宝塚歌劇 一オタクの備忘録

宝塚歌劇の感想を記しています。雪組中心。龍真咲さん→朝美絢さんファンです。

2016年『アーサー王伝説』①

2020-08-16 22:40:30 | 観劇感想(月組)

たまきちくんのお披露目だし、みやさんの女役気になるしとチケットをとりました。

観に行く前から世間の評判は芳しくないので、期待値はなるべく下げて観劇に臨みました。

 

アーサー(珠城りょうさん)は聖剣エクスカリバーを抜いて王となり、グィネヴィア(愛希れいかさん)を妃とするが、彼を恨む姉のモーガン(美弥るりかさん)が彼を追い落とそうとたくらみ、湖の騎士ランストロット(朝美絢さん)とグィネヴィアが恋に落ち…という基本ストーリー。

1789と同じ、ドーヴ・アチア氏の曲はポップで素敵です。
そして、出演者は皆、すばらしい演技をされていたと思います。
ビジュアルがまたすばらしい。

ですので、ショーとして観ると楽しい公演で、好きか嫌いかというと私にとっては結構好きな部類に入ります。

 

たまきちくんは、実直な王様の感じが大変似合っているし、悩んだ末、王として目覚めるという演技よかったです。甲冑があのスタイルによく映える。
ちゃぴちゃんはピンクの衣装も水色の衣装も素敵。ドレスの色が変わったところで、彼女が心変わりしているのですね。格好いい人にすぐ惚れてしまう浅はかな少女になりそうなところ可愛いなぁと思わせてくれます。
からんくん(千海華蘭さん)のマーリンは、すごい魔法使いというより、情けない人感が出まくってますけど、どうも憎めないですし、アリアンロッドの紫乃小雪ちゃんも可愛い。
ガウェインのゆりやくん(紫門ゆりやさん)とウリエンのまんちゃん(貴千碧さん)を始めとする騎士は皆、格好よい。輝城みつるさんのパーシヴァルが特に印象に残りました。
ケイの佳城葵くんはとっても可愛くて、馬鹿なふりをして実は賢い兄、とてもよかったです。ロボットダンスもパントマイムも上手!

みやさんのモーガンはきれいだし、低めの声がいい。手下のレイアの早乙女わかばちゃんとヘラヴィーサの海乃美月ちゃんもめっちゃかわいい! ちょっとハード目の衣装がみんなに合ってかわいいのがすごい。
メリアグランスの輝月ゆうまくん。悪役、いいですよねぇ。高身長が映えるし、歌もうまい。
この4人が一緒に悪だくみしていると最高です。

あと95期の場面(メリアグランスに攫われたグィネヴィアをランスロットが助けにくるシーン)も!

と書いていたらきりがないほど、見どころは満点です。

 

 

しかし。

 

 

観るたびに突っ込んでしまう点が多すぎる。

 

まず兄が闘っている横で勝手に剣を抜いたら抜けちゃった。聖なる魂を持ってるから王なんだと言われて、ライトアップされて出てきても説得力が…。この後に真の王となるためには、ここはこれでいい、ということかもしれませんが、折角のお披露目で初めて出て来るシーンなんだから、もっと格好よく作ってほしかったです。
ガウェインらが聖剣に触れないのもよく分からない…なんでメリアグランスにはできるの? もともとそういう設定なのかもしれないけど、公演だけ観ても全く分からない。
マーリンも王に言われるまま魔法をかけて部下の妻を寝取らせ、国が荒れてきたら神に助けを求める。運命の奴隷っていってもなぁと。自分でやったことなのに無責任すぎるわぁ。
聖杯もどこに行ったの? もとのストーリーがあるにしてももう少し説得力が欲しかったです。

そして何より最後のシーン。不義を働いたとはいえ狂った妻の面倒をランスロットに押し付け追放し最後まで面倒を見るのが死ぬまで守ることだと言っても…前にグィネヴィアを愛し続けるって言ってたじゃないのと。一方のランスロットが生真面目なキャラクターとなっていることもあって、二人がかわいそうに見えます。グィネヴィアが狂わないまま二人の罪を減じて追放なら、立派な王ということになったと思うのですが、だめだったのでしょうか。

もう一つ、これは石田先生の演出全般にいえますが…突然、平手打ちが入るのは何とかならないのでしょうか。グィネヴィアがランスロットを叩くのも、レオデグランス公がグィネヴィアを叩くのも、必要あるでしょうか。
平手打ちが出るたびに、あぁまた出たーと思うのですが(最近なら壬生義士伝とか)、怒ったらすぐ平手打ちなんてその登場人物がすぐ暴力に訴える人間に見えるのでいい加減やめてほしいです。

あと、歌唱力はめちゃくちゃひどいということはないですが、がんばれーという部分が結構見受けられますね。正式な音程はどこなのだろう?と感じる曲がしばしば…。難しいんでしょうね。

 

次回は、この公演で沼にまた足を突っ込んだ話です。