足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

「恐怖&貪欲」指数が急低下

2016-01-21 06:10:46 | 投資戦略
NY株は暴落した。一時は-531ドルになり市場にパニックが走った。
市場の懸念は中国、原油の下落だが、特にこの日は12年振りの安値を記録した原油相場だ。この2つの悪材料に関して、目下、問題解決に全力を投じているのは中国の政策当局だが、世界第2位の規模になった大国には、これまで現在のような経験がなかっただけに、対策をめぐって右往左往している。
一方、原油の暴落で大きな打撃を受けているのは産油国の大国サウジとロシアである。今回の原油安の理由に米国のシェール石油の増産という問題があるだけに、相場のテコ入れは簡単でない。中東の産油国も苦難の面ではこれまで経験したことのない未踏の場に直面している。
昨日のウォール街では懸念材料のひとつとして円相場の上昇が話題になった。これまで日銀の量的緩和とアベノミクスで日本経済は回復の糸口をつかみ、外人投資家も高く評価してきたが、今回の円高には大きな戸惑いと失望感がある。これまで2%のインフレ目標を掲げて走ってきた中央銀行の動きが、相場の暴落に対して沈黙を守っているからだ。
本欄で利用している市場センチメント指数であるMarketWatch(ウォールストリーとのウェブ版)の「Fear&Greed」(恐怖&欲望)は1週間前の14ポイントから、この日は8ポイントまで急落した。1ヵ月前が32ポイントで、市場の先行きの不安感がみてとれる。
この指数はVIX(恐怖指数)よりも計算の根拠になっている数値が全体で8項目とより精緻で、そのなかにはVIX指数も入っている。最近の最安値は昨年夏場の2ポイントで当時はゼロに近づいた。それに比べるとまだ上にあるが、限りなく下値に近づいていることは確かである。
NY市場では引けにかけてナスダック指数が一時はプラスに転じるなど、バーゲンハンター(押し目買い)が出てきた。
来週の米連銀のFOMC,日銀の政策会合が一つの転機になる可能性に賭けたい。
ウォール街ではジョン・ポールソン(ウェルズ・ファーゴ)、マリオ・ギャベリ(バロンズ誌の新春座談会の常連メンバー)が相場の展開をみて強気に転換した。

東京市場ではETF(上場投信)の日経平均レバレッジ・インデックス連動型投信(1570)に注目したい。