足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

弱気が蔓延…短期的には買いサイン

2016-01-09 08:59:41 | 投資戦略
中国株の落着きにもかかわらずNY株は3日間続落した。この3日間のNYダウの下落は812ドル、日経平均は683円になった。
年初来の下落率はS&P500が-6.2%、日経平均が-7%、ヨーロッパ株(Stoxx600)が-6.7%、上海株が-10%であった。今回の世界的な株安の主因になった中国株が、昨日は+1.96%と反騰したが、世界の相場の方向性を変えることが出来なった。
注目の米雇用統計(12月)は29万2000人と事前の予想21万5000人を大きく上回ったが、相場には反応がなかった。
市場では弱気筋が増え、年初来の株価の予想外の下落は2016年の1年間の相場の動きを物語るとみる弱気筋が増えてきた。

先に書いたようにジョージ・ソロスは「2008年の金融危機の再来」と警戒心を高めた。
また万年弱気のマーク・ファバー(Gloom,Boom&Doom Reportの発行者)のメデイアでの露出度が急に増え、かねての弱気見通しを一段と強調した。S&P500は2011年の安値1,099ポイントを目指す(現在より40%下落)とみる。
中国株下落の影響度よりも、石油相場の暴落で世界的に流動性が急低下していることを強調している。最近、サウジアラビアが国営企業のアラムコの株式公開が伝わったが、石油国の手元流動性の低下を気にする。中東には頻繁に出かけ、産油国の内情は誰よりも詳しい。1970年代後半から1980年代前半には、私も中東へしばしば飛んだが、行き先でよく顔を合わせた。
彼がいまひとつ問題にするのは日欧米の中央銀行の量的緩和の結末で、それが世界経済の先行きの予想を難しくしていると強調する。

このような暗い雰囲気のなかでバンク・オブ・アメリカ/メリルリンチが世界の株価指数の動きを200日、50日移動平均と比較して分析しているが、現状は「買い」サインが出たとしている。確度の高い経験則のひとつである。