NYダウ平均が8日の連騰になった。2007年4月以来のことである。
今回の連騰は東京市場をみているとピンとこない。8月の日経平均はいままで+1.1%、NYダウは+4.4%。
ウォール街の底の深さは株価指標だけではなかなか理解ができないことが多い。
たとえば2007~2008年の金融恐慌の元凶になった金融機関の株価をみると、NY市場の真の姿がひとつ浮かび上がる。
昨日は問題の世界最大の保険AIGの株価が急騰した。株価は1日で+27%。新CEOが「これ以上資産を切り売りする必要はない」と語ったことが材料になった。AIGの株価が今月は3.7倍になった。
AIGだけではなく、昨年のリーマンブラザーズ破綻の引き金になった米住宅金融公社の株が最近は大きく復調してきた。安値からフレディマック(FRE)は8.9倍、ファニメイ(FNM)は6.4倍。100年に一度の危機の後にはこんなすごいパフォーマンスをする銘柄が続出してきている。
機を見るに敏な投資家が参加しているのはウォール街の底の深さである。世界最高のヘッジファンドにのし上がったジョン・ポールソンが金融株を買っている。先にバンク・オブ・アメリカの第4位の大株主になったが、昨日のニューヨーク・ポストの記事ではシティの株を発行株の2%取得した。2007~2008年にサブプライム関連商品をショート(空売り)して大成功した。その戦略にはだれにも及ばない冷徹な分析眼がある。
東京市場にもこの種のチャンスがあるはずだ。