のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ひきこもりたんていシリーズ/坂木司

2009年03月15日 01時12分21秒 | 読書歴
19.青空の卵 : 以前の感想はコチラ
20.仔羊の巣 : 以前の感想はコチラ
21.動物園の鳥 : 以前の感想はコチラ

■感想 ☆☆☆
 久々の再読。何の気なしに1冊読み始めたら、ひきこまれてしまい
 あっという間に3冊を読み終えました。
 ただ、久々に読んでみると、推理小説としては、謎も解決も
 少し甘すぎる気がしないでもありません。
 物足りなさを覚えるところも多分にありました。
 主人公、坂木と鳥井の共依存関係にも若干、イライラ。
 しかし、それでもこの作品、嫌いではありません。

 優しく、人として正しい登場人物ばかり。
 ただ、どこか不器用で、その優しさや愛情を素直に表せない。
 お互いへの思いやりゆえの行動が空回りしてしまうこともしばしば。
 そんな登場人物たちがとても愛しい三冊でした。
 鳥居のぶっきらぼうな喋り口と、坂木のおどおどとした笑顔が
 居心地の良い空間を作り上げていて、本を読みながら、
 何か美味しいもの、例えば丁寧に作られたあったかいシチューのような
 お料理を大好きな人たちと食べたくなりました。

 久々の再読で、鳥井へのいじめで坂木も傷ついていたこと
 そのときの記憶がトラウマとなって坂木を今も苦しませていることに
 ようやく気付けました。
 共依存関係になったのは、坂木も鳥井を必要としていたから、
 そして、坂木が必要以上に人の痛みに敏感なのは
 そのときのトラウマが今も消えないから、という
 ストーリの根幹部分の設定に今更、気付いた自分にびっくり。
 読み返してよかった!


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