NY株が大幅高になった。
理由のひとつとしてあげられているのが、有名なエコノミストのエド・ハイマン(ISIグループ会長)の「連銀は近くFFレートの利下げに踏み切り、先行き0.25%ずつ下げ、金利を4.0%にする(現在5.25%)」というレポートである。
ひとりのエコノミストの見方が相場を動かすというのは、合理性の働くウォール街ではめずらしいことではあるが、過去27年間にわたって人気投票NO1の地位を守り続けてきただけに、市場はその見方に信頼を置く。
彼は独立して調査会社を興す前には、伝統のある機関投資家向けの証券会社サイラスローレンスで活躍した。東京にもしばしば来て、彼の話を聞いたこともある。
「連銀は2年間にわたって利上げを続けたがその結果、住宅市場は16年ぶりの不振に陥った。現在の状況を評価付けするならば“非常に悪い”といえる」
「金融政策が緩和に向かうとき、株価は一本調子で上昇するというのが歴史が物語るところ」
「連銀のこれまでの政策評価はAランクだ。インフレの進行にブレーキ役をはたすというすばらしい機能を発揮した」
「利下げの効果が出るまでには時間がかかる。経済成長率は1.0~1.5%に落ちるだろうが、浮上するのは2008年である」
「不況になることはない。ただ住宅市場は向こう3年間は不振が続き、サブプライム問題は尾をひくだろう」
「雇用の増加は減速する。それが連銀の利下げの行方を判断する道標になる」
「いまは先行きに投資する時期だ。米国はインフレのない好ましい状況に移行するのに賭ける時期だ」
久しぶりに明るい見通しのレポートにウォール街は大きく反応した。