ずーみんのはがき絵七十二候

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はがき絵いろはうた2周目(その12)

2023-08-26 14:35:29 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないのでとばしてしまいますね。

 二周目の第十二回目、今回は「あ」「さ」そして「き」です。

 

 

 

 

『あ』・・・あじさい

 ガクアジサイの花を描きました。アジサイは漢字で「紫陽花」と書きます。梅雨の頃に花を咲かせますので、俳句では夏の季語になっています。

 書き添えてあるハングルは、「二人並んで見る紫陽花に 傘のいらない雨が降る」という都々逸を翻訳しようと試みたものです。「アジサイ」の部分は「수국」というハングルをあてて書きました。「수국(スグㇰ)」は「水菊」という漢字語で、韓国ではこれが「アジサイ」を表します。そうと知らずに「紫陽花」という漢字をハングル読みして「자양화(チャヤンホヮ)」と言ってみましたが、これも通じました。

 

 

 

 

『さ』・・・桜

 日本の国花である桜。お花見という習慣もあって、つぼみが膨らんでくるとなんだかそわそわします。韓国にも桜が結構植えられていて、桜の名所とされているところも何か所かあります。「벚꽃노리(ポッコンノリ)」と言って、韓国でもお花見を楽しむ習慣があります。日本から移植されたソメイヨシノが咲いているところも見たことがあります。花を見るための人々が屋外に繰り出しますので、川の土手などに桜を植えて、花見客に土手を踏み固めてもらうという目的も隠されているようで、桜の名所は川の土手が多いです。

 日本ではただ単に「花」と言えばそれは桜を表すのだ、というぐらい桜は花の代名詞になっています。俳句ではもちろん春の季語です。

 書き添えたハングルは「日本では桜がばぁーっと咲いていますよ!」です。

 

 

 

 

『き』・・・煙管(きせる)

 煙管(きせる)はたばこを吸うための道具です。西洋から伝わった喫煙具のパイプが変化したものだと言われています。煙草のみは年中たばこを吸っていますので「煙管」は俳句の季語ではありません。「煙管 季語」というワードで検索すると「ナンバンギセル」という植物が出てきました。「思い草」という素敵な別名を持つ植物で、秋の季語でした。

 韓国では昔話の冒頭に、「昔々、虎がたばこを吸っていたころ・・・」と語り始めるのが通例となっています。とてもおもしろい表現ですね。

 身の回りに煙管で喫煙している人を見ることはなくなりましたが、時代劇ではよく目にします。紙巻きたばこができるまでは煙管での喫煙が一般的だったのですね。高価なたばこを少量の葉で喫することができる優れものでしたが、雁首と吸い口の中間部分である羅宇(らう・らお)に脂(やに)が詰まるので掃除が面倒だったそうです。羅宇の掃除を専門にする職業もあったようで、落語にも登場します。


희망가(希望歌/ヒマンガ) 歌詞2

2023-08-19 16:58:58 | デザイン書芸

 희망가(希望歌/ヒマンガ)という歌があります。

 私はこの歌を『軍艦島』という韓国映画のエンディングで知ったのですが、心打たれる歌でした。

 この歌のメロディーには原曲があり、讃美歌あるいは聖歌、白人霊歌の中によく似たメロディのものがあること、日本の曲「真白き富士の根(七里ヶ浜の哀歌とも呼ばれる)」も、同じ曲を原曲としていることなどが調べてみてわかりました。つまり「希望歌」と「真白き富士の根」は兄弟のような関係にあるということのようです。

 「希望歌」の韓国語の歌詞を参考にしながら、その内容に合うような文字を選んでデザインして書いてみる、という試みをしてみました。

 歌詞はいろいろあるようですが、私が動画検索して聞いたものはおおむね以下のようなものです。

 

 이 풍진 세상을 만났으니 너의 희망이 무엇이냐
 부귀와 영화를 누렸으면 희망이 족할까
 푸른 하늘 밝은 달 아래 곰곰이 생각하니
 세상 만사가 춘몽 중에 또다시 꿈같도다 

 부귀와 영화를 누릴지라도 봄 동산 위에 꿈과같고
 백년 장수를 할지라도 아침에 안개로다
 담소화락에 엄벙덤벙 주색잡기에 침몰하랴
 세상만사를 잃었으면 희망이 족할까

  희망이 족할까...


