足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

東京市場に潮流の大変化が来るか?

2005-09-09 22:05:53 | 株式
東京市場の売買高が史上最高水準を記録、3兆円に乗せた。SQという特殊要因があったものの、先の資産バブル時の記録を上回るというのは、底流に大きな潮流の変化が出てきているとみなければならない。
この議論は別に譲るとして、われわれのこの日の大きな関心事はACCESS(4813・マ)による米国パームソース社の買収だ。
携帯端末の基本ソフトであるOSの開発で世界的なディ・ファクト・スタンダードを目指してきた会社である。
ACCESSは野村證券を引き受け先にして6月に500億円のCBを発行した。「成長のための企業買収」と説明したが、そのときは複数の企業に資金を使うのかと思った。しかし1社に358億円を投じる。しかも時価よりも83%ものプレミアムをつける。ただパームソース社の株価は1年前の$40から現在は4分の1の$10に下がっているので、ACCESSは大きなチャンスとみた。資産バブル崩壊で外資が日本企業の安値買いをしているが、逆にテクノロジーをもって米国に上陸するのはこれからの日本の成長企業の一つの行き方だ。
これで同社の成長戦略がはっきりした。自社で開発した携帯電話のネット接続のOSを世界的なディ・ファクト・スタンダードにすることを目論む。技術力の向上と、そのマーケッティングにパームソースの販売チャネルを利用しようというわけだ。
日本企業としてはソニーに匹敵するテクノロジーの世界企業になる道筋が見えてきた。CBの発行時にすでに話ができていたのか?
来週14日に2006年1月期の中間決算の発表がある。その席上で今回の買収戦略が説明になるだろう。
日本のミニ・マイクロソフトとみてきたわれわれの見方に一歩近づいたとみる。
今日はマザーズの売買代金が960億円とジャスダックの760億円を上回った。
東京市場の底流に流れる潮の変化がここでも見てとれる。
ACCESSの相場がそれを現している。来週の動きに注目したい。