5月相場も終わった。日経平均は前月比で-11.8%、NYダウは同-8.0%であった。
特にウォール街では昨年2月(-11.7%)以来の下落率で、5月の相場としては1940年5月以来の下落率と実に40年ぶりの記録。2008年のリーマン・ショック以来、この種の記録には慣れてきたが、落ち着きかけていた相場だけに投資家心理には水を差す。
前日は中国がユーロ・ドルの保有の見直しを行わないという発表をして、NY株は大幅高をしていた。しかし昨日は格付け機関のフイッチがスペインの格付けを引き下げたことが相場に影響を与えた。
来週の月曜日がメモリアル・デーでNY市場が3連休にはいいるので、この日は主要なトレダーは仕事を早々に切り上げ職場を離れた。
東京市場は3連騰したあとだけに週明けはNY株安に反応しそうである。
ただウォール街の地合いはそんなに悪くはない。気にされているVIX(恐怖)指数は、昨日、小幅な上昇で32.07になったが、1週間前の週末はNYダウが-376ドルも下落して40まで急騰していた。
ゴールドマン・サックスのDavid Kostinが2010年のS&P500の1株当り利益を$76→$78、2011年を$90→$93とそれぞれ引き上げた。彼はヨーロッパの金融不安が企業収益に影響しないとみる。
ニューヨークの有力な大手ヘッジファンドも「ユーロ問題は可決可能である。株式の投資比率を引き上げた」とレポートしている。
テクニカル分析の専門家はS&P500の目先の下値の支持線は1080~1090とみているが、この近辺でNY株はもみ合っている。先行きには暗い話ばかりではない。