 この風塵の世に出逢い お前の希望とは何なのか
 富貴と栄華を享受するならば 希望は叶うのか
 青い空 明るい月の下 つらつら鑑みるに
 この世は万事 春の夢の中 さらに夢見るが如し

 富貴と栄華を享受すれども 春の園の夢の如し
 百年長寿は成れど 朝には霧の如し
 談笑 和楽に浮かれ 酒色 雑事にふけるのか
 この世は万事忘るるがゆえに 希望は叶うのか

  希望は叶うのか・・・

 

 以上のような歌詞です。歌詞はこれ以外にもあるようですが、私が動画検索して聞いたものを書き写しておきます。この歌詞の一行につき一文字をデザインしましたので、八作品を書くことができました。作品ははがきに書き、ある方に郵送すると、その方がご自身のブログにアップしてくださる、というシステムになっています。回りくどいようですが、一度郵便で「旅をさせる」ことにより、全国の郵便局の風景印をコレクションするという目的も達成できるので、このようにしています。バラバラにアップされた作品を、一つにまとめて並べて見たいという思いに至りまして、歌詞の順に八枚まとめてご覧いただきます。

 以前にも同じ試みを行っています。今回は「『希望歌』の歌詞を書く」の2回目となります。

 

 

 

 이 풍진 세상을 만났으니 너의 희망이 무엇이냐

 この風塵の世に出逢い お前の希望とは何なのか

 

 부귀와 영화를 누렸으면 희망이 족할까

 富貴と栄華を享受するならば 希望は叶うのか

 

 푸른 하늘 밝은 달 아래 곰곰이 생각하니

 青い空 明るい月の下 つらつら鑑みるに

 

 세상 만사가 춘몽 중에 또다시 꿈같도다 

 この世は万事 春の夢の中 さらに夢見るが如し

 

 부귀와 영화를 누릴지라도 봄 동산 위에 꿈과같고

 富貴と栄華を享受すれども 春の園の夢の如し

 

 백년 장수를 할지라도 아침에 안개로다

 百年長寿は成れど 朝には霧の如し

 

 담소화락에 엄벙덤벙 주색잡기에 침몰하랴

 談笑 和楽に浮かれ 酒色 雑事にふけるのか

 

 세상만사를 잃었으면 희망이 족할까

 この世は万事忘るるがゆえに 希望は叶うのか

 

 アップしながらも頭の中にはこの曲が流れています。頭の中で歌が歌える八枚セットの完成となりました。

 

 一回目の文字は順に 逢、貴、空、夢、夢、朝、酒、希 でした。

 今回、二回目の文字は順に 塵、冨、明、夢、栄、寿、酒、望 です。


はがき絵いろはうた2周目(その11) 

2023-08-11 15:57:00 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないですねえ。

 二周目の第十一回目、今回は「こ」「え」そして「て」です。

 

 

 

 

『こ』・・・コスモス

 コスモスは漢字で「秋桜」と書きます。山口百恵さんの歌がまず思い浮かぶ年代です。歌詞はさだまさしさんによるものでしたね。書き添えたハングルも「こんな小春日和の穏やかな日は・・・」と、歌詞の一節を書いてみました。「小春日和」に相当する韓国語が見当たらず、「暖かい天気の温和な日」としてあります。

 俳句では「コスモス」は秋の季語、「小春日和」「小春日」は初冬の季語です。晩秋から初冬にかけての穏やかで温かい天候の日を指して言った言葉です。「小春日の席は窓際より埋まる」という句があるように、日当たりのよい窓際の席が心地よく感じられるような時候です。

 

 

 

 

『え』・・・エリンギ

 エリンギは庶民の味方です。きのこ汁になくてはならないキノコのひとつです。栽培種で入手しやすく、スーパーで手ごろな価格で売られています。外来語なので韓国でもエリンギと呼んでいるのですが、焼き肉店などで出されるときは「송이버섯(ソンイポソッ=松茸)」と呼ばれることもあるようです。

 松茸は秋の季語ですが、エリンギは一年を通して出荷されており、季語にはなっていないと思います。レンジでチンして麺つゆをかけただけでおいしい「あて」になります。「今宵はエリンギにて一献」というわけです。

 松茸の絵を描いて「描くのは松茸 食べるのはエリンギ」と書き添えた私のはがき絵作品もあります。

 

 

 

 

『て』・・・点滴

 何年前になりますか、入院して手術を受けたことがあります。消化器系の疾患だったので、手術後もなかなか物が食べられず、点滴で栄養を取っていました。食いしん坊の私としてはなかなかにつらい日々でした。書き添えたハングルは「口から物を食べることができる幸せ」です。

 「点滴」は当然ながら俳句の季語ではありませんが、夏の季語に「滴り」というのがありますね。ちなみに私が手術を受けたのは2月でした。