け後の取引で+8%と急騰した。

昨日のウォール街では売買代金が低水準であったが、この現象をみて「売り物もドライアップ(枯れた)した」とみる向きが出てきた。これまでなら投資家の消極姿勢のほうに目が向いたが、相場の底入れを期待する人気が出てきた。

東京市場でもこの日はハイテク株が買われたが、新興市場でのインターネット株の人気に注目したい。

かねて注目してきたフリービッド(3843・マ)が、ストップ高で引け新高値を更新した。

また引け後、ミクシィ(2121・マ)が20083月期の増額修正を発表した。「トリトンスクエア通信」ではフリービッドと並んで注目してきた。

売上は97億円→100億円、経常利益32億円→37億円に増額修正である。

公開以来、実績がいつも予想を上回ってきたのは人気面では大きなプラス。一時は業績の伸び悩みがいわれたが、その種の見方をはねのけた。携帯電話向けの広告が成長の原動力になった。引き続き注目したい。


ヘッジファンドが増殖

2008-04-15 17:41:59 | 株式

今週の米バロンズ誌には昨年のヘッジファンドの成果が特集された。

2007年のデータによると世界9700社のファンドを調査、その運用資産は17900億ドル(179兆円)になった。

過去3年間の年平均のベスト5は次の通り。

パスポートⅡ +65.50

ダイナミック・パワー +60.20

ポールソン・エンハンスド +50.66

バルストラ・キャピタル +48.59

ルネッサンス・テクノロジー +48.10

このうち昨年2倍以上の成果を上げたのが、パスポートⅡの+219.44%、ポールソンの+129.13%、バルストラの+199.14%である。

パスポートの3倍以上という利益は脅威的だ。市場がサブプライム問題で不安に包まれているときに、混乱を利用して大きな利益を上げたのだから、ヘッジファンドの本領を発揮した。

昨年7月に端を発したベアースターンズの危機は自社内で運用するヘッジファンドの運用の失敗の表面化であったが、今回は逆にその危機をチャンスにしたところも多かったのは、1998年のLTCM破綻時と大きな違いであった。

LTCMといえば、運用者のジョン・メルウェザーが復活して運用していた債券ファンドが、大きな損失を出した。

ここにあげた数字をみていると、いまや資産運用のひとつとしてヘッジファンドが確固たる地位を確立したことがわかる。

いつの間にか、その世界は2兆ドルに近い成長をとげてきた。


IPO(新規公開)に希少性

2008-04-14 14:50:15 | 株式

先週,IPO(新規公開)したアールテック・ウエノ(4573.HC)は、新興市場の地合が悪く、なかでも新規公開株を敬遠する向きが多いなかで、好調なIPOとなった。

米国で2007年に公開されたスキャンポ・ファーマシューティカルズ(SCMP)の傘下の企業である。

米国企業は眼科、皮膚科の医薬品の研究、開発で成功しており、主力製品は緑内症、高眼圧症の治療薬「レスキュラ点眼薬」である。

また慢性・突発性便秘薬を武田薬品と共同開発し、米国では、すでに販売している。

「トリトンスクエア通信」では経常利益率が36%と高いことに注目した。眼科薬が専門の参天製薬(4536)の経常利益率は20%である。

本日もストップ高で10万円高の買い気配で91万円。時価総額は440億円になり、米国のスキャンポ(同154億円)を上回った。

今月はIPO銘柄が1社という需給関係のよさもあるが、これまで公開されてきたバイオベンチャーとは異なり、数字ではっきりと投資価値が計算できる銘柄であった。

「トリトンスクエア通信」での計算式で理論株価を試算すると、初値での投資は十分に説明がついた。


ドル相場の展開に関心

2008-04-12 17:13:53 | 株式

昨日のNY株は暴落した。

木曜日はG7を控えて戻った相場であったが、GEの第1四半期の業績が予想を大きく下回ったうえに、2008年の見通しも減額修正されたことがきっかけである。金融市場の波乱が、同社の金融部門にも影響を与えた。このニュースで、来週、発表になるメリルリンチ、シティ、JPモルガン、バンカメ、ワコービア、ワシントン・ミュチュアルの大手金融機関の追加損失の拡大の懸念が出た。

先に発表になったリーマン・ブラザーズ、ゴールドマン・ザックス、UBSの決算のときは、「材料で尽くし」で相場は買われたが、今回は市場がどのように反応するか?

金曜日の東京市場では、みずほフィナンシャルのサブプライム関連の損失拡大の発表には、やはり「材料で尽くし」で株価は反騰した。

バーナンキ議長は「米国のサブプライム問題への対応は日本の1990年代の資産バブル崩壊時の対応とは基本的に異なる。日本の政策当局は市場のメッセージを無視したので、事後処理に時間がかかったが、連銀は市場の反応を注視して行動している」と語った。

ここで証券市場に再び波乱の兆しが出れば、果敢に対応することを表明したことに注目したい。

それに今回のG7では2004年以来、初めてドル安に対して言及がなされた。1995年、2004年に続くものである。1995年は円相場が79円をつけたときだ。2004年は101円。その後、それぞれ135円、124円まで下落した。

来週の為替相場に変化が出る可能性がある。


当面の投資戦略

2008-04-11 17:31:41 | 株式

ようやく相場の足取りに弾みが出てきた。

その背景はウォール街の動きである。

「トリトンスクエア通信」では、先週、シカゴのスティフル・ニコラスの“底をつかむのは、天井よりやさしい”という見方を紹介したし、今週では“鞭に打ちのめされた”と題して有名なリチャート・アームズの開発した新指数APCAbsolute Percentage Change)を取り上げた。

特にAPC指数は1940年にさかのぼって検証した新分析ツールである。

アームズ指数というのは知る人ぞ知る数値で、米バロンズ誌に40年前に登場した。トレーダーが好んで利用しており実践に利用できる。東京市場より合理的な株価形成が行われているだけに、この種の分析ツールが、世界にさきがけて登場するのがNY市場だ。

先週も今週もNY株は歴史的な底値形成をしており、中、長期的にみても上昇トレンドにはいったというものである。

われわれはこの種の見方にもとづいて、投資戦略を立てようと考える。

昨日のウォール街ではハイテク株が久しぶりに相場をリードした。

インテルにバンク・オブ・アメリカのアナリストの格上げが出て人気化したほか、シスコ・システムズの業績は予想を上回るとモルガン・スタンレーがコメントを出した。

これまで業績不振で売りたたかれたハイテクだけに、相場全体を引っ張った。

現在、ウォール街では第1四半期の業績発表が始まったが、第1四半期は-11.3%、第2四半期は-3.5%、第3四半期は+13.9%、第4四半期は+54.5%というのが、現在のコンセンサス。これまでの市場はこの種の見方を信用しなかったが、相場の動きをみていると、市場では、ようやく注目する向きも出てきた感じだ。

信用市場の危機についても、「始まりよりも終わりに接近してきている」という声も強まってきた。

さて先行き「なにに注目するか?」。

今週は金融と不動産を取り上げた。