足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

収益逓増の法則

2007-05-29 17:21:14 | 株式

シリコンバレーに非営利法人のSFI(サンタフェ・インスティチュート)という研究所がある。数々の著名な科学者を生み出してきたが、この研究所の特色は科学技術の分野だけではなく、経済学の分野にも科学技術のの分析を持ち込んで研究している。

この研究所にアイルランド生まれのW・ブライアン・アーサーという研究者がいる。ハーバード大でも教鞭をとった。

著名な投資家のビル・ミラーが心酔している人である。アイルランドは人口が数百万人であるが、ユダヤ人と同じように優れた遺伝子を持つ人種でケネディ大統領や伝説的なファンド・マネジャーのピーター・リンチの祖先はアイリッシュである。

ブライアン・アーサーは「わかりにくいかもしれないが、効用の逓増が向かうのは、均衡ではなく、不均衡である。市場で他と競い合っている製品、企業、テクノロジーが、幸運に恵まれ、あるいは懸命な戦略の結果、いったん優位に立つと、逓増する効用のおかげで、有利な立場はより強化され、その製品、企業、テクノロジーが市場で確立した地位を築いていてしまうのです」と書いている(ジャネット・ロウ「ビル・ミラーの株式投資戦略」三原淳雄訳・ダイヤモンド刊)。

この文章は上記の翻訳書から引用させてもらったが、現在の先端分野では「収益逓増」という現象が起こっているといおうブライアン・アーサーの理論にはひきつけられれ、ビル・ミラーが注目するのがわかる。

われわれも投資に当たって有望銘柄の選択には大きなヒントになる見方である。現在の東京市場でも成長銘柄には当てはまる理論である。

今後、銘柄発掘には応用していきたい。

今夜のNY市場はS&P500が新高値をつけるかどうかが焦点。

ヨーロッパではM&A合戦の渦中にあるABNアムロ銀行(オランダ)にロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのグループが、先のバークレーズ銀行のTOB提案の金額を14%上回る711億ユーロ(11兆7000億円)の買収提案をした。

みずほFGの時価総額の10兆円を超え、三菱UFJの15兆円に近づく金額で、実現すれば史上最高の買収金額になる。日本の銀行も安泰でなくなってきた。

今夜のNY市場にインパクトを与えるだろう。

コメント
